【畜産】 10/14(日) 和牛博覧会レポート
※以下、mixi日記を編集
先日まで鳥取県米子市で行われていた和牛博覧会、最終日に友達と行って参りました。
和牛博覧会とは、5年に一度開かれる和牛の祭典で、最優秀の牛は通常の価格の10倍で取引されるほどの権威ある大会で、全国から関係者が集まってきます(県の試算では10万人)。第9回の今回は鳥取県にて開催。 HPはこちら。
メイン会場は思った以上に広い。500m*200mくらいあったでしょうか。早速審査会場に近付くと、入場を待つ和牛が。客に触らせてくれていて、自分も初めて触りました。艶やかで、温かいという印象。大きいのに、穏やかなんです。
会場内は審査前行進の最中。馬のパドックみたいに飼い主が牛を引いて会場を回り、紹介のアナウンスが流れると関係者と思しき観客が歓声をあげる。九州勢が多かった印象です。隣には岩手の人。全国から来てるんだなぁと感じました。和牛農家にとっては一世一代の晴れ舞台らしく、家族総出でやってくると聞きました。若い農家も多かったです。結果はこちら
にまとめてありますが、宮崎県が大活躍したようです。
審査会場で審査中の牛
審査会場の外は和牛の試食、地元・県外の特産品グルメ、観光PR、農業研究紹介や農機具展示、などなど。全国和牛の無料試食コーナーは予想通り長蛇の列で、肉食は諦めました。
一方、肉以外の食品ブースが予想以上に多い!あまり待つこともなく、席も確保して主に地元海産物にありつきました。サザエのつぼ焼き1個150円など。その後はバスでサブ会場にも行き、鳥取県や市町村でどんなPRをしてるのか、県では今どんな農業研究に力を入れてるのかにも注目しました。
歓声が沸く観客席
イベントは殆ど残ってなかったんですけど、雰囲気を満喫したという感じです。全体を通してみて、県を上げてのイベントとしてはうまく機能してたなぁと思いました。来場者は目標の20万人を上回る27万人。ずいぶん宣伝した結果でしょう。
目標を上回っても、人が多すぎて動きにくいこともなく、交通機関も比較的スムーズに流れていたようです。この前は梨記念館を批判しましたが、今回は空き地を利用した仮設営・短期間の開催で、無用なハコモノを作らずとも人を集め、記録と思い出を残し、楽しめたんじゃないかなと思います。親子連れの子供たちも楽しそうだった。
そして経済効果。県の試算
では51億円で、そんなにあるもんかいなと思ったけど、自分でさえ飲食費+交通費で3000円、これに27万かけたら8億円。遠方から来られた関係者は宿泊費や交通費で数万円地元に落ちれば達成しそうです。
県内の和牛も高く評価されたようだし、鳥取で久しぶりに活気を感じたし、県のイベントとして良かったと思います。
【果樹】 10/11(木) 柿収穫(西条、宗田早生)&ブドウ伐採
<10/12 本文追記>
11日はは果樹科にて、柿(西条、宗田早生)の収穫と、病気になったブドウ(ピオーネ)の伐採を行いました。その他は直売所から返品された栗の再調整(半値で再出荷)。今日は作業日誌というよりも、柿の基礎知識を書いてみます。
↑出荷調整後の宗田早生(そうだわせ)
【カキについて】
甘柿と渋柿があるのはご存知の通りですが、果樹栽培の基礎 (←Amazonはクリック)によると次の3種類に分かれます。
①完全甘ガキ…種子がなくても渋が抜ける品種(富有、次郎、宗田早生、花御所など)
②不完全甘ガキ…種子が多数出来ないと渋が抜けない品種(西村早生など)
③渋ガキ…種子に関わらず、成熟しても渋さが抜けない品種(西条、平核無など)
※③はさらに完全、不完全に分ける場合もある
日本では古くから栽培され、1000品種に及ぶといわれる。美味しんぼにもありすたが、日本最古の菓子は干し柿なんですよね。
↑出荷した西条(渋ガキ)。これを二酸化炭素脱渋する。
【渋みと脱渋処理について】
カキにはタンニン細胞が渋みのもとになっており、①の完全甘ガキでは成熟するとタンニン細胞が固まり、不溶性になるため渋みを感じなくなります。固まらないと口の中で細胞が弾けて渋みを感じる。
②の不完全甘ガキでは、タンニン細胞の凝固は種子の数に依存します。種の周りから凝固をはじめ、凝固した細胞は褐色の「ごま」に変わります。黒い点々のあれですね。
