好色一代男 | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

好色一代男 [DVD]
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内容:近世江戸文学の最高峰・井原西鶴の原作を、市川雷蔵主演で映画化。女体遍歴に命を懸けた男の一生を描く。但馬屋のひとり息子・世之介は、放蕩三昧のあげく勘当され、頭を丸めて放浪の旅に出る。しかし、尚も懲りず私娼のヒモにまで成り下がり…。(amazonより)


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はい!今週の若尾文子さん ×増村保造 監督枠は、1961年製作「好色一代男」です!

主演は・・・出た!ヽ(゚◇゚ )ノ 大映の誇る伝説的二枚目俳優、

八代目市川雷蔵!!ヽ(゜▽、゜)ノ




但馬屋の伜世之介は父親夢介の心配をよそに、数々の女遊びに夢中だった。特に遊女吉野太夫とは起請文を交すほどの深い仲。あまりの伜の放蕩にたまりかねた夢介は、豪商春日屋の娘お園との縁組を進めるが、お園にも意中の男があるのを知った世之介はそれをぶちこわしてしまう。ついに世之介は勘当代りに江戸の出店へ修業に出された・・・(goo映画より)





・・・ブワッハッハ!(≧▽≦)  コレも面白れーーww



はい、井原西鶴の同名の原作を映画化したものです。

西鶴の「好色一代男」の映画化作品と言えば、溝口健二監督 も1952年に

「西鶴一代女」という傑作を撮り上げてますが、結論から言うとアレとは全然違う

作品と思っていただいた方が宜しいかと。

まぁ「西鶴一代女」は大昔に一度観たきりで細部はほとんど忘れちゃってるので、

今度溝口特集で改めて取り上げますけどね、DVD注文しちゃったし(^_^)v

ってわけでどこがどう違うかは「西鶴一代女」のレビューをお待ちくださいなっと。<(_ _)>



ってわけで本作なんですが、一言で言えば「道楽息子のお気楽珍道中」って感じ。

倹約家の商人の家に生まれた跡取り息子・世之介が、度が過ぎた放蕩故に勘当され、

諸国を漫遊しながら行きつく先々で出会う女とねんごろになっていくお話です。


とにかくこの世之介という男は無類の女好きで、人妻だろうがやくざ者の情婦だろうが

委細構わず手を出すのですが、でも実は“好色”ってのとはちょっと違うんですよねー。

世之介が好きなのはあくまでも「女性」であって「色情狂」ではないのです、叶わぬ恋に

苦しむ女性を見れば私財を投げうって愛する男との仲を取り持ってやるし、

人妻に手を出すとは言ってもそれはあくまで夫との生活に不満を抱える女に限った話だし。

女たちを裏切るような真似は決してしないし女性への敬意も忘れない、

言わば“究極のフェミニスト”なんですよね。

だからモテるんだろうなぁ~、見習わなきゃ♪( ̄∀ ̄) ←ぉぃ



んでもってその世之介を市川雷蔵が演じているわけですが、市川雷蔵ってこんなコミカルな

演技も出来る方だったんですねーー!!∑ヾ( ̄0 ̄;ノ 

彼の出演作は溝口監督の「新・平家物語」とあとは眠狂四郎シリーズを数本観ただけだから、

こんな三の線の彼を観るのは初めてだったので新鮮な驚きでしたよ。

ちゃらんぽらんなボンボンぶりが板についてて実に素敵でした♪ヽ(゜▽、゜)ノ



それから若尾文子さん。物語が進んでもなかなか出てこないので見落としちゃったかと

心配したんですが、最後の最後で出てきましたねー、京一の花魁・夕霧大夫として!!(ノ´▽`)ノ

いやぁ~~、、、豪華なお召物を身にまとい、当代一の美女として高飛車に振る舞う

夕霧大夫役の若尾さん、そのお美しさには言葉もありませんよ! 

ヨッ!日本一のツンデレ女優!!ヽ(゚◇゚ )ノ 笑

ちなみに女優陣では他に若かりし頃の中村玉緒水谷良重、男優だと増村作品には

欠かせない船越英二もモチロン出演しております。

中村玉緒さんはこの頃からあまり変わってらっしゃらないようですね、なんとも不思議な

可愛らしさを振りまいてます♪ (最期のあの微笑にはビクッ!Σ(゚д゚;) っとしたけど)





総評。

いやぁ~、楽しい作品でした!「好色一代男」って聞くとなにやらひたすら助平な男を

想像してしまうと思いますが、決してそんな事はありません、実に女性に優しい

気持のいい男ですよ。

加えて女性の社会的立場の弱さを憐れみ不公平な社会を糾弾するような意図も

随所に見え隠れしますしね、なかなか見応えのある作品でした!

ってわけでオススメ♪