今人です!
このブログは僕の所属する梅棒というチームのブログではありますが
開幕戦、ROUND.2に引き続き、個人的なレビューを勝手にお客さん目線で書いていきます。
なかなか時間ない中で観戦しスピード重視で書いたので、前回ほど詳細に書けないかもしれませんが💦
行ってみよう!
ROUND.1のレビューはコチラ
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ROUND.2のレビューはコチラ
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まず初めに!
このレビユーは完全に僕の主観で書いてますし、少しダンサー的な用語も交えた書き方になっています。
ダンスに全く馴染みのない方には、より初心者にわかりやすく書いてらっしゃる方もいるので、そちらも見てみてはいかががでしょうか。
■第一生命 D.LEAGUE とは!
企業がサポートする9つのダンスチームが、約2分のSHOWCASEを作成して披露
審査員の得点を合計し順位を決め、順位に応じたポイント(勝ち点)をゲット
これを1シーズン(1年間)に12ROUND(12節)行い
12ROUNDのポイント合計上位4チームがプレーオフに進出
準決勝、決勝は2チームづつでの直接対決を行い、そのシーズンのチャンピオンを決定!
ざっと言うとこんな感じ!
さらなる詳細はリンクをご覧ください!
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■改めて言っておきたいこと!
関係者の皆様に感謝!心からのリスペクト!
元々芸術的側面が強いダンスをプロスポーツ化するというのはものすごく難しいことです。
さらにその上で、「ファンの意見が勝敗を直接左右するプロスポーツ」なんて前代未聞です!
いまだかつてない形を取り入れつつ、ファンに愛される形を模索しながらの、相当に大変なことです。。
野球だってDHをはじめとした様々なルールが採用され、それに伴って作戦が大きく変わってきました。
サッカーだってオフサイド採用前後でまるで別競技です。
どんなメジャースポーツだって最初は形が違い、たくさんの試行錯誤の上で今の形になったわけです。
とりわけ現代はファンの声が届きやすい世の中。
自分の一票が勝敗に影響するからこそ、レギュレーションやルールに対して様々な意見が飛び交います。
たくさん意見を言うのはとてもいいことです!コンテンツの発展のためにそうあるべきだと思います。
今回ジャッジ紹介の後に、「ジャッジへのリスペクトを」という念押しがあったこと、
公式のSNSから審査基準の詳細が明かされたことなどから、やはり審査やルールに対してたくさんの意見が運営に届いていることが想像できます。
それだけ熱狂できて楽しめるコンテンツを生み出してくれている関係者へのリスペクトを、忘れたくないですね。
その上で、ファンも一緒に世界で唯一のこの競技を育んでいきたいものです。
さて、今大会のレビューに入りましょう。
オープニングは前回の優勝チーム、avex ROYALBRATSのパフォーマンスからスタート。前回優勝作品ではなく、完全新作の1分間を披露。
これとはまた別に今節の作品を用意しているのかと思うと、本当に大変なことなのは想像に難くない。
ですが、本人たちが語っていた通り、競技関係なく自分たちのスタイル(彼らにとってはSWAG)を披露できるのは貴重な機会ですね。
今節のジャッジはレギュラーの坂見氏、黒須氏に加え、ゲストジャッジとして原田薫氏と北島康介氏。
原田薫さんは個人的にお仕事ご一緒したことがありますが、ダンスはもちろん、歌、芝居はシリアスからコメディまで、舞台表現に関わること全てに秀でたすごい方。女性のダンスジャッジとしてはこの上ない人選。
そして、北島氏はダンス・音楽という専門分野とは全く違うところからの抜擢。これはファンの票ともまた違った完全客観視目線になると思うので、彼にどういった要素が刺さるのかコメントも注目。
そして今回は各チームの入場の前にこれまでの作品のダイジェスト映像がありましたね。
より振り返ることができて良い気もしますが、これから見る作品の驚きが少し減ってしまう気もするし
個人的には入場も含めて作品前が短い方が、テンポが良くて良かったのかなと思いました。
<各チームパフォーマンスの感想>
※合計点(原田薫氏/坂見誠二氏/北島康介氏/黒須洋嗣氏/視聴者投票)
◆出演順①.KOSÉ 8ROCKS(Director:ISSEI)
80点(原17/坂16/北16/黒16/視15)…3位
今回はバスケットボールを巧みに使い、音もドリブル時のバウンス音とバッシュの擦れる音。
HIPHOP文化と馴染みの深いスポーツとの掛け合わせなだけに、SHOWとしての相性は良かった印象。
BBOYの高い跳躍力とボム(背中からの落下)が、バスケの躍動感をそのままダンス化しているようで楽しめました。
これまでと違って、組技よりも全員での立ち踊りの割合が多かったように思います。
基本的にSPダンサー(そのROUND限定のゲストダンサー)を考えず現メンバーだけで勝負するようですね。
持っている技と引き出しをどの作品で使っていくかの選択が大事になってきそうですね。