③の渋ガキは、成熟してもタンニン細胞が凝固しません。渋ガキを生果で出荷・販売するには、脱渋処理をするか、過熟して熟柿(じゅくし。干し柿や、乾燥してできる「あんぽ柿」など)にする必要があります。
脱渋には湯抜き、アルコール脱渋、二酸化炭素脱渋(以下、CO2脱渋)がありますが、CO2脱渋が少なくとも鳥取県ではメジャーのようです。
具体的なCO2脱渋の方法は、ビニール袋に詰めた15~20kgのカキをコンテナに詰め、袋の中に300g程度のドライアイスを入れます。これによりCO2濃度を50~90%とし、3、4日で渋が取れます。
↑15~20kgのコンテナに300gのドライアイスを入れて3、4日待つ。
脱渋とは別に、学生があんぽ柿を作るために乾燥機に入れてました。作成のためのノウハウはあまり公開されてないようです。出来上がりが楽しみ。
【ブドウの木伐採】
おまけですけど、この日伐採したピオーネの樹の様子。病気のため樹齢11年で伐採に至りました。
切ってみて実感したんですけど、1本の樹が大きい!!10a(=100㎡)も枝が広がってるんですね。1本でもうまいこと育てられたらどんだけ実が獲れるだろうと皮算用してました。梨もブドウも柿も、一家に1本あれば家族・親戚が食べる分には十分ですね。交配樹がいるかもしれないけど、花粉だけもらえばOK?伐採して5分後、枝から樹液がどんどんあふれ出てきました。まるで涙を流して泣いているよう。考えてみれば、地中の幾多の根から水分を吸収し、主幹で集約して隅々の枝葉へ水を送る。樹がリアルタイムで生きていることを実感する光景でした。
果樹では先週まで、収穫・調整・草刈りがほとんどで新規的な作業がなく、あまり更新してませんでした。10月は柿、リンゴ(ふじ、ジョナゴールド)の収穫ラッシュ。あと晩生梨の「愛宕(あたご)」もありますね。
そして収穫の合間に果樹の代表的な作業である土壌改良も、来週くらいから始まる予定です。以上
【実験】 10/10(水) 土壌分析(土壌診断)
本日は農大の化学実験室にて土壌分析を行いました。土壌診断の講義の4回目であり、自分は今回から参加。前回までに基礎理論の解説と、実際の土壌サンプリングを行っていたようで、今回は乾燥させた土壌を化学分析し、pH(H2O)、PH(KCL)、置換酸度を測定しました。
【土壌診断の定義(配布資料より)】
土壌診断とは、土壌調査(聴き取り調査、物理調査、化学分析等)で得られた結果をもとに、農地土壌の問題点を把握し、土壌改良や施肥法など、具体的な対策を行うための「処方箋」をつくることをいう。
【分析項目と測定方法(配布資料より)】
①pH(H2O)
pHは酸性またはアルカリ性の程度を示す値であり、土壌溶液中および土壌(コロイド)の陰荷電に吸着している水素イオンの液に対する濃度を示す。pH7.0が中性、それより低いと酸性、高いとアルカリ性。
土壌のpHは植物による養分の吸収等に大きな影響を与える。pH5.0以下では石化い苦土およびリン酸の欠乏、アルミニウム、マンガンの過剰による生育障害が発生する。pH7.0以上では微量要素の不足による生育障害などが発生する。基本的な土壌の診断基準値はpH6.0から6.5であるが、植物によって最適なpHは異なる。
<測定法>
広口ポリビンに風乾土を20mlを入れ、蒸留水を50ml加える。それを振とう機に30分かけ、pHメーターで計測。
②pH(KCL)
土壌に塩化カリ(KCL)を加えると、土壌粒子に結合している水素イオン(H+)が溶け出す。pH(KCL)は、pH(H2O)が土壌に弱く吸着しているH+を溶け出すのに比べて、H+が多く溶け出すので、通常pH(KCL)は、その値に0.7~1.0を加えるとpH(H2O)の値となる。両者の差が0.5以下である場合、土壌の塩類濃度が高くなっている。
<測定法>
pH(H2O)の場合とほぼ同じ。蒸留水を「1N-KCL溶液」とし、振とうは1時間行う。
③置換酸度
(置換)酸度は、土壌を酸性にする物質(H+、アルミニウムイオン等)の全量を表し、通常「y1」と呼ぶ。土壌の酸性矯正のために必要な中和石灰量を求めることを主な目的としている。
<測定法>
②の計測で使用したKCLと土の混濁液をろ過し、ろ液を25ml抽出。これにフェノールフタレイン液を2、3滴入れて加熱。沸騰後直ちに「1/10N-NaOH溶液」で中和滴定。薄紅色が変化しなくなるときの容量の5倍がy1に相当する。
