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【野菜】 11/9(金) イチゴ液肥&ニンジン、白菜等収穫

11/9(金)は野菜科にて、イチゴ液肥と、各種野菜(ニンジンなど)の収穫・調整、ネギ・白菜防除を行いました。



■イチゴ液肥


ハウスでのイチゴ促成栽培では通常、花が咲き始める10月下旬~11月上旬より、液肥もしくは固形肥料による施肥を行います。農大の場合、液肥は灌水も兼ねて11/5週より毎朝施肥。

また、農大研修科では試験的に、条ごとに以下のように異なる施肥を行い、発育や味に違いが出るか調べようとしています。

①液肥(油粕+水)

②液肥(キッポ+水)

③水のみ

※①②はいずれも濃度3000倍。組成等は後日再確認。


液肥の方法は、防除と同様に、液肥+水のタンクを準備し、ポンプでくみ出して高設の灌水チューブに接続し、噴射。動力噴霧器でもできますが、液肥は日課なので、ポンプはハウスに据え置いておくと便利です。


液肥
↑タンク内の液肥をポンプでくみ出し、灌水チューブに接続


ミツバチ

↑ハウスの中では、ミツバチがせっせと受粉に貢献していました。



■各種野菜収穫・調整



ニンジン2 ニンジン1
↑今までいろんな野菜を収穫してきましたが、ニンジンの収穫が一番気持ちいい。地面から抜く感触は、まるで新雪を踏んだときのような心地よさ。


白菜

↑白菜も収穫。店頭ではこのようにきれいになっていますが、外側にあった大きくて厚い葉を何枚も剥いでいます。


サンチェ

↑こちらはサンチェ。大きな葉だけ摘んで束にして袋詰め。収穫・調整に手間がかかる割りに安い(50gで50円)


その他、サニーレタス、シュンギクも収穫しました。この日の研修員は自分含め実質二人でしたが、収穫・調整、防除、液肥と、フルタイムながら効率よく作業が進みました。仮に夫婦2人でやる場合、ちょうど良い作業量(規模)であると感じました。


今週から鳥取は寒くなりそうです。


以上

【果樹】 11/8(木) 二十世紀梨剪定&誘殺、愛宕梨収穫

久しぶりの更新です。最近は雨が降って作業がなかったり、すでにこちらで紹介した作物の収穫が続いていたので更新していませんでした。


さて果樹科では、今週からいよいよ冬場の果樹のメインとなる作業である剪定作業が今週からスタートしました。今日は午前に誘殺バンドの巻き付け作業、愛宕梨調整を行った後、二十世紀梨の剪定を行いました。今回の日記では剪定作業を中心に話を進めていきます。


剪定道具

↑剪定道具(剪定バサミ、ノコギリ、誘引ひも)を腰につけて作業する。



■剪定の概要


そもそも剪定とは「果樹の生育や結実を調節するため、枝の一部を切り取ること。」(三省堂 大辞林)で、しばしば併せて使われる「整枝」(樹木の枝を目的に合わせて、切ったりたわめたりして形を整えること。出典同)に含まれます。農大で剪定という言葉は【①枝を切る】に加えて、【②枝を曲げて(縄やワイヤーで)固定する】、【③将来の理想的な樹形をイメージする】のニュアンスも含めて使用されるため、この日記でも「剪定」は①~③を含めたものとします。



徒長枝
二十世紀梨の(亜)主枝から「吹いた」徒長枝。これらを切ったり、曲げて固定したりする。


剪定の目的は次のようなものがあります。


(A) 木の美観・健康を良くする

(B) 日当たりや風通しを良くする

(C) 病害虫から守る

(D) 花や実のつきを良くする ⇒ 長期的な収量の最大化

(E) 木を小さくする ⇒ 人が管理しやすい形・大きさに保つ/導く

※出典「落葉樹・常緑樹の整枝と剪定」


(D)以外の目的で街路樹や庭木も、これからの時期に至るところで剪定されるでしょう。種類に限らず、多くの樹がこの時期休眠に入り、共通してこれから冬場にかけての時期が剪定に適しています。


翻って果樹にとっては、経営上(D)が最も重要な要素になります。実のなり方(位置、大きさ、タイミング)は、木の枝や芽のどこを、いつ、どれだけ、どんな切り口で切ったかによって大きく影響します。


