以前森林療法をご指導いただき、
昨年忘年会で仲良くなった
まっすーさん、こと枡田智さんの新刊、
「じぶんでできる左脳過剰の静め方」
という本が、かや書房さんから出版されました。
まっすーさんの本はこれで2冊目ですね。
1冊目の「もう左脳に振り回されない」も、
左脳過剰、思考過剰で苦しむ人にとっては、
救いとなる本でしたが、
今回の左脳過剰の静め方は、
その本がさらにパワーアップした感じで、
とってもいいですね。
とにかくまっすーさんの解説は分かりやすいですし、
特に今回の本は、誰でもがすぐにできる具体的な方法が
ちゃんと書いてあって、本当にいい本です。
日々過剰な思考で苦しんでいる方には、
ぜひおすすめしたい本ですし、
本の処方ができるなら、
外来で処方したいくらいの、薬本だと思います。
前著、そして今回の本でも書かれていますが、
まっすーさんは、若いころから
不安や憂鬱感に苦しんでおられたようなんですが、
30代の半ばころに、ジルボルトテイラーさんの
「奇跡の脳」という本に出会って、
そこから3日間で長年の苦しさから解放されて、
あっという間に右脳回帰しちゃったような方なんです。
奇跡の脳のことは、読んでおられる方も多いと思いますので、
詳細は省きますが、
作者のジルボルトテイラーさんはハーバード大学の脳科学者で、
突然脳出血を発症して、左脳側の機能が働かなくなる
という体験をします。
その結果、思考が消え、言葉も、時間の感覚もない中で、
深い安らぎや幸福感、いわば悟りのような感覚を味わう
という体験をします。
その体験を通じて、
論理的な思考や言葉をつかさどる左脳側でなく
感じ感覚、直感の右脳優位に生きることで、
人は真に安らぎと幸せの中で生きられるということを、
実体験をもとに科学者の視点で書かれた名著です。
この本を読んだまっすーさんは、
長年苦しんできた不安や憂鬱、悩みや苦しみの原因が、
過剰な思考、左脳過剰が生み出している
ということに気づくんですね。
思考は確かに生きていく上で必要なことだけれど、
それが過剰になってくると、
今ココでない、
過去や後悔や未来の予測不安で頭がいっぱいになり、
どんどん苦しくなってくるわけです。
特に、現代社会は、思考が過剰になる要素に溢れています。
感じる方の力がどんどん弱って、
思考ばかりがどんどん過剰になってくる。
今、現代人の多くが、思考過剰、左脳過剰で苦しんでいるんですね。
ではどうやって、その左脳過剰、思考過剰を静め、
右脳優位、感覚優位で生きていくかなんですが、
まっすーさんがたどりついた大きな二つのメソッドが、
マインドフルネスと森林療法です。
これまでもマインドフルネスの本はたくさん出てますし、
僕自身もたくさん読んできましたが、
今回のまっすーさんのマインドフルネスの解説は、
もう本当にわかりやすいです(太鼓判)!
まっすーさんの定義では、マインドフルというのは、
今ここに意識がある、
ということです。
五感や呼吸、身体感覚をちゃんと感じていて、
思考にとらわれていない状態です。
今ある五感の感じ感覚や呼吸って、いつでも今ココなんですね。
そこに意識をおく、ということです。
逆にマインドレスというのは、
今ここに意識がない
ということです。
意識がいつも過去や未来の、
今ここにない想像の世界にあります。
五感や身体感覚に意識が向かず、
いつも思考にとらわれています。
現代人は、いつもこのマンドレスの状態なんですね。
日常の中で、このマインドフルネスを実践することで、
今ココの感じ感覚、五感や呼吸に意識を向けていき、
思考に苦しむ世界から脱していくことができるというわけです。
具体的なマインドフルネスの方法が、
この本の中にいくつか紹介されていますが、
特にお勧めなのが呼吸瞑想ですね。
まずリラックスして座って、そっと自分の呼吸に意識を向けます。
決してコントロールしようとせずに、自然な呼吸をただ見つめます。
途中で思考が現れても、ただ気づいて、放っておきます。
そして、また呼吸に意識を向けていく。
そんな感じのマインドフルネスです。
思考に気づく、手放す、感じる、
この3つのステップが
過剰な思考を静めるのに最も大事なステップになります。
これはどの方法でも共通していますが、
思考に気づいて、その思考の中身に入らずに放っておいて、
さらにそこから、感じる方、五感や呼吸に意識を向けていく。
この3つが大事なんです。
思考がわいてきて気づいて放っておいても、
すぐにまた思考はわいてきます。
ただ手放そうとしても難しいわけです。
そこで、今ここの感じる方に意識を向けるんですね。
感じる方に落としどころがあると、思考に戻りにくくなるんです。
呼吸瞑想を始めて、思考が出たら、そこに気づいて放っておいて、
また呼吸に意識を向ける。
その繰り返しなんです。
この呼吸瞑想、僕も昔からやっていて、
いろんな瞑想法や呼吸法をやってきましたけど、
一番思考が静まりやすい気がしています。
呼吸瞑想以外にも、この本の中には、
身体を感じるボディスキャン、
歩きながら一歩一歩に気づいていく歩行瞑想、
見る、聞くをただ感じる五感瞑想、
などが紹介されています。
ぜひこれらの中から、
自分に合ったマインドフルネスの方法を見つけて、
日常の中に取り入れていただくといいと思いますが、
僕が今回この本の中で特に紹介したいと思ったのが、
ポストメディテーション
です。
ポストメディテーションってことば、
僕もこの本を読むまであまりなじみがなかったんですが、
要は、先ほど紹介したメソッドのように
一定時間座って行うようなものではなく、
もっと簡単で、気軽にその場でできるような瞑想のことで、
まっすーさんは、
呼吸を3回感じるって方法と
五感に5秒間意識を向けるっていう方法を紹介しています。
これ、意外にいいんですね。
ある程度の時間、静かに座って
マインドフルネスを実践するのもいいんですが、
日常の中でふと現れるモヤモヤした感情や思考に対して、
このポストメディテーションをこまめにすることが、
とっても効くんです。
よく、こういうワークやメソッドは、
質よりも量、時間よりも頻度
って言ったりしますけれど、
思考ってうっかりするとどんどんはまっていきますから、
日常で気づいたら気軽に呼吸や五感に向ける
っていうのが、とってもいい気がします。
それにしてもまっすーさん、いい本を出してくれました。
この本で紹介されている、マインドフルネスと森林療法、
これもう思考過剰に対する処方箋としては
最強の組み合わせです。
考えすぎで苦しんでいる方、
左脳過剰、思考過剰で苦しんでいる方は、
この本を読んで、実際に日常の中に組み入れてみてください。
実践していくうちに生きづらさから解放されてくると思います。
あと、まっすーさんは
瞑想指導や森林療法の講座もやっていますので、
興味のある方はぜひ参加されてみてくださいね。
今回は、この辺で、ではまた~