※ y1 = T(滴定数) * 5 * F(力価)
【次回以降の測定項目】
全窒素、可給態リン酸、塩基置換容量(C.E.C)、置換生石灰(CaO)など
【前回までの測定済み項目】
仮比重、新比重、三相分布(液相率、気相率、固相率)、孔隙率、有効水量(いずれも土壌三総計を用いて測定)
【雑感】
実験室は高校の1教室程度、測定機器はそこそこ充実していました。参加者はなんと、学生1人と自分の2人!実験を行う「研究過程」の学生は学年で一人しかいないようです。先生もつきっきりで、なんとも贅沢な実験でした。自分は物理工学専攻でしたが、大学院時代は先輩の補助で化学分析をすることもしばしばあり、懐かしかったです。
実験概況は以上です。写真は撮り忘れました。。
明日は予定では果樹科にて柿(宗田早生、西条)の収穫が予定されています。それから、明日からいよいよ和牛博覧会
が開かれますね。
※柿の品種「富有」を、「宗田早生」に訂正しました。(10/11)
以上
【書評2】 「農で起業する!」 杉山経昌(築地書館)
今回は杉山経昌著の「農で起業する!」
第2回目は杉山経昌著の「農で起業する!」(Amazonはこちら )
【目次】
プロローグ 脱サラ農業の進め
[第1章] 農業経営もビジネス
[第2章] ニッポンの農業事情
[第3章] 理想のライフスタイルを手に入れた
あとがき 妻にとっての就農
【読んだきっかけ、著者略歴】
杉山氏は通信機メーカーを経た後に、当時世界の半導体技術を牽引していたモトローラにて長年勤務。来年度からはつくば市に新設される国立農業大学校の講師もされるとのこと。
大学時代にコンピュータの歴史を学んだときモトローラは第4世代を築いたという記憶があり、さぞかしコンピュータに詳しい人が書いたんだろうな、という既成概念を持って手に取りました。外資企業というのも自分の前職との共通点。そんな人が農業を始めて一体どうなったのか、興味があったのです。
【感想】
[1] 文体がフランクで読みやすく、喜怒哀楽が豊富で感情移入しやすい
・文体は前回紹介した有坪氏の「農業に転職する」と対照的で、口語で、生き生きと、思うがままに書かれているという感じで、読み進めやすい。一喜一憂がふんだんに盛り込まれていて、専業農家の生活は楽いという思いが伝わってくる。
・一方で、慣行農業でおかしいと思う部分は論理的に批判しています。
[2] 目標を掲げ、達成のためにデータ分析とシミュレーションを効果的に用いている。
・まず、シーズン毎に目標をきっちりと立て、達成のために戦略と戦術を練る。ビジネススキルの基本でもあるけど、果たして実際はどれほどの農家が定量的に事前の目標を立て、アクションがとれるレベルまで戦術を練っているだろうか。
例えば杉山氏は、ある年の目標として「小規模経営の実現」を掲げ、そのためには労働生産性、収益性、年間労働時間のバランスを事前に決め、それに基づいて収入目標を立てている(P34)。
・上記の目標達成のため、まずはシミュレーション。初期段階でトータルのバランスシートを出すロジックを組み、様々なパラメータを設定。肥料や農薬の種類、量、投下回数、天気さえも指標化。巻末に彼の収支計画が載っている。
・シミュレーションの後は実践、実践の後はさまざまなデータを取る。例えば桃にかける袋の数と、その年の1袋あたりの売り上げの相関(P68)。袋の数を増やすと収益は上がるが手間がかかり、他の作物を圧迫して生産性が落ちる。著者は何年か分のデータを蓄積し、杉山夫婦のベストの作業規模を導いた。
・上記の通り、一貫して農業におけるPDCAを客観的なデータに基づいて実践している。経営と研究のバランスがとれていると思う。
[3] 徹底したコストカット意識がある。
面白かったのが、肥料を買うときの相見積りでのエピソード(P43)。納品時期をずらしたり、買掛金から現金にしたり、自分で工場まで取りに行ったり、包装袋を省いたり…いろいろ交渉・工夫していけば値段が安くなるからくりを紹介している。一般的に高いといわれる農業機械や資材。自分も工夫しようと思いました。
書評は以上です。
自分は有坪氏、杉山氏はともに異業種で得た知識・経験・考え方をフルに農業に持ち込み、現行の農業プロセスに一石を投じ、効果を上げている方で、体験記としてはこの2人の著書が自分にとってのベストです。2人とも賢い。