剪定の基本指針はありますが、品種によって選定方法は大きく異なります(梨では青梨系、赤梨系で異なる)。しかも、同じ品種でも育成段階で違いますし、経営主の思想や目指す所によっても異なります。よって、テキストの内容や地域別の推奨モデルも違ってくるわけです。そういう背景があって「剪定は難しい」とよく言われます。


自分も今週から一般書を読み、鳥取県で推奨される二十世紀梨剪定の秘訣なるものも目を通し、先生に実地で教わりながら剪定を始めました。細かいポイントがいくつかあり、次回以降、順次紹介していきます。


待ち枝1

↑多収ポイントの一つ、「待ち枝」仕立てのための誘引(詳細は次回以降)


ちなみに農大では

梨→ブドウ→リンゴ→桃、ブルーベリー、柿、栗…

といった流れで、11月から来年2月にかけて敷地内果樹園の剪定作業が続きます。本来は葉が全て落ちた状態の方が視覚的に作業しやすいのですが、人員不足のため例年より前倒しとなりました。この時期からの二十世紀梨の剪定は生理上問題ないとのことです。


<2008年1月6日追記↓>

二十世紀梨剪定のポイントはこちら



■誘殺バンド


松の木等でも見たことがあるかもしれませんが、害虫を暖かい場所へ誘い込むため、樹の幹に紙製バンドを巻きます。病害虫は寒くなるとこのバンドへ集まり、産卵します。春になる前にこれらバンドを一斉に燃やすことで害虫を防ぎます。松の場合は藁を巻いてるのをテレビで見たことがあります。


誘殺バンド2  誘殺バンド1


■愛宕梨調整


最も晩生の赤梨、「愛宕(あたご)」を調整しました。とにかく大きい。平均で1個900g、最大のものは1.75kgにまで達していました。1個400円程度で出荷予定。食べごろはあと1週間後らしいので、味の感想は今回はなしです。


愛宕3

愛宕2 愛宕1
↑タバコの箱と比較



以上

【見学】 10/31(水) 県立園芸試験場フェア

※自宅PCの不調と、アメブロサーバーの不調で更新が遅れました。


先日、鳥取県園芸試験場にて、年に一度の一般公開フェアがあり参加してきました(県のHPはこちら )。内容は次の通りで、鳥獣対策の話を中心に様子を記していきます。


1. 講演会

 ①鳥獣被害とその対策

 ②果樹害虫の発生と取り組み

 ③野菜土壌妨害に対する環境に優しい防除技術

 ④にんじん栽培におけるネキリムシ類の防除対策

 ※本日記では①のみ言及。各タイトルは簡略化しています。

2. 農業機械の実演

3. 試験圃場案内

4. その他(展示、新品種の試食コーナー)


講演

↑講演会の様子。40%以上が60歳以上の人に見えた。30歳以下は5%未満ほど。


1. 講演会

①~④まで通して聴きましたが、最も興味深かったのが①鳥獣被害とその対策に関する報告。普段は病害虫防除ばかりに意識が傾きがちですが、タヌキが野菜を食べたり鳥が果樹を突付く等の被害は田舎では日常茶飯事。被害を最小に抑える対策が重要です。

まずカラスを代表とする鳥獣対策について。ロケットや爆音機を使った音声、CDやかかしを用いた視覚、磁石等は初めは効果があってもいずれ慣れが生じ、効果がなくなります。これに対して、ロケットの発射タイミングをランダムにしたり、時にはロケットを鳥に向けて発射したり、ライフルを鳥に向けて打つ等を組み合わせると効果が高まります。


花火

↑定期的に発射されるロケット


また、果樹園等に防鳥ネットを設置するのは最も効果的(農大の果樹園も全部張ってある)。しかし個人農家が全部張るとなるとコストが高すぎる。代替策として、テグス(透明なナイロン糸)を、カラスの新入空路上に数本張っておくだけで入ってこなくなるとのことです。また、最近では地元漁港等から使用済みの漁網を格安で購入し、使用するケースもあるようです。←これ、ポイントですね。


エアガン

↑エアガン(電池式)の体験。玩具なので免許はいらない。連射も可能で30m先まで威力あり。鳥、イノシシなどの動物に対して威嚇する。価格は3万円で、集団で購入すると市から2/3の補助が出る。