ブレイキンという1ジャンルで勝負するチームなので、今回のバスケのように作品を作る上でどういうテーマと掛け合わせるのか。今回はハマリましたね。
坂見氏もそういう意味でクリエイションに高得点をつけたと言っていましたし。
坂見氏が最初のチームから16点つけるのはこれまでになかったことだと思うので、価値ある評価でしたね。
トップバッターの3位はこれまでの最高成績ではないでしょうか。シーズン全体を通してみてもすごく価値のあるROUNDだったのではないかと思います。
北島氏からチョー気持ちイイを無理やり引き出した感笑
◆出演順②.Benefit one MONOLIZ(Director:HAL)
77点(原17/坂14/北17/黒16/視13)…7位
※音楽著作権の問題でYOUTUBE映像はありません。今後音源を差し替えてアップされると思われます。
前回のバーレスクダンスからまた方向性を変えてきました。
HAL氏も言及していましたが、VOGUEをメインに踊るメンバーはヒール。ヒップホップを踊るメンバーはスニーカーに分かれていました。
まったり怪しげに踊るVOGUEではなく、今作はパワフルでスピーディーでしたし、見ていて楽しくアガりやすかったと思います。
VOGUE×〇〇の組み合わせでここまで作品性に違いが出るのか、というのはすごく驚きでしたね。
坂見氏も本来のVOGUEと違う要素があるオリジナルのスタイルだと評価をしていました。
正直VOGUEメインのチームでどう作品を作り分けていくのかな?と思っていましたが、HAL氏がカメレオンのようなチームと言っていた通り、思ったよりも様々な要素との組み合わせ、テイストの違いを見せてくれそうなので、これからがより楽しみになりました。
◆出演順③.USEN-NEXT I'moon(Director:Ruu)
81点(原18/坂15/北17/黒16/視15)2位
今節の個人的なベストはこのチームでした。
圧倒的な群舞の揃いで勝負するべきチームだと思っていたので、その良さが存分に発揮されていたと思います。
HIPHOPなどの他のストリートダンスのチームは、あえて振りを完全に揃えずに崩してカッコよさにつなげたりするんですが
JAZZで勝負のこのチームは逆に揃いの美しさを強調できる唯一のチームと言っていい。
「カノン」と呼ばれる、同じ動きをカウントをずらして連鎖的に踊る構成が随所に散りばめられていて非常に効果的でした。
特にド頭の縦位置でのカノンは迫力抜群でしたね。
揃いを強調するために他のチームと比べて圧倒的にダンサー同士の距離が近い。
まるでシンクロナイズドスイミングを見ているかのようでした。これは圧倒的な練習量の賜物でしょう。
JAZZの大御所である原田氏の18点が出た瞬間にメンバーからの感嘆の声が漏れていたことから、今回の作品にかける思いの強さも感じました。
◆出演順④.KADOKAWA DREAMS(Director:KEITA TANAKA)
75点(原18/坂15/北16/黒15/視11)…8位
今回は女性ダンサーで染めてきたようで、ミドル、ややスローテンポな曲でクールなテイストの作品。
10秒として同じフォーメーションにとどまらず踊りながら動き続けていて、前から後ろに下がるメンバーも周囲に視線を散らすことなく、踊りに集中しながら行うのは練習量と周囲への信頼がなせる技。
シームレスな構成の変化と玄人好みのノリ。
女性としてのカッコよさが詰まった作品でした。
原田氏は高得点をつけましたが他の審査員の方々の点数が横ばい。
同じ女性で染めた I'moonが直前で圧倒的なパワーを印象付けていたので、シンプルに女性チームの比較をしがちな心理状態になってしまい、わかりやすいパワーとは違う方面で勝負しに行ったDREAMSには印象値の面で不利に働いてしまったかもしれません。
北島氏からも「もっとワクワクさせてほしい」という言葉が出ました。おそらくポジティブな意味で言ったのだと思いますが、裏を返せば爆発力に欠けた部分はあったのかも知れません。
ただ、めちゃくちゃかっこ良かったので、順番の妙なのかなと思いました。
◆出演順⑤.avex ROYALBRATS(Director:RIEHATA)
89点(原18/坂16/北18/黒17/視20)…1位
鏡を使ったパフォーマンス。
発想と構成が非常に巧みですね。1位も納得の作品でした。
可動式のパネルを使って人を隠したり、それを動かして入りハケを面白くしたりというのはダンスではよくあることですが、それを鏡にすることによって作品に「Reflection」という意味を持たせ、
かつその鏡にダンサーが映り込むことで今一体何人で踊ってるのか分からなくなるほど、空間に厚みを持たせる効果的な演出でした。
前半から中盤にかけてその鏡のギミックを使った構成をたっぷり。あえて振付は激しいものにせず演出にフォーカスをさせておいて、終盤に全員で揃いの激しくタイトなユニゾンを持ってきて、ダンスそのもののパワーもしっかり印象付ける。
非常にやり方が巧みでズバッとハマっていた印象。
開幕戦から全ROUND視聴者票が満点の20点。ROYALBRATSが圧倒的なファン数を持っていることは紛れもない事実ですが、視聴者審査に不満を持つ人を黙らせるには十分な説得力を持つ素晴らしい作品でした。審査員票だけで1位。文句なし。強い!