そして面白いのは2人が好対照なこと。有坪氏は実家の農業を継いでいるのに対し、杉山氏は全てが初めてからのスタート。また、有坪氏は冷静に淡々と書いているのに対し、杉山氏は一喜一憂。今後もこの2人には影響を受けていきそうです。
明日は土壌診断の実験があるのでその模様をレポートできればと思います。
以上
【書評1】 「農業に転職する」 有坪民雄(プレジデント社)
書籍レビューをしてみます。第1回は有坪民雄著の「農業に転職する」(Amazonはこちら )。
就農を意識して以来、自分は次のような本を読んでいます。
①就農までの方法・プロセスを客観的に明記した本
②ベテラン農家・新規就農した人の体験記
③農業生産における技術的な教科書・指南書(作物の育て方、農業機械・農薬の使い方、農業経営など)
④内外の農政、食生活、農業業界に関する時事・研究・統計
※当然、1冊で幾つかの要素を含むものもあります。もっと読んでいくうちにカテゴリーも変わるかと思います。
「農業に転職する」は①と②を含んでいます。有坪氏の就農前の職業は経営コンサルタントでした。自分も脱サラ前はシステムコンサルタントであったため親近感が湧き、基本的な考え方や意思決定のための判断基準に対して共感・関心する点が多々ありました。
【目次】
プロローグ
[第1章] これからの農業に向く人、向かない人
[第2章] どんな農業をやりたいのか
[第3章] さあ、行動を起こそう
[第4章] 本格的な経営計画を立てる
[第5章] 農村で生き抜くための心得
【本書の良い点】
[1]全体を通して構成が論理的であり、理解しやすく無駄がない。
・章立てがきちっとした階層構造になっている。
・何か主張をするときに、結論を述べてから理由を明確に書いている。その理由も、考えられる限り全ての理由を箇条書きで挙げ、それぞれのウエイト/可能性や、優先順位、メリット/デメリットを示している。
・例えば「農協が推奨する作物を作るメリット3つ(P91)」とか、「市場に出荷する際の条件2つ(P94)」とか。終始「このパターンは○○個あります」と最初に明示してそこから深堀していく文体で、よく整理されているという印象を受ける。
・特によく網羅されていると思ったのは、農地探しの際の土地の評価法(P135)。立地、集約度、通路幅、等10項目に渡って説明されていて、著者の事前のリサーチと実際の体験がよく書かれています。
・矛盾がない。
・私情を殆ど挟まず、言いたいことは最短で表現し、結果として1冊に多くの情報が入っている。文章にキレさえ感じる。
[2]人と交渉する際、立場によって相手の利害をつぶさに分析し、双方の利益が最大になるような選択をしている。
・就農相談窓口の相手、資材や農機の取引相手、農村の人など、農業をする際にコミュニケーションしていく人たちは何を損得と感じ、自分に何を期待しているのかを、面白いほど観察している。
・例えば、農地の貸手は将来自分の息子が帰ってきて継ぐ事を期待している場合があるから、貸手の家族関係を調べ密かに息子と接触した方がいいとか(P144)、農機具メーカーは新規就農者の農機の扱い方によって営業戦略を変えてくるとか(P204)。
[3]就農前後の収支・経営計画の立て方が綿密である。
・さすが元経営コンサルタントという感じ。
・意思決定の一つ一つに費用対効果を意識していることが伺える。農業大や研修機関に行く際に、生活パターン毎に費用と効果をシミュレーションする重要性を説いている。
レビューは以上です。
次回は、体験記では有坪氏とあわせて良書だと思える、杉山経昌著の「農で起業する!」をレビューします。
以上
【野菜】 10/5(金) 抑制メロン(ベネチア夏Ⅰ)出荷、査定会出品
今日は、先日味見をした抑制メロン(ベネチア)を収穫し、午後はJA鳥取中央にて開かれた査定会に出品しました。
収穫・調整後のメロン
■気象条件
| 天気 | ![]() 晴れ |
|
| 気温 | 最高気温 | 24.5℃ |
| 最低気温 | 20.6℃ | |
| 露点温度 | 15.0℃ | |
| 湿度 | 60% | |
| 風 | 風向 | 北東 |
| 風速 | 5m/s | |