あと、研究員強調されていたのが、近くにクズ野菜(果樹)を置かない。カラスたちの餌になり、数を増やす原因となります。栽培地から離れた場所に埋めるのがベストらしい。


あと、イノシシ等の獣を寄せ付けないためには、新入経路の林の木々を伐採し、緩衝帯とよばれる空き地を作ると良いそうです。どうしても木を切れないときは、経路上に罠(オリ)をしかけたり、先ほどの銃で威嚇したりするとよいそうです。



2. 農業機械の実演


各社によるいろいろな農機のデモンストレーションが行われました。展示のみならず、同一圃場でメーカーが競うように実演していたのが面白い。以下、写真とともに簡単に補足します。


散布機
↑農薬散布機。写真中心左側に噴射穴付きの長いアームが伸びている。普段はホースを人が持って移動することを考えると、非常に楽そう。ただ、野菜の散布は葉の両面に満遍なく施す必要があり、どこまで確実にできるのか。それから近隣の畑へのドリフト(数による拡散)も心配。

溝堀機
↑果樹園の溝掘り機

ホウレンソウ収穫

↑ホウレンソウの自動収穫機。きれいに取れるけれど、機械に合わせて畑を整備する必要がある。1台60万円強。大産地でしか普及していないらしい。


トレンチャー
↑トレンチャーによる果樹園の溝掘り。排水性を向上する。



3. 試験圃場案内

いろ回りました。肥料の種類、量、電照条件などで処理区を分けて試験している。やはりイチゴに関心があったのでハウスを観察。早生の鳥取のブランドを作るべく、章姫を主品種として多品種と何十通りの賭けあわせを行い、それぞれを同一ハウス内で栽培。9/12定植であるが、多くの株に花が咲いている。


イチゴ花
↑イチゴの花


そして驚いたことに、もう赤い実をつけている株がありました!株数はわずかで味も美味しいか分かりませんが、定植から1ヵ月半で結実するのに驚きました。


イチゴ


あとは、園芸試験場で開発された新品種の梨、柿などの試食がありました。全体を通して楽しめました。


以上


【バイオ】 10/29(月) 組織培養(ワサビ、カーネーション)、ユーストマ無菌播種

※10/31に内容をアップしました。


今日は念願のバイオテクノロジー入門実験。カーネーション、ワサビの組織培養と、ユーストマ(トルコギキョウの学名)の無菌播種を行いました。高校で物理・化学を選択してから大学院までかれこれ9年。この間、生物は全くといっていいほどノータッチで、およそ12年ぶりの生物実験です。


組織培養が何かも知らなかったのですが、バイテクの基礎教科書の最初に出てくる基本的な技術で、植物は組織を分断しても適切な条件下では根を張り、組織が培養され成長するというものです。


実験はバイテク棟とよばれる実験棟へ。講師とは別に非常勤講師の方がいて、実験の補助や培養苗の管理等をされています。


↑実験室の様子。充実している。


■ユーストマ無菌播種

実験は2班に分かれての並行作業。自分の班ははじめにユーストマの播種を行いました。

まずは種を蒸留水に5分程度浸水してコーティングを剥がします。その後、1%次亜塩素酸ナトリウムで12分間滅菌し、上澄み液を捨て、蒸留水にて3回洗浄。


洗浄後は、エアシャワーを経て別室のクリーンルームに入り、クリーンベンチにて、準備された培地(成分は忘れた)が入ったプラスチックケースに3*3=9個植えつけます。


↑クリーンベンチ


クリーンベンチ、化学分析では使ったことがありますが、バイテク用のこちらは装備が充実。中にガスバーナーが据え置かれていて、一度添加すると足元のペダルで火力を上げることができます。ピンセット、メスを使用前に火で消毒します。植えつけた密閉ケースの蓋を閉める際も、蓋を火にあぶって


■カーネーション、ワサビの発根培地への植え付け


続いてはカーネーションとワサビの組織培養。どちらの場合も共通して、ある程度成長した植物を3~4つに分割し、それらを培地に植えつけるというものです。分割はメスを使用して。おそらく人生で初めてメスを使用。カーネーションは節ごとに、ワサビは根を含めた2枚以上の葉を1単位として分割。分割片はユーストマと同様のケースに植えつける。カーネーションも同様。


ワサビ

↑培地に植えつけたワサビの分割片。ワサビ用改変MS培地。


密閉した容器たちは、別室の冷蔵室に移動し、保管します。室内気温はおよそ18℃。作物によって最適気温はまちまちらしいですが、大体このくらいが妥当等のこと。光は蛍光灯のみで、強度・時間管理されています。1000lxs、8時間日長。

