慢性腎不全とは? 症状と透析にならないための対策
こんにちは!今回のテーマは、私たちの体にとってとても大切な臓器、**「腎臓」**についてです。
「腎臓が悪い」と聞くと、少し怖いイメージがあるかもしれません。特に「慢性腎不全」という言葉は、「透析」と結びついて、より重く感じられる方もいるでしょう。
でも安心してください。慢性腎不全を正しく理解し、適切な対策を取れば、透析を避けることができる可能性は十分にあります。この記事では、慢性腎不全の基本から、日々の生活でできることまで、わかりやすく解説していきます。
そもそも、腎臓って何をしているの?
腎臓は、背中側の腰のあたりに左右2つある、握りこぶしほどの大きさの臓器です。主な役割は、まるで高性能な浄水器のように、体の中をきれいにすること。
具体的には、
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血液をろ過して、老廃物や余分な水分を尿として排出する
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血圧を調整するホルモンをつくる
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骨を丈夫にするビタミンDを活性化する
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血液をつくるホルモン(エリスロポエチン)をつくる
といった、生命維持に欠かせない働きをしています。
慢性腎不全ってどんな病気?
慢性腎不全とは、何らかの原因で腎臓の働きが徐々に悪くなっていく状態を指します。腎臓は一度機能が低下すると、残念ながら完全に元に戻ることはありません。
腎臓の働きが悪くなると、体に老廃物が溜まり、さまざまな不調が起きてきます。しかし、初期の段階では自覚できる症状がほとんどないため、**「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」**と呼ばれることもあります。
知っておきたい! 慢性腎不全の症状
慢性腎不全は、進行度によってステージが分かれています。症状は進行とともに現れてきますが、早期に気づくことは非常に難しいです。
初期〜中期の症状
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尿の量や回数の変化:夜間の尿が増える(夜間頻尿)
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むくみ:まぶたや足のむくみ
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だるさ:疲れやすい、倦怠感
末期(透析が必要になる可能性のある時期)の症状
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吐き気・食欲不振:老廃物が体内に溜まることで起こる
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息苦しさ:肺に水が溜まるため
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貧血:血液をつくるホルモンが減るため
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かゆみ:皮膚に老廃物が溜まるため
これらの症状は、他の病気でも見られることが多いため、「単なる疲れだろう」と見過ごしてしまうことも少なくありません。定期的な健康診断で、**「尿検査」や「血液検査」**の項目をしっかりチェックすることが、早期発見の鍵となります。
透析にならないためにできること
慢性腎不全と診断されても、絶望する必要はありません。適切な治療と生活習慣の改善によって、腎臓の機能低下を遅らせ、透析を先延ばしにすることが可能です。
1. 医師の指示に従う
まずは、医師から処方された薬をきちんと服用しましょう。血圧や血糖値をコントロールする薬は、腎臓の負担を減らすために非常に重要です。
2. 食事を見直す
食事は腎臓の負担を減らす上で最も重要なポイントの一つです。
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塩分を控える:塩分の摂りすぎは、血圧を上げ、腎臓に大きな負担をかけます。日本人は塩分を摂りすぎる傾向にあるため、特に注意が必要です。
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たんぱく質の摂りすぎに注意:肉や魚、卵などのたんぱく質は、体内で分解されるときに老廃物を出します。腎臓の働きが低下している場合は、この老廃物の処理が追いつかなくなります。
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カリウムの摂取量を調整する:カリウムは野菜や果物に多く含まれ、健康な人には必要なミネラルです。しかし、腎臓の機能が低下すると、カリウムがうまく排出されず、体に溜まって不整脈などを引き起こす危険があります。
食事制限はつらいと感じるかもしれませんが、管理栄養士さんのアドバイスを受けながら、自分に合った無理のない方法を見つけていきましょう。
3. 適度な運動を習慣にする
激しい運動は避け、ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことを心がけましょう。運動は血圧や血糖値を安定させ、腎臓への負担を減らす効果が期待できます。
4. 禁煙・節酒
喫煙は血管を収縮させ、腎臓への血流を悪化させます。また、過度な飲酒も腎臓に負担をかけます。健康な腎臓のためにも、禁煙と節酒を意識しましょう。
最後に
慢性腎不全は、早期に気づき、適切な対策を取ることで、進行を遅らせることができる病気です。
「もしかして?」と感じたときや、健康診断で異常を指摘されたときは、決して放置せず、すぐに医療機関を受診してください。日々の小さな心がけが、あなたの腎臓、そして未来の健康を守ることにつながります。
これからも、一緒に健康について学んでいきましょう!