| 気圧 | 現地気圧 | 1014hPa |
| 海面気圧 | 1015hPa | |
| 降水量 | 0.0mm | |
■主な作業
| 栽培 種別 |
ハウス ID |
作物名 | 品種名 | 作業No. | 作業 内容 |
作業 面積 |
作業 時間 [人・h] |
防除 薬剤 |
希釈 倍率 |
薬剤 効能 |
| ハウス | H5 | メロン | ベネチア夏Ⅰ | 1 | 収穫、調整 | 1.2a | 3.0 | |||
| ハウス | H4 | イチゴ | 章姫 | 2 | 培土追加 | 1.2a | 1.5 | |||
| ハウス | H3 | ミニトマト | N.A | 3 | 根抜き | 1.2a | 2.0 | |||
| 露地 | - | 白菜 | N.A | 4 | 定植、防除 | 1.2a | 4.5 | オンコル流剤 | 2g/株 | |
| トレファサイド乳剤 | 200ml/10a | 除草 | ||||||||
| 露地 | - | ニンジン | N.A | 5 | 土寄せ | 0.5a | 1.5 | |||
| 学外 | - | メロン | ベネチア夏Ⅰ | 6 | 査定会出席・出品 | - | - |
・メロンは「ベネチア夏Ⅰ」という青肉の品種。冷涼地、中間地、温暖地いずれでも栽培可能で、中間地に位地する鳥取県でも収穫期は7月末~10月中旬と、長期間にわたってコントロールできる。[作業No.1]
・ヤエ種苗のカタログによると、好配から55~57日で収穫できるとある。農大では8/13に交配。自分はまだ農大にいなかったが、手で受粉し、蜂をハウス内に放して交配を促したとのこと。[作業No.1]
・1株に1玉実るよう8月下旬に摘果している。同じ頃、日焼けを防ぐために新聞紙で袋かけをした。また、アンテナと呼ばれる実の上についているつるを真っ直ぐにするために、紐でアンテナが水平になるように固定していた。後述するが、日本ではこのアンテナのつき具合がメロンの良し悪しを決定付ける大きな要因になっている。[作業No.1]
↑調整の様子。「アンテナ」を果実の横径ほどに切りそろえる。美しいアンテナを作るために農家は多くの労力を費やすらしい。
・重さは1.5kg~2.5kgとバラツキがある。一般的には1.5kgほどの小ぶりのものが小売店でよく売れると講師が話していた。また、度重なる防除に関わらず、うどんこ病が蔓延し、葉が枯れた結果実が裂けた。廃棄率はおよそ25%。防除時期が遅かったのと、薬剤が1枚1枚の葉の裏表にしっかりかかっていなかったことが原因と考えられる。[作業No.1]
・査定会に出品。JAによる集荷・出荷が始まる頃になると類型品種毎に公開で査定会が行われるようだ。今回の「抑制メロン」という分類では時期的にも対象農家数は少ない(JA管内の作付面積は100a未満)。
JA鳥取中央の会議室にて実施、参加者は30人ほど。出品者は10人。JA職員が査定や集出荷の要領を説明した後、重量、外観、糖度などで査定を始める。
・重量は2kg前後で大ぶりの玉が多い。交配日は8/15日前後で、今日の収穫日まで50日強経過している。糖度は平均16.1。このJAの企画では14度以上が合格。農大は18度の糖度をたたき出し出品者の中では最高だったが、市場では糖度よりも見た目が重要(アンテナ・筋のつき具合、表面の色、球形)。糖度が高すぎると日持ちが悪くむしろ敬遠されるらしい。
アンテナの不備は特に致命的で、折れたりしたら2、3割下落することも。日本に浸透する外観重視主義、国民性として受け入れるべき部分があると思う反面、消費者や生産者の常識を疑い、何か変えるかとはできないかも考えて行きたいところです。
以上
【農家】 10/3(水) 我が家の家庭菜園
地元の農家の親戚・知人や、県外の農家の方から聞いた話、農業の様子をざっくばらんに記していければと思っています。第1回目の今日は、ずばり祖母。職業として農業を営む農家に比べてスケールは小さいですが、実家に隣接する約2aの畑を切り盛りしています。写真は全て家庭菜園にて。
畑の用途は、自給自足の足しにする野菜・花・果樹作り。常時5~10種類の食用作物が植えてあり、最近は農業と関係ないサラリーマンである父も参戦し、種類は増えています。ちなみに現在栽培されている作物はナス、ピーマン、オクラ、大根、ブロッコリー、コマツナ、チンゲンサイ、アスパラ、枝豆、うど、ネギなど。