因みに農大では培養したワサビを、農家向けに販売しています。農家レベルではなかなか組織培養ができないらしいので。個人的には興味があるので、自宅に暗室を作るノリでいつか作ってみたいという願望があります。



↑冷蔵室内の様子。培養植物が生長している。


組織培養というのはシンプルで簡単な技術ですが、ものすごく凄いことだと思います。知ってはいましたが、受精も種も必要なくクローンがどんどんできていく現場に立ち会う新鮮な感動を覚えました。今後、週1回くらいで様子を見てみようと思います。



■その他


話が変わりますが、イチゴが急成長してました。もうすぐ花が咲きそう。そして花が咲いた4、50日後には赤い実がなるのです。


花芽
↑花芽が出始めている

クラウン径 ランナー
↑ランナーもたくさん出ていたので、腋芽と同時に除去していきました。



あと、ブロッコリーも花(普段食べるところ)が出てきました。花は急激に大きくなるので、収穫も近いです。花が100円玉くらいになると、その10日後には収穫期に入るので、防除できなくなります。


ブロッコリー

↑ブロッコリーの花ができ始めている

このあと続けて、園芸試験場のレポートもアップします。


【視察】 10/28(日) 県内農業研修ツアー

1週間ご無沙汰してすみません。先週も研修で得たことは多少あったのですが、企業リサーチ等に時間をかけていて更新をお休みしてました。


さて今日は、鳥取県(財団法人鳥取県農業担い手育成基金)が主催する、県内で新規就農された農家を視察するバスツアーに参加してきました。農場へ赴いて経営主の話を聞き、質疑応答するという内容で参加者は約20人。視察した農家は以下4農家で、基礎データと、印象に残ったことを書こうと思います。


【1】 施設イチゴ(大山町)

【2】 養液栽培ブルーベリー(旧淀江町)

(昼食&ディスカッション@大山農業改良普及所)

【3】 花壇苗(南部町)

【4】 白ネギ(米子市)


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【1】 施設イチゴ(大山町) ※ハウス内は見学できず


<経営者情報>
薬品会社勤務を経て40代で退職、H16年に就農


<作物・栽培法等>

・栽培規模19a

・主要品種は章姫。その他「紅ほっぺ」、「佐賀ほのか」等多数栽培

・奈良方式に改良を重ねた独自システム

・収量は5t/10aで、県の栽培基準を越えている(初年度すでに4t/10a)

・単価は1000円/kgで、こちらも基準越え


イチゴ


<話の要旨、Q&A>


・前職の薬品の知識を活かし、薬剤の使用設計をしている

・暖房には重油ではなくLPGガスを使ってコストを抑えている

・イチゴ(果菜)は生態上、朝どりが一番美味い。日の出とともに摘む。

・受粉用のミツバチはリースであり、使用後は返す(コスト削減のため)

・ブランド戦略としては、「大山ブランド 」に加え、全て地下水を使用する強みをもつ

・鳥取県は就農基盤整備授業として資材等を助成するが、人口土は適用外。それでも、費用負担率1/2(県1/3,、町1/6)は近隣県に比べて手厚い。


Q.(試験的に)多品種を同時栽培する理由は?

A.品種の流行の移り変わりが早く、いつでも主力品種を変更できるよう、技術力を高めておくため


Q.章姫を主力にした理由は?

A.休眠期間が殆どなく、電照の必要がないため


Q.黒マルチではなく、シルバーマルチにした理由は?

A.ハウスない温度と培土はほぼ同温であり、黒マルチでそれ以上高温にすると適温を越えてしまう。また、シルバーでは光の反射効果が高まる(⇒[推測]これにより色づきがよくなる?)



【2】 養液栽培ブルーベリー(米子市)


<経営者情報>
市内の病院で勤務(リハビリテーション従事)された後、今年H19年に就農。苗木はまだ幼木(食べられる実はならない)であり、2、3年後の観光農園開園を予定


<作物・栽培法等>
・栽培規模50a

・土耕栽培に対する、バックカルチャー方式をとっており、点滴灌水チューブから液肥を点滴する。常に酸性に保つ。

・上記方式では土耕栽培の2倍の成長スピード

・1樹につき耐用年数10年で計上

・15品種を同時栽培。全てがパテント品種(参考:種苗登録品種 )であり、種苗法により増殖は禁じられている


ブルーベリー


<話の要旨、Q&A>

・ブルーベリーは比較的防除が少なくてすむが、風に弱いため、固定に工夫がいる

・【1】のケースと同様、補助適用資材は制約が多いため、購入前にチェックして欲しい。例えば人口土、鉢、作業シート、防鳥網は補助適用外。柱やパイプは適用対象。

・苗木は1本2000円程度で、土や鉢を含めると1万円/本。これに対し土耕のコストはほぼ苗木のみ。


Q.前職の経験で活かせたことは?

