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今回紹介させて頂きます帯は、江戸時代後期に [ 匹田鹿の子 ] [ 一目鹿の子 ] [ 金糸刺繍 ]
による技法で製作された「 麻の葉つなぎに花の丸文様打掛 」 をモチーフにしています。
青海波は、春のおだやかな海の彼方、すなわち、蓬莱や仏教浄土の一つである補陀落山
言い換えれば永遠に続く安らぎ成就を表わすものです。
また花の丸はあらゆる花を文様化した優雅な古典文様です。
更に、単色に白と金の出合いは、日本人の吉祥観を大いに盛り上げています。
このように、幾重にも 「 よろこび 」 を表現した 「 青海文 」 の [ 鹿ノ子 ] [ 金刺繍 ] の
感覚をできるだけ現在の “ 西陣織の技法で表現した帯 ” が、この匹田青海丸文であり
慶祝にふさわしい帯です。
≪ 匹田青海丸文 ≫ ひったせいがいまるもん
疋田は “ 本疋田独特の立体感 ” と “ 躍動感 ” を表現するために “ 織物組織 ” と
“ 技術 ” を駆使しています
技法としては < 有職唐織 > ( ゆうそくからおり )を用いています
< 有職唐織 > ( ゆうそくからおり )という弊社独自の技法は、弊社独自の
≪ 有職錦 ≫( ゆうそくにしき ) をベースにした技法です
西陣織を代表する織物組織には、畦( 綴 )・綾( 錦 )・朱子( 緞子 )の三大組織が
あります。各組織にはそれぞれ特徴があります。
【 綴 】 は、緯糸( 横糸 )をつめる緯組織なので生地がしまり力強い生地になります
しかし、「 つや 」 がなく、地風はやや硬くなります
【 緞子 】 は、細い経糸( 縦糸 )を数多く使用し経を多く出す経組織の為に「 絹本来
のつや 」 は出ますが、生地が重くなります
【 錦 】 は、それらの中間組織である為、使い勝手がよく、一般的に用いられやすい
のですが特徴がありません
そこで弊社では、緞子地に匹敵する細かく数多い経糸 ( たていと ) に、綴 ( つづれ )
以上に極細の緯糸( よこいと )を使用して織る事で、生地の組織率を高め生糸の
つやを残しつつ、軽くしなやかでこしのある生地としました。
このように各組織の基本をふまえ、それらの長所を重ねる為には、素材の良さが大切で
製織技術も重要となってきます。それらを統合したものが弊社技法 < 有職錦 > です。
その【 生地 】をベースにして、≪ 匹田青海丸文 ≫ のようなボリューム感を表現する為に
土台となる生地を通常の倍の組織にして“ 箔 ” を用いなくても品格のある生地に仕上げる
とともに柄を表現する緯糸(横糸)も異なった色を倍越することで立体感をだしています。
それが弊社独自の < 有職唐織 > ( ゆうそくからおり )という技法です。
【 参考本 】
【 付下げ 】【 色無地 】 等にも合せて頂けます
難しい説明になってしまいすみません。“ 帯の写真 ”だけでもお楽しみ頂けたら嬉しいです。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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