各種類少規模ながら、1家族5人が生活するのに十分な量を確保できます。例えばナスはわずか6本ですが、それから1日平均で3個くらい、2ヶ月以上にわたって獲れます。ネギも小さいものが100本くらいあって(広さ2~3畳)、4ヶ月くらいにわたって好きなときに抜けばいいのです。初夏に収穫したタマネギやジャガイモも長期間保存でき、適宜食べています。(ちなみに祖母は田を人に貸していて、そこで獲れた米を我が家で食しています。)
ここ2ヶ月実家で暮らしてみて、家で食べる野菜のうち6割は家庭菜園から得られます。これに親戚や家族の友人から頂くものも合わせると8割もまかなえる。よって我が家では野菜を「買う」スタンスがあまりないのです。
農家の家庭でなくても、このあたりの田舎では多くの家に自給用の畑があり、それぞれが過剰に作った作物を人におすそ分けする習慣が根強く、おかげで買い物をしなくても「家族が知っている人が作った」「多くの種類の」「旬の」野菜を日常的に頂くことができるのです。
ナス ブロッコリー
祖母は農家の出身で(田舎の祖父母世代のほとんどがそう)、小さいときから農業を経験し(当時は車も機会もなく、大変な作業が多かったようです)、会社員だった祖父に嫁いでからは、それまでに培った勘と近所のネットワークによる情報を活かし、小さな畑を一人で管理するようになりました。
極力農薬や化学肥料を抑えるため、生ゴミを処理したものを堆肥に利用し、虫は手でつぶし、しょっちゅう草を鎌で刈り取ります。ほぼ有機農業(芽が出てすぐは農薬をかけないとさすがにやられてしまうらしい)。
先日生ゴミ堆肥を土中に埋める手伝いをしましたが、蛆虫がわんさかわいていました。けれど自然の虫が自然に発生・繁殖し共存しながら分解するのが有機。虫が嫌いな人は有機農業はできません(自分は有機はしばらくしませんが、いろんな虫が跋扈しているのが自然であり、気にならなくなりました。)特に暑い日は手作業での草刈りも大変。
そうして手塩にかけて育った新鮮な野菜は、野菜そのものの味が強く、とても美味しいのです。
農業で食っていくかどうかは別として、家庭もしくは小規模のグループが自給自足するための菜園というのは、一つの理想的な農業、理想的な食生活だと感じています。菜園にする土地と、管理する人がいればの話ですが。
仮に自分が農業に携わる場合、ざっくりと
①専業農家か・兼業農家か
②より高付加価値にするか・より安価にするか
③大規模で大量生産するか・小規模で少量生産するか
④露地/自然/旬にこだわるか・バイオを駆使し工業的にするか
⑤国内向けに生産・技術開発するか・海外への技術輸出/流通も視野に入れるか
という大まかな方向性を意識して進路を決めるわけですが、家庭菜園の場合①兼業で、②これはこだわりと工夫次第、③小規模で、④自然で、⑤ローカル、である一つの理想モデルです。仕事が逼迫しなければ、自分の父のように少ない手間で何かしら作れる。
ゆえに、農業に関係する安定した仕事をしながら家庭菜園を始め、それを徐々に拡大していく、というのも一つの選択肢だと考えています。
【野菜】 10/1 シュンギク間引き&メロン味見など
月曜はシュンギク間引き、メロン味見等を行いました。
間引きとは、「子葉や本葉が出るそれぞれの生長段階で、苗を健全に育てるため、込み合ったところを一定の間隔になるように、苗を抜いてしまうこと」で、間引いた葉はおひたしなどにして食べられます。
■気象条件
| 天気 | ![]() 晴れ |
|
| 気温 | 最高気温 | 25.2℃ |
| 最低気温 | 15.8℃ | |
| 露点温度 | 15.6℃ | |
| 湿度 | 62% | |
| 風 | 風向 | 北北東 |
| 風速 | 5m/s | |
| 気圧 | 現地気圧 | 1013.6hPa |
| 海面気圧 | 1014.6hPa | |
| 降水量 | 0.0mm | |
■主な作業
| 栽培 種別 |
ハウス ID |
作物名 | 品種名 | 作業No. | 作業 内容 |
作業 面積 |
作業 時間 [人・h] |
防除 薬剤 |
希釈 倍率 |
薬剤 効能 |