A.バリアフリーを意識し、足の悪い人が安全に歩けるよう床を平坦に、また車椅子の方がゆったり収穫できるよう間隔を広く取っている

⇒この視点は、個人的に目から鱗の発想で、はっとしました。



【3】 花壇苗(南部町)


花卉はあまり興味がないのでQ&A一つで。こちらの方は就農されてから結婚され、それがきっかけで生産性も上がったそうです。

Q.灌水に「イオン電解水」を使う理由は?

A.詳しいメカニズムは不明だが、強酸と強アルカリに分離された水は植物を強くし、病気になりにくくなるため。



【4】 白ネギ(米子市)


<経営者情報>
大阪での某交通局を早期退職後、奥さんのご実家である米子市で3年前に就農。元々保有の10aの農地からスタートし、毎年規模拡大。


<作物・栽培法等>

・栽培規模80a

・春ネギ、夏ネギ、秋冬ネギを並行して栽培し、ほぼ周年収穫が可能

・今年の(実績/予定)収穫率は70%

ネギ農家
↑調整場の様子。コンプレッサー(左の青い網)でネギの皮が剥ける。


<話の要旨、Q&A>

・2年前は大雨、昨年は猛暑で収量は散々だったが、処方箋を得たことで今年はそれらによる影響は少なかった。具体的には、以下のように対応した。

猛暑対策⇒肥料を少なくし、根を活性化させる

大雨対策⇒すぐに雨水が流れ出るよう、畝間の溝を設計

・収益拡大のため、法人化も視野に入れて規模拡大を続ける予定


屑ネギ
↑余った葉先等はこの農家では肥料にするらしい。別のネギ農家の方に話を聞くと、農家によっては可食のくずをJAに出荷し、それがカップラーメン等のドライフーズになるとのこと


【その他】

・それぞれの農家の方が、前職の知識・経験を活かす工夫をされている。また、話し振りや質問への的確な回答から、コミュニケーションに長け、自身の信念に基づき試行錯誤を繰り返されている印象を受けた。
・改良普及所の実験室は、イメージに反して6畳程度しかなく、事務所的な役割がメインらしい。
・参加者は全員男性で、20代~60代が均等に分散した感じ。夫婦で来られてる人がいなかったのが意外。

・ツアーは終始スムーズに進み、和気藹々としていて楽しめた。同年代で就農を転職の選択肢として検討している人、僕が興味のある企業の人などとも接点を持つことができた。

・参加費はバス代弁当代込みで1500円と安く、ここでも県が農業振興に力を入れていることが伺える。鳥取県に限らず、同様のツアーがあればお勧めです。



今週水曜は園芸試験場の見学も参加予定で、またレポートします。


以上

【野菜】 10/19(金) カブ・大根・レタス・葉ネギ収穫&農業気象

本日は午前に農業気象学の講義、午後は数種類の野菜を収穫・調整しました。



収穫したカブ


■農業気象学


今回も面白かった。肝心の写経ノートを学校に忘れてしまい、記憶ベースですが、テーマは「気象要素と光合成」。前回は植物に有効な光の波長、日照、日長、温度、湿度の概念を学びましたが、今回は光合成とCO2濃度、風速との関係や、蒸散の影響などを学びました。


印象に残った事項


①一般的に植物の光合成が最適化される温度は25~30℃


②CO2濃度が高いほど、光合成の効果は高まる

 ⇒光合成ではCO2と水を吸収して酸素と有機物を作るというのは小学生でも習いますが、濃度が通常の2倍(=約700ppm)、3倍となっても光合成速度は高まり続ける。ピークや最大値までは先生は分からないようだが、テキストでは700nmを過ぎると効果は鈍化?後日要チェック。

そしてCO2ガスの導入は試験場レベルで研究されるも、コスト面で民間のハウス等に導入されていないことを知り、「工場で排出されたCO2を農作物栽培に応用できないか?」という、誰でも考え付きそうな、でも自分は今まで思いつかなかったアイディアが浮かぶ。実際、大手電機メーカーや発電所が研究しているらしい。これも後日要チェック。

