今回は、「思考」をテーマに、
書いてみたいと思っています。
僕にとって、思考って大きなテーマなんですよね。
なぜなら、僕自身、本当に思考に振り回されて、
思考に苦しんできたからなんです。
ネガティブ思考のループにはまり、
自動思考が止まらなくなって、
実際完全に心を病んでしまった時期がありました。
それは苦しかったですね。
そんな時期に、僕を闇から救ってくれた言葉の一つが、
思考は本来の自分ではない、
という言葉だったんです。
この言葉は、エックハルト・トールさんという、
悟り・ノンデュアリティ系の
勉強をされている方にはおなじみの方ですが、
その方の「悟りを開くと人生はシンプルで楽になる」
という本の中の言葉です。
文庫本でよりエッセンスだけを凝縮した本も出ていて、
「超シンプルな悟り方」というタイトルで、
こっちもおすすめです。
とにかく、その当時、思考のぐるぐるが止まらなくなって、
完全に、思考と自分が一体化してしまっていたので、
この言葉に出会って、思考と距離ができるようになって、
だいぶ楽になったんですね。
それまで思考って、大事なものって思って生きてきました。
自分でよく考えなさい
将来のことを考えなさい
問題は何か考えなさい...
そんな感じで、僕たちはたくさん思考するように
親や周りの大人から言われ続けてきました。
確かに、この世界を生きていくうえで思考は大切ですし、
実際この文章も、思考で考えて作っていますから、
思考がなくては始まらないわけなんですが、
僕のように、ネガティブ思考のループにはまりやすく、
自動思考(頭の中をぐるぐるする気分を重くする思考)
が止まらなくなるような方は、
出来るだけ、この思考を上手に取り扱う必要があると思います。
思考って、本当に勝手にわいてくるんです。
よく僕は野生のイルカって表現したりしますが、
思考って自分の意志とは関係なく、勝手に頭の中にわいてきます。
野生のイルカのように、いつの間にか勝手に現れて、
いつの間にか去っていきます。
野生ですから自分の意志ではコントロールできないんです。
ポジティブな思考もネガティブな思考も
勝手にどんどんわいてきます。
本来は、出てくる思考をジャッジしたり執着せずに、
ただ放っておいて、受け流してあげればいいんですが、
僕のように思考のループにはまりやすい人は、
いつまでも、出てきた思考を捕まえて、
ああでもないこうでもないと、
思考の中身にどんどん入っていき、
どんどん気分を重くしていきます。
思考でなんとか解決しようとして、
そこから離れられなくなっていきます。
いわゆる自動思考が止まらない状態ですね。
そうするとあらゆることが深刻になっていきます。
(左脳的)思考にはいくつかの特徴があります。
その特徴を抑えておくと、思考に気づきやすくなるので、
主な特徴を3つ確認しておきます。
まず思考は、
とかく過去や未来の事ばかりに意識が向きます。
過去をひきずり、未来の予測ばかりしています。
安心・平和なはずの、今ここに居られません。
思考は、物事を分離、分けて考えます。
自分と他者、自分と世界にしっかり境界を作ります。
私という個の意識が強くなり、
その結果、不安や恐怖、孤独感が強くなります。
さらに言えば、思考はいつも現状に不満です。
まだ足りない、何かが満たされないと、
将来の何かをずっと求め続けます。
思考にはこんな特徴があるので、
とかくネガティブな方に偏りやすいんですね。
そのことにいち早く気づいて、
自動思考のループにはまらないようにしたいわけです。
思考はけして悪者ではありません。
勝手にわいてくる野生のイルカです。
ポジティブであろうがネガティブであろうが、
思考がわいてくるのは単なる自然現象です。
ですから、無くそう消そうと躍起になる必要はありませんし、
躍起になればなるほど逆に思考は大きくなってしまいますが、
ただ、
今現状で苦しんでいる方は、
まずは自動思考にサヨナラするぞ、
と覚悟を決めたほうが良いと思います。
というより、覚悟を決めない限り、
なかなか自動思考は止まらないんです。
それぐらい自動思考の習慣が、脳に組み込まれてしまっています。
僕が、なかなか自動思考から離れられない理由は、
一番は、その苦しさを何とか思考で解決しようという意識が
強すぎるんだと思います。
思考で解決する癖が、脳の中に出来上がってしまっているんですね。
それと、やっぱりどこかで、
思考ゲームを楽しんじゃっているところがあるんだと思います。
友人に、思考が好きだよね~っていわれるのはまさに真実で、
僕は、表面的には苦しさから脱したいと言いながら、
潜在意識の中で、結構苦しむゲームが好きだったりするんだと思います。
ですが、もうそろそろ、
自動思考とサヨナラしてもいいですね。
でこの自動思考の止め方については、
昨年出会ったネドじゅんさんが
「右脳さん左脳さん」という本などを通してたくさん発信をされていて、
僕も有難いご縁でお話を伺う機会があって
おかげさまで少しずつ自動思考を止められるようになってきました。
自動思考の止め方は、ポイントは3つで、
思考に気づく、距離をとる、今ここに意識を向ける、
この3つです。
この3つのステップはとてもシンプルなんですが、
自動思考って本当にしつこいですから
何度も何度もこのステップを繰り返す必要があります。
最初のうちは、とにかく、自動思考を止めたそばから、
次から次へと自動思考がわいてきて、
