新・平家物語 | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

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内容:溝口健二が吉川英治のベストセラーを映画化した3部作の第1弾。武士の生活が厳しかった平安末期。平家の御曹司・清盛は自らの出生の秘密に悩みながら成長していく。 (Amazonより)


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はい!今週の溝口健二 監督枠は、昨日の「好色一代男」 に続いて市川雷蔵主演作ですね、

1955年製作「新・平家物語」です!




貴族社会が衰退し、代わって武家社会が台頭してきた平安末期。西海の海賊討伐や朝廷と比叡山延暦寺との紛争を解決するなど、武士台頭の象徴となった平忠盛は、公卿たちには好まれない。その長男清盛は、忠盛に肩入れをして干されてしまった藤原時信を訪ね、そこで時信の娘時子と出逢い強く心惹かれる。そんな折、清盛は自分の本当の父親は白河上皇であると耳にし、忠盛に対し複雑な思いを抱く。そんな清盛と忠盛であったが、平家の台頭を忌み嫌う公卿や山門たちの影が忍び寄っていた・・・。(Amazonより)




・・・はい、原作は吉川英治の同名小説ですね。

珍しくコレは読んでおりますよー♪ ワタシもそうですが、吉川英治から歴史好きになった

日本人男性はきっと多いはず!「三国志」とかね(°∀°)b


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↑全16巻にも及ぶ大大長編。でも面白くて一気に読んじゃった!ヘ(゚∀゚*)ノ



ただもちろんあの大長編を映画で全て描けるはずがありませんのでね、本作では

成年した平清盛が藤原氏ら公卿衆の打倒を立志するまでに絞って描いておりますよ。



で、感想。




・・・う~~~ん、コレもダメだなぁ。。。(-。-;)




・・・はい、イマイチでした。まぁ「楊貴妃」 と比べればナンボかマシな気はしますけどね~、

ハッキリ言って面白くなかったです、ウン。


何と言っても、説明的なセリフがあまりに多すぎます。

歴史モノだから多少の説明は仕方ないと思いますけどね、それだって状況から推測させるとか

いくらでも方法はあるのに、イチイチ登場人物に台詞で語らせるところがあまりに安易。

加えて皆さん感情面まで言葉にしてくれてますからね~、こちらが楽しむべき“余白”が

サッパリ無いんですよね。



ってかね、そもそも溝口監督は、こ~ゆ~“歴史ロマン大作!!”みたいな作品を

撮るのに適した方では無いと思うんだけどなぁ。

この人は人間、それも女性やごく普通の市井の人々といった社会的立場の弱い人を

描いてこそナンボの方でしょう?

事象を描くことに終始してしまっている本作は人間の内面がサッパリ描けてませんからね、

これじゃ溝口作品の良さが感じられませんよ。

・・・これはアレかなぁ、この前年に東宝が「七人の侍」という歴史スペクタクルの大傑作を

撮り上げてるからその影響なのかなぁ・・・? 「ウチもアレを撮るぞー!!」って永田雅一の

鶴の一声で決まっちゃったんじゃないかと勝手に推測σ(^_^;)



あと主演の市川雷蔵ですが、男前っぷりよりもそのゲジゲジ眉毛のインパクトの方が

勝ってますね(笑) まぁ役自体にあまり魅力がないせいで、「好色一代男」の時ほどの

魅力は残念ながら感じられませんでしたっと。




総評。

まぁ例によってセットには相当金かかってましたから、市場の大群衆とか比叡山の

僧兵の大軍勢とかそ~ゆ~所はそれなりにスケールの大きさが感じられて

良かったですけどね、でも戦のシーンがあるわけでも無いので、スペクタクルとしても

イマイチな印象は否めませんな。

DVDボックスも、コレや「楊貴妃」を入れるぐらいなら「西鶴一代女」を入れて

欲しかったもんですよ。。。(-。-;)

ってわけでオススメはいたしません!゛(`ヘ´#)