 

③風速が大きいほど光合成の効果は高まる。

⇒一方、風速が高まると蒸散作用も高まり、ある速度以上になると葉の水分が過剰に外気へ放出され、植物の健康(?)状態は悪くなり、光合成も弱まる。蒸散作用は湿度にも依存するため、ハウス等で管理する場合は、作物に応じて最適な温度、湿度、風速を管理することが望ましい。


④植物は水分が不足すると葉温が外気よりも高くなる。

⇒この現象を利用して、灌水のタイミングを決める人もいる。



■収穫(午後)

たくさん収穫しました!

大根2
大根


レタス
サニーレタス



葉ネギ


それと、イチゴ交配用にミツバチの箱がおいてありました。これも立派な農業資材。価格は未確認。


ミツバチ箱

箱を開けると4000匹のミツバチがいます。4000匹と言ってもそんなに多くはない。意外にかわいい。来週この子たちをハウスに放します。


ミツバチ1



以上

【公聴】 農家体験研修報告会より

農大の1年生は8月後半から9月までの40日間、全国の先進農家宅にホームステイしながら農業実習するという研修があります。先日はその報告会があり、自分は当事者ではないのですが、全国にどんな農家がいて、どんな実習をし、学生がどう感じたかを知ることが出来ると思い、聴講しました。


野菜科、果樹科、酪農科計21人のケースを聞きました。報告書は同一フォーマットで、以下のような項目がありました。

①家族構成と役割分担

②経営耕地面積(家畜飼養頭数)

③作物別作付面積・単位面積あたり収量

④所有機会台数と仕様

⑤経営上の課題  など

市町村や県、国のマクロな統計は方々で公開されますが、個々の農家のミクロな情報はあまり得られないと思っていて、今回の報告会では貴重な情報と話を聞くことができ、有意義でした。その中で印象に残ったことを箇条書きします。


■全専攻通して、「⑤経営上の課題」に関して雇用に関することを上げる農家が多く、中国人留学生の受け入れが目立った

⇒具体的な課題は、後継者がいない/指導するのが困難、アルバイト不足/能力にバラツキあり、などです。中国人を受け入れているのは21件中2件、計4人。


■家族のみでの経営…14件、従業員雇用…7件

⇒家族経営では、2代以上でやっているケースが多い。単身経営は皆無。1件を除いて夫婦主体で営む。


■ほぼ全件が大規模

⇒研修を受け入れるため大規模である必要があるのだろうが、野菜農家は軒並み400a以上である。新規就農する場合、最低限専業で生計を立てるには20~40a必要といわれるが、ゆうにその10倍の広さを2~4人で回している。


■酪農の研修先として北海道が多い(11件中3件)

⇒北海道はやはり研修の受け入れに積極的か。その他、全専攻通して沖縄、九州、中国、近畿、関東と、全国的に研修受け入れ先があることに驚いた。


■研修先として有機農業専門もあり(21件中1件)

⇒日本の農家全体の中で有機農家って2%以下だったと思います。



報告会については以上。

木曜はバイオテクノロジーの実験をする予定でしたが、直前に変更。「アルプス乙女」という姫リンゴや「王秋」(梨)、西条(柿)の収穫等を行いましたが、割愛。

アルプス

アルプス乙女。学園祭でリンゴ飴にするらしい。


ドライアイス

西条をドライアイスで脱渋


以上

【果樹】 10/16(火) 土壌改良&農薬学&リンゴ調整

午前中は園芸試験場技官による農薬学の講義、午後は梨の木の土壌改良の一環として、バックホーという農機で穴を掘りました。



■農薬学


まずは農薬学の講義。これは今まで受けた講義で最も充実してました。実践に即した防除法、使用の注意点、防護服の効果、ポジティブリスト制度の長短などを幅広く、体系的に教えてくれる。学習量は多かったのですが、特に留意すべきと感じたものをいくつか記します。


①まず大前提ですが、作物毎に使用できる農薬の種類、濃度、量、回数が定められており、生産者はこれを遵守しなければならない


②登録農薬は農水省の検索システム(HPはこちら )で検索できる。

①を言い換えると、農薬毎に、対象作物への散布回数が決まっているが、成分が重複する農薬が別にある場合は、カウントに注意が必要である。例えばある作物に対して、「コテツ」という農薬を散布回数1回、またはコテツの新規成分を含む「タイタロン」を2回散布できるとする。このときコテツを1度使うと、タイタロンはもう使用できなくなる。このような注意は上記検索にて備考が表示されるらしい(まだ試してないです)。ただし、「○○の成分を含むものと併用しない」のような表現で具体的な農薬名は示されず、成分は個々でチェックしないといけないらしい。