◆出演順⑥.CyberAgent Legit(Director:FISHBOY)
74点(原15/坂16/北16/黒14/視13)…9位
※音楽著作権の問題でYOUTUBE映像はありません。今後音源を差し替えてアップされると思われます。
サラリーマンが仕事を忘れてはっちゃける、ストーリー仕立ての作品。
今ROUNDで最もストーリーを前面に押し出していて、個性が光りました。
主人公を演じる地獄が、中途半端な演技ではなくしっかりとした芝居になっていてすごいなと思いました。
このチームはオールドスクール(LOCK、BREAK、POP、 WAACK)もニュースクール(HIPHOP、HOUSE)も全ジャンルを網羅していて、さらにいずれも世界レベルのメンバーが揃っているところが魅力だと思っていて
地獄が周りのダンサーに翻弄されながら、BREAK以外の全ジャンルを踊りこなしていくことに驚きましたし、それが見ている側にもキチンと刺さって、今節のMVD受賞につながったのだと思います。
黒須氏が小道具の使い方に言及していて、そこまで見られていることから、審査基準が相当高いレベルにあるんだなと思いました。
完成度の高いavexの直後だっただけに余計にそこに注目がいってしまったという部分もあるかもしれません。
順位は9位でしたが、今ROUNDはコンセプト的に難しいことに挑戦した上での結果なので、リターンが大きいと思います。個人的には最も伸び代を感じるチームなので、次ROUND以降にもすごく期待しています。
◆出演順⑦.FULLCAST RAISERZ(Director:JUN)
78点(原15/坂17/北18/黒14/視14)…5位
鏡の中と入れ替わってしまうホラーテイストの作品。
コンセプトが鏡でavexと被ったのですが、こちらは実際の物は使わずロープを使った枠組みと人の動きのみで披露。
ムチャクチャかっこよかったですね。
前後左右がぐるぐる入れ替わる立体感は見事でしたし、ダンサーの揃いと演技力も中途半端ではなく良かったと思いました。
個人的には枠組みを演じるダンサーにローラーシューズを履かせることで、ダンスを邪魔せずに、かつ転換そのものもエンターテイメントにできるんだと感動しました。
審査員の得点がもっと伸びるかなと思いましたが、原田氏、黒須氏という、ジャズダンスをメインとする審査員の点数が伸びず。
小道具や世界観を重視した作品で攻めると、そこに造詣の深い審査員が見た場合、その部分の詰めの甘さや表現力、完成度もシビアに審査されてしまうので、諸刃の剣ではあるなと思いました。
avexが鏡をテーマにしているという情報に合わせて同じコンセプトであえて同じROUNDでぶつける。
非常に面白くて、対決姿勢が煽られて大会が面白くなると思うので、こういったことはどんどんやっていって欲しいなと個人的には思いました。
◆出演順⑧.SEGA SAMMY LUX(Director:BOBBY)
80点(原16/坂15/北18/黒16/視15)…3位
赤のカモフラで軍隊を想起させる作品。
このチームはとにかく安定感があります。
小道具を使ったり、変わったコンセプトで勝負したりはしないのですが、それでも常に上位に食い込んできます。
逆に言うとそこに頼る必要のないダンス作品としての地力があるように思います。
まずパワーがあり、緩急が効き、移動やフォーメーションチェンジの引き出しが多い。
毎回揃いのユニゾンの圧倒的なパッションが印象に残ります。
角が立った”固い”テイストの振付で今回は攻めるのかなと思いきや、ラストは専売特許のハイテンションNEW JACK SWINGで畳み掛ける構成も巧み。
シーズン通して大崩れすることはないだろうなと思わせられました。
とはいえシーズンのどこかで変化を加えてくると思うので、それがまた非常に楽しみです。
◆出演順⑨.SEPTENI RAPTURES(Director:akihic☆彡)
77点(原16/坂16/北16/黒17/視12)…6位
比較的静かでメロディアスな曲に乗せて、ほぼ全編をHOUSEダンスで通すという非常にチャレンジングな作品でした。
今ROUNDは小道具を使ったり、ストーリーを採用したりと様々な挑戦をするチームがありましたが、個人的には一番チャレンジングだったのはこのチームだったと思います。
