あのイチローが出血性の胃潰瘍になった、
というニュースをみました。
WBCのプレッシャーの影響でしょうか。
それほど大事には至らず、
すぐに現場復帰できるとのことで、
良かったですね。
しかし、あのイチローも、ポーカーフェースの裏に、
体を壊すほどの苦悩を抱えていたのか、
ということが分かり、
何だか今まで以上に親近感がわきました。
あのイチローも一郎という一人の人間なのだ、と。
もちろんWBCのプレッシャー=胃潰瘍ではないかもしれませんが、
胃潰瘍は、心理的な要素でおきやすい病気の一つでもあります。
私達がわかりえないストレスと戦いながら、
あのすばらしいパフォーマンスを見せてくれたのでしょう。
すごいことです。
人は誰もが、病気になりうる。
生老病死は避けられない。
この当たり前の事実に気づきにくいものです。
特に健康な時は、なおさらです。
医者も、病気の経験があるのとないのとでは、
患者さんの言葉の受け止め方が
大きく異なってくるのかもしれません。
僕自身は今まで、幸い大きな病気には罹っていませんが、
ちょっと前に咳がひどく、止まらない時期を経験しました。
呼吸器科医のくせに咳が止まらないというのは、
何とも恥ずかしい話ですが、
その経験から、
咳というものがどんなに日常の生活レベルを落とし、
気力と体力をそぐものか、
ということが身に沁みて実感でき、
その後、少しは患者さんの訴えに
素直に耳を傾けられるようになれたのかなと思います。
誰もが病気になりうる。
批評や指導の前に、
まず自分のこととして考えられる想像力を持ちたい・・・
イチローの胃潰瘍の記事から、
そんなことを、ふと思いました。