気が付いたらまた思考のループにはまっていて、
本当に自動思考って巧妙です。
これはもう、覚悟をもって、繰り返すしかありません。
で、この3つのステップの中で、何より大事なのは、
まず思考に気づくってことなんです。
これって当たり前に思うかもしれませんが、
自動思考にはまっているときって、
思考が頭の中をループしていて、
思考と自分が完全に一体化しているんですね。
映画の映像にのめりこんでいるように、
思考の世界に前のめりになってはまり込んでいるので、
自分が思考にはまっているなんてことに気づけないんです。
その思考を、「あれ、こんな思考が出ているな」って気づくことが、
ファーストステップです。
前のめりにスクリーンの映像に突っ込んでいたのを、
ちょっと引いてみる感じです。
今、頭の中にどんな思考が出ているのかに、気づいている、というのは、
思考にはまっている自分を、
客観的に別の視点から観察できている状態です。
これはある意味、悟りの視点でもあると思います。
その気づきの視点に立つだけで、
自動思考を止めることの7割成功っていうくらい、
大事なステップです。
本来なら、気づいて、ただ放っておくことができたら、
それでもう自動思考の処理は完了でもいいくらいです。
そのくらい思考に気づくってことがとても大事なステップになります。
あとは、その思考と距離をとる、
つまり思考している自分からいったん意識をそらします。
具体的には、ネドじゅんさんは、
口角を上げたり、ガッツポーズとか親指を立てたり、
何かのジェスチャーをするのを勧めています。
要は思考から意識をそらせる分岐点を作るってことです。
そして最後が、
今ここ、今この瞬間に意識を向けるってことになります。
今この瞬間というのは、
エックハルト・トールさんも本の中でしきりに述べていますが、
最も安心安全な、全体意識とつながる瞬間でもあります。
思考の介在しない今というのは、
大いなる全体性とつながる安全な場所です。
本来、今この瞬間には何も問題はないはずなんです。
今につながることで、心の平安につながるんですね。
今ココが大切だっていうのは、
もう皆さんはよくご存じだと思いますが、
あとは具体的な方法だと思います。
今ここに意識を向ける方法として、誰でも簡単にできるのが呼吸法です。
僕はどんな呼吸法でもいいと思いますが、
すかさず呼吸に意識を向けるってことが大切だと思います。
ネドじゅんさんはエレベーター呼吸法を提唱していますが、
これも簡単でいいですね。
エレベーターの床をイメージして、呼吸とともに動かす呼吸法で、
呼吸や体に、すぐに意識を向けることができます。
要は、呼吸に意識を向けることで、
今ここに立ち戻るということが大切です。
それとからだの感覚に意識を向けるというのも、
今ここに意識を向けることにつながります。
今ココの、
見るもの、
聞くもの、
香るもの、
味わうもの、
肌で感じるもの、
触れるもの。
そういった今の体の感覚に意識を向けて、
その感覚を、思考を挟まずにただ味わいます。
ぼーっと空を眺めたり、
遠くの音に耳を澄ます、
なんていうのは、その場ですぐにできていいですね。
からだの五感は、いつも今この瞬間に意識を戻してくれます。
いわゆるマインドフルネスのような、
日常の動作をゆっくり丁寧に行うのも、今ここになれます。
ゆっくり歩いたり、
ゆっくりものをつかんだりすると、
自分がいかに一つ一つの動作を無造作に適当にやっているかに、
気づけるかと思います。
つまり、今に全然いられてないことに、
気づけるんじゃないかと思います。
このように、呼吸や五感に意識を向けること、
マインドフルに動作をしてみることで、
今ここに、すぐに意識を戻していくことが大切です。
とにかくこの3つのステップは、
慣れないうちは、やっぱり訓練が必要だと思います。
訓練とか努力って、僕はあまり好きな言葉ではありませんが、
自動思考を止めるためには、
やっぱり3つのステップを定着させたいですね。
僕のように思考優位で生きてきた人は、
思考がしょっちゅう出まくって、時間はかかるかもしれませんが、
それくらい脳の回路が出来上がってしまっていますので、
しつこくしつこく続けていくしかありません。
僕もネドじゅんさんと出会って1年くらいたちますが、
今だに自動思考のループにはまってしまいます。
先ほども述べましたが、僕が自動思考が止まらない理由は、
思考による問題解決が長年の習慣になっていることもあると思いますが、
苦しんだり悩んだりするのを嫌がっているようで、
潜在意識の深いところでは、
そのスリルをどこかで楽しんじゃっているようなところもあると思います。
でも、もういいですね。
自動思考にはまる生活は、もうサヨナラしようと思います。
人よりも時間はかかるかもしれませんが、
あまり人と比べてもしょうがありませんし、
人と比べるっていうのも、自動思考が大好きなテーマですから、
やめましょう。
人によって時間がかかったりするのも、
その人にとって大事な過程だと思いますので、
焦らず自分の体験を丁寧に味わいながら、
道のりを楽しんでいけたらと思っています。
どんな体験も、どんな道のりも、
完ぺきな全体性の表れ、無償の愛の表れだと、
最近は思っています。
今苦しんでおられる方もいるかと思いますが、どうか焦らず、
自分のペースで、自動思考とサヨナラしていきましょう。
今回は、この辺で、ではまた