| ハウス | H1 | ミニトマト | N.A | 1 | 収穫、剪定 | 1.2a | 3.0 | |||
| ハウス | H4 | イチゴ | 章姫 | 2 | 液肥 | 1.2a | 1.5 | キッポ青 | 400 | |
| 露地 | - | ネギ | 秀逸、夏扇 | 3 | 防除 | 4.0a | 3.0 | ロブラール水和剤 | 1000 | 黒班病 |
| 露地 | - | ネギ | 、夏扇 | 3 | 防除 | 4.0a | 3.0 | ラービンフロアブル | 1000 | ヨトウムシ |
| 露地 | - | シュンギク | N.A | 4 | 間引き | 約500株 | 4.0 |
その他、カボチャ処分、ナス・ピーマン収穫
・トマトはまだ徒長するため誘引した。地面から最も近い果房(実がなっていた部分)の実が全て収穫された場合、そこよりも地面側の葉を切り取った。風通しを良くして病気を防ぐと同時に、作業しやすくするため。[作業No.1]
・シュンギクは5粒まき(畑での種まきの際、1穴に5つの種をまく)であり、1穴から平均で3、4本ほど芽が出ている。このうち最も茎が太く、かつ形が整ったものを1本だけ残し、残りは全て抜く。
「シュンギクの間引き菜は食べられない」という意見があったが、持ち帰っておひたしにしたところ美味かった。
作物によって多粒まき(1穴に複数の種をまく)が定石となっており、費用対効果は詳しく調べていませんが、種が安いものはこうしたほうがトータルで経済的なようです。[作業No.4]
・その他、H5のメロンがぼちぼち大きくなり、サンプルの味見をしてみる。概ね甘くて美味しいが、甘みを感じる部位が少ない。(外側の難いところまでは甘みが浸透していない。本来こういう味?)自分が尊敬していた伯父のメロンには遠く及ばず。。
後日まとめて収穫するようなので、追加情報はまた。
↑味見したメロン。形はよく、ネットの模様・果肉ともにきれい。
以上 (書籍レビューは後日に。。)
【野菜】 9/28(金) イチゴ高設灌水チューブ設置&ブロッコリー土寄せ
本日はアグリスタートアップ研修(特産野菜コース第4回)と並行。ブロッコリーの施肥、土寄せ、ネギの病害虫の特性と防除法に関する講義を行った後、イチゴ高設栽培用の栽培槽に灌水チューブを設置しました。
■気象条件 午前は暑かったですが、午後から急に寒くなりました。ようやく秋ですね。
| 天気 | ![]() 雨 |
|
| 気温 | 最高気温 | 30.7℃ |
| 最低気温 | 21.7℃ | |
| 露点温度 | 19.7℃ | |
| 湿度 | 87% | |
| 風 | 風向 | 北北東 |
| 風速 | 5m/s | |
| 気圧 | 現地気圧 | 1014hPa |
| 海面気圧 | 1015hPa | |
| 降水量 | 1.0mm | |
■主な作業内容
| 栽培 種別 |
ハウス ID |
作物名 | 品種名 | 作業No. | 作業 内容 |
作業 面積 |
作業 時間 [人・h] |
防除 薬剤 |
| 露地 | - | ブロッコリー | 彩麟直緑28号 | 1 | 施肥 | 13.5 | 3.5 | |
| 露地 | - | ブロッコリー | 2 | 13.5 | 2.5 | |||
| ハウス | H4 | イチゴ | 章姫 | 3 | 灌水チューブ設置 | 1.2a | 1.0 |
その他、ピーマン・ナス収穫、ブロッコリー防除(アファーム)など
・施肥に関して、肥料は株間でもなく株下でもなく、均一に蒔くのがいいとのこと(同じ農大の先生の間でも意見が異なる)。株元では堆肥の効果が高すぎて異常をきたすとのこと。【作業No.1】
・施肥に関して、1条あたりの肥料散布量までは計算するが、一株あたりの施肥量までは計算しなかった。講師いわく、一般的な農家でも厳密に1株ごとの散布量までは決めず(農薬も同じ)、1条とか、1aあたりとか、ある程度広がりをもった単位面積の散布量を出し、その中で使い切るよう「勘」で調節し、経験としてFBして慣れて行くらしい。【作業No.1】
・土寄せは一般的に、根の発生を促したり、茎を固定したりする等の目的で、葉物野菜全般で数回行われるとのこと。ネギの場合 (←クリック)は白ネギの部分を伸張するという独自の目的があり、以前体験した。そのときに使用した土寄せ機を今回も使用。【作業No.2】
