楊貴妃 | キネマの天地 ~映画雑食主義~

キネマの天地 ~映画雑食主義~

レンタルビデオ鑑賞日誌



(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

溝口健二 大映作品集Vol.2 1954-1956 [DVD]
¥14,400
Amazon.co.jp


↑単品では売ってないようなのでBOXセットのを貼りました


内容:溝口健二初のカラー作品。楊貴妃をめぐる一大歴史絵巻。唐の玄宗皇帝に嫁いだ楊貴妃の悲劇的な半生を描く。豪華絢爛なセットも見どころ。(Amazonより)


▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲



はい!今週の溝口健二 監督枠は、1955年製作にして溝口監督初のカラー作品、

「楊貴妃」です。




唐王朝、玄宗皇帝は妃を失い管絃に悲しみを紛らす日々を送り、如何なる美女もその心を慰め得なかった。軍人安禄山は楊家の娘玉環を王妃に推薦し、出世の糸口にしようとした。盛装した玉環は見違える程美しくなり、女官の取締役高力士は侍女紅桃をつけ延春宮に入れ、太真と改名させた。上元の節句の祭に、太真は平服を着た玄宗と共に行き彼の奏でる楽に合せて踊った。その夜から二人は愛し合い始め、玄宗は彼女に貴妃の位を与え寵愛した・・・(goo映画より)





・・・う~ん...残念ながら、明らかに失敗作デスネ。。。(-。-;)



はい、唐代の皇妃にして世界三大美女に数えられる絶世の美女、楊貴妃

半生を描いた作品です。

これは溝口監督初のカラー作品であり、綿密な時代考証に基づき再現した衣装や

後宮のセットなどは確かに色彩も鮮やかで美しいのですが、それ以外はちょっと。。。(-"-;A



なんといっても、楊貴妃の物語なのに台詞はすべて日本語、しかも現代語って

時点ですでに興ざめ。せめて時代劇のごとく時代言葉にしてくれりゃあもうちょっと違和感なく

観られたと思うんだけどなぁ・・・。


それから話も小さくまとめ過ぎ。わずか90分に楊貴妃の波乱万丈の生涯を詰め込むのは

さすがに無理があるでしょう。なんかすごくスケールの小さいお話に感じてしまいましたよ。



キャストに関しては、楊貴妃を京マチ子が、玄宗皇帝を森雅之が演じています。

京マチ子さんは綺麗だったし森雅之の演技も見ごたえありましたけどね、

いかんせん内容が・・・。




ってわけで総評。

カラーにした結果確かに色彩は鮮やかになってますが、白黒だった「山椒大夫」

「近松物語」 などのほうが遥かに美しく映像の広がりも感じられるのはいったいどういうこと

なんでしょうね?

まぁとにかくね、なんとも褒めどころに困る作品ですよ。

溝口作品未体験の方は間違ってもコレから入らないようにご注意を!!(゙ `-´)/

以上。