え、お彼岸って天気悪くなりがちなの?「くされ彼岸」って知ってる?
先日、仕事中にある患者さんがふと「くされ彼岸で天気悪いねぇ」とつぶやかれました。その言葉の響きに「え、なんかすごくない?!」と食いついた僕。
「くされ彼岸」って言葉、みなさん知ってましたか?僕は初めて聞いたのですが、これが意外と奥が深いんです。
今回は、このちょっと不穏で、でもなんだか面白い「くされ彼岸」について、皆さんにご紹介したいと思います。
「くされ彼岸」って、一体何のこと?
「くされ彼岸」は、
ずばり**「秋のお彼岸の時期に、天気が崩れやすいこと」**を指す言葉です。
なんか、ちょっと不穏ですよね。「腐る」っていう言葉が入ってるから、初めて聞くとギョッとしちゃいます。でも安心してください。
これは「腐る」という意味ではなく、「崩れる」とか「悪くなる」というニュアンスで使われる言葉です。昔から、お彼岸の時期は秋の長雨や台風と重なることが多く、天気が安定しないことから、このような呼び方が生まれたそうなんです。
ちなみに、春のお彼岸は「花冷え」と言って、暖かくなってきたのに急に冷え込むことを指します。
「くされ彼岸」も「花冷え」も、どちらも季節の変わり目の気候の特徴を言い表した、先人たちの知恵なんですね。
そもそもお彼岸って何するの?
お彼岸という言葉はよく聞くけど、具体的に何をするのか、ぼんやりとしか知らない人も多いのではないでしょうか。実は僕もそうでした(笑)。
お彼岸は、春分の日と秋分の日を中日とした前後3日間、合計7日間のことです。
仏教の世界では、煩悩に満ちたこの世(此岸)と、悟りを開いた極楽浄土(彼岸)が、この時期に一番近づくと言われています。
この特別な期間に、私たちはご先祖様を供養するために、次のようなことをします。
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お墓参り:ご先祖様に感謝を伝えるために、お墓をきれいに掃除し、お花やお線香を供えます。
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仏壇の掃除とお供え:自宅に仏壇がある場合は、普段より丁寧に掃除をし、お花や季節の果物をお供えします。
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「ぼたもち」や「おはぎ」を食べる:これも欠かせないお供え物ですよね。
お彼岸って、ご先祖様を身近に感じて、感謝を伝える大切な時間なんだなって改めて思いました。
ぼたもちとおはぎ、同じもの?違うもの?
お彼岸といえば「ぼたもち」と「おはぎ」。これ、どっちがどっちだっけ?ってなりませんか?
実は、これは季節によって呼び名が変わるだけで、基本的には同じものなんです。
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春の「ぼたもち」:春のお彼岸に咲く「牡丹」の花にちなんで名付けられました。
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秋の「おはぎ」:秋のお彼岸に咲く「萩」の花にちなんで名付けられました。
でも、ちょっと待った!実は、あんこにも違いがあるって知ってましたか?
春のぼたもちは、秋に収穫した小豆を春まで保存しているので、皮が硬くなりやすい。
そのため、皮を取り除いた**「こしあん」を使うことが多かったそうです。一方、秋のおはぎは、採れたての小豆を使うので皮が柔らかく、食感を活かした「つぶあん」**が主流だったんです。
この豆知識、次に家族で「おはぎ」や「ぼたもち」を食べるときに話したら、きっと盛り上がりますよ!
「くされ彼岸」から考える、日々の過ごし方
今回「くされ彼岸」という言葉を知って、改めて季節の移り変わりや、天気の変化って面白いなぁと感じました。
子育て中のママ世代は、毎日がめまぐるしくて、季節を感じる余裕なんてない!という方もいるかもしれません。
でも、雨が降った日に「今日はくされ彼岸かな?」と空を見上げてみるだけでも、少しだけ心が豊かになる気がしませんか?
「くされ彼岸」という言葉に込められた、昔の人の自然への畏敬の念や、季節を楽しむ心。そんな素敵な文化を、次の世代に伝えていくのもいいなぁと思います。
皆さんも、お彼岸にはご先祖様や家族と過ごす時間を大切にしてみてくださいね。そして、ちょっと天気が悪くても、「ああ、くされ彼岸ね」と笑い飛ばせるような、そんな心のゆとりを持てたら最高ですね!