・灌水チューブは水を特定の流径で規則的・均一に散水するためのチューブ。これを栽培槽の上に配置し、水道と連結した。灌水の頻度と1回あたりの灌水量は未確認(主担当に任せっきりにしてしまった。。来週聞きます)【作業No.3】
↑勾配をつけた排水溝もビニールで設置し、1箇所からまとめて排水できる。
■その他
先週収穫して冷蔵保存していたコマツナの多くが規格外(食べても美味しいが調理するには大きすぎ、消費者ニーズがない)であり、各自持って帰ることに。収穫日のスケジュールミスが原因。大きくなりすぎても売れないものがあることを初めて知った。
葉物は特に、1個1個大きさの選別をすると手間がかかったり、間引くと残った株が倒れる・折れる等の弊害があるため、まだ少し小さいとき(Mサイズ)時点で短期間でまとめて収穫するのがよいらしい。
次回から、書籍レビュー、農家の話などもアップしていく予定です。
以上
【果樹】 9/26(水) 二十世紀梨記念館見学
鳥取県に二十世紀梨記念館 (←HPはここをクリック)という施設があり、以下の理由で個人的に行ってきました。先日知った20世紀梨の歴史と先人の努力に感銘を受け、より知りたいと思ったためです。 (9/12の日記参照 )
↑入り口入って目の前に、梨の巨木が立ちはだかる。実際の樹を抜いて運んで来たもの。樹は生きてる?
建設費・維持費の巨額さはさておき(最後に言及します)、梨のルーツ、世界の梨に関するデータ、1年の栽培サイクル、病原菌や害虫の電子顕微鏡写真、県内の導入経緯、病気克服や品種改良に尽力した研究者・役人・農家の紹介、海外への輸出・販売の様子を撮った亜写真、梨を使った料理の試食コーナーなど。
↑巨木を下からのアングルで撮った。たくさんの根が伸びている。
市民・県民が負担する税金を全く意識しなければ、内容が豊富で、子供も興味を持つよう工夫されており(クイズ用PC端末や、触って体験できる選果センサーなどもある)、観光客や地元の人が二十世紀梨をよく知るという点で、ぜひ行かれてみる事をおすすめします。入場料は大人200円、中学生以下無料。
↑農家の取り組み、梨の歴史などがパネルで表示されている。
個人的に興味を持ったのが、西洋梨を中心として世界中で日本以上に梨が生産されていること。ドイツ、スペイン等EU諸国の他、アルゼンチンも日本以上に生産している。中国は日本と同系の「中国梨」を中心に、日本の25倍以上生産している。中国、韓国、EU、人口一人当たりの生産量が日本より多い国が多い。梨はメジャーらしい。
あと、アメリカでの日本梨を売り込むポスターが個人的にはまった。20年以上前というのに、古さを感じさせない。というか、この古い和洋折衷な感じがかわいい。
↑たしか昭和53年(?)にアメリカ向けに作られた二十世紀梨のポスター
■施設の運用について
資料は豊富なのですが、このご時世に贅沢なものを作ったものだと思いました。無駄に広い。訪れた平日のこの日は人影まばら。鳥取県60万人で以下の施設を今後も運用するのは大変だろうなぁと思いました。
※受付の人経由で事務局から聞いた数字。詳しい話はしなかった。
●総工費(建設費、土地、展示物) 約53億円!
●年間維持管理費 約7700万円!
●入場料 大人200円、小人0円 (2年前までは大人500円)
●年間来場者数 約93000人(06年実績)
●うち大人(=領収対象) 約44000人、団体比率約15%
来場者、意外に少ない。
入場による収入は900万弱、館内にカフェとみやげ物屋があって売り上げは聞いてないですけど、使っても一人平均200円くらい?
というわけで年間5、6千万円は赤字じゃないでしょうか?このうちどれほど県民が負担しているか分かりませんが、負担額に対する効果、建設に至った経緯と県民のコンセンサス、今後の運営方針等々、1県民として少し心配してみました。
ちなみに農大にも巨額の改装費がかけられていて、自分はその恩恵に与っているんですけどね。。
↑梨の子孫たち。農大でもおなじみの「新高」なども入っている。品種改良、きりがないように思えてしまうが、良いものを作るためこれからも際限なく子孫は増えていくのだろうか…
以上


