あえてジャンルを絞って表現できる幅を狭めることで、そのジャンルの純度にフォーカスさせるというのはすごく覚悟がいることだと思います。
メンバーのハウスダンスのスキルの高さも十分に印象づきました。
ディレクターのakihic☆彡氏は「王道の攻め方で」と言っていましたが、D LEAGUEにおいてはむしろ邪道の攻め方。その意気込みがとてもかっこよかったですし作品も美しく、唯一無二で好印象でした。
爆発力で勝負しにいかなかったことで、審査員の得点はばらつかず高い水準で平均的に点をゲットすることにつながったのかなと思います。
◆ROUND.3の順位
1位.avex ROYALBRATS(89点)
2位.USEN-NEXT I'moon(81点)
3位.KOSÉ 8ROCKS(80点)
3位.SEGA SAMMY LUX(80点)
5位.FULLCAST RAISERZ(78点)
6位.SEPTENI RAPTURES(77点)
7位.Benefit one MONOLIZ(77点)
8位.KADOKAWA DREAMS(75点)
9位.CyberAgent Legit(74点)
上記のような結果になりました。
全体的に点数のベースが上がってきましたね。
開幕戦の優勝得点は78点、今回だと5位相当。
ジャッジが変わっているので一概に比較はできませんが、審査員の点数の付け方にも一定のセオリーが生まれてきたのかなという感じがします。
◆ROUND.3を終了した上での今シーズンの総合ランキング
1位.avex ROYALBRATS 27pts⬆️
2位.SEGA SAMMY LUX 26pts⬇️
3位.FULLCAST RAISERZ 23pts➡️
4位.KOSÉ 8ROCKS 20pts⬆️
5位.KADOKAWA DREAMS 19pts⬇️
6位.USEN-NEXT I'moon 15pts⬆️
7位.SEPTENI RAPTURES 14pts➡️
8位.CyberAgent Legit 11pts⬇️
9位.Benefit one MONOLIZ 8pts➡️
avex ROYALBRATSが首位奪取。このままシーズンを独走しそうな気配があります。
SEGA SAMMY LUXも安定感を感じるので、このまま高い順位を維持しそう。
USEN-NEXT I'moonが一気にプレーオフ争いに浮上した感があり、このまま上位を荒らしていって欲しいなと思います。
<全体を通しての感想>
3回目の作品披露ということで、やはり各チームいろいろなチャレンジをしてきましたね。
とはいえダンス以外の要素を用いようとした場合に、それを含めた完成度も当然審査の対象になるので、うまくまとめられればもちろんavexのように高得点につながりますし、それが裏目に出ることもあるなと思いました。
全チーム言わずもがなダンスの技術は高いわけで、甲乙付け難いレベルにあります。
それゆえ、言ってしまえばダンスそのものだと技術に差があまりなく、異ジャンル同士だと比較するのが非常に難しい。
だからこそ、もし自分が審査をする立場だった場合、ダンス以外の要素を作品に取り入れてくるチームが複数いたら、そこで点数の差をつけようという意識にどうしてもなると思います。
なので、ダンス以外の演出効果を取り入れる際は、それ自体が武器でもあり、アキレス腱でもある事という覚悟が必要になってきますね。
今後、それでもいろんな要素を取り入れていくのか、それともダンスそのものに回帰するのか、ディレクターの手腕が問われます。
あと、前回、僕のブログで気になった点をいくつか挙げまして
・ショーが終わる際のレゲエホーン、SE
・作品後のダンサーへのインタビュー
上記の点がいずれも改善されていて驚きました。
別にこのブログが意味を持っていたとか思いませんが、他にも同様の意見があったり、運営も当然引っかかっていたんだろうなあと思いました。
こうして一つ一つコンテンツが磨かれていく過程を目の当たりにできているのが本当に楽しいです。
このまま、全世界で唯一のエンターテイメントスポーツになってくれることを心から祈っています。
今回は以上です!
長いのに最後まで読んでいただいてありがとうございました!
次ROUNDからはいよいよ有観客!
絶対に盛り上がるでしょうし、会場の盛り上がりは審査員の印象に影響する部分はあると思うのでそこもどうなるか楽しみですね!
競技者、関係者の皆様に改めて大きなリスペクトを!
また次回!