③上記システムにて登録農薬の追加・削除・変更は随時行われるため、使用直前にチェックするのが望ましい。CDや冊子でも定期的に刊行されるが、最新ではない。


④イチゴのように「育苗」段階と「圃場」段階で、農薬の使用基準が異なる場合がある。

⑤農薬使用カウントの開始は、野菜は播種から、果樹では収穫直後から。

⑥農薬散布の時間帯は、朝が最もよく、ついで夕方、昼。朝は温度上昇するので葉の残留農薬が乾きやすく、薬害になりにくい。

⑦散布は風速が3m以下の場合がよい。スーパードライの空き缶が倒れない程度。



■土壌改良


果樹は年に数回、株元に施肥をするのですが、鳥取の一般的な20世紀梨の場合、①休眠前の元肥(10月)、②芽出し肥(2月)、③夏肥(5月)、④収穫後の礼肥(9月)、の4回行います。

このうち①の元肥を与える前に、蕪の周りを60cmくらい掘ることで団粒構造(イオンバランスや固相・気相・液相のバランスがよい)にする等の物理性に加え、石灰を投入してpHを上げる等の化学性も改善します。これが梨に関しての土壌改良の一つです。


穴掘りにはバックホーと呼ばれる、小型のユンボを利用しました。レンタル料金は9000円/日。代替手段はスコップを使った人海戦術。操作はさほど難しくなく、すぐに慣れました。


バックホー
バックホーで株から50cm先から掘り始める。深さは60cmくらい。


あと、収穫後のジョナゴールドの出荷調整も行いました。幾つかのリンゴのおしりにはカイガラムシという白い小さな虫がついており、それを取り除いて袋詰め。


ジョナゴールド



以上

【野菜】 10/15(月) イチゴ高設用マルチ張り&下葉かき

今日はイチゴ高設用のマルチを培土の上に張りました。その他、先週金曜からほぼ全ての作物に対して防除をしましたが、それについては割愛します。


■気象条件→米子の天気図なので降水量0ですが、実際はにわか雨でした。


天気 晴れ
晴れ
気温 最高気温 20.3℃
最低気温 16.7℃
露点温度 9.6℃
湿度 52%
風 風向 北北東
風速 5m/s
気圧 現地気圧 1019.9hPa
海面気圧 1020.9hPa
降水量 0.0mm



■マルチ張り


露地と同じように黒マルチを張ります。違うのは、定植してから覆う点。理由は、9月の平均気温が高く、定植前および定植直後にかけてしまうと地温が上がりすぎてしまうため。マルチにカッターで切り込みを入れ、葉をくぐらせるようにして設置しました。これにより、培度は追加できなくなります。

↑マルチ設置後の高設


マルチのメリットは以下。

①地温を適温に保つ

②雑草の発芽、および生長を阻害する



↑マルチの下には灌水チューブも通っている。灌水時には中央部が盛り上がり、マルチがパンパンに張る。以後は固形肥料をやらず、チューブを通して液肥を与える。


それからこの作業に乗じて、ランナー切除と下葉かきも行いました。それぞれの目的はランナーに余分な養分が流れるのを防ぎ、葉が効率よく光を吸収するため。古いその側の葉から切り取り、葉を5枚残しました。


手短ですが今日は以上。大根がそろそろ収穫時です。


【WTO】 10/14(日) NHKスペシャル「ライスショック」

※mixi日記を編集。ストレートな感想だけ書いています。

先日21時からのNHKスペシャルで、米の輸入自由化に関する興味深い内容を扱っていました。日本のブランド米コシヒカリが世界各地で作られ始めたのです。(番組HPはこちら )



コシヒカリは中国やアメリカでの生産が進み、アジア各国をはじめ日本へも輸入され、その輸入量が増えているという事実。一方で、国内の余剰ブランド米を中国などの富裕層へ売り込む動き。年末に決着するかもしれないWTOの決定によっては、日本にさらなる輸入米が増え、結果的に日本の多くの米農家が打撃を受けるという構図。

ここからは番組外の話ですが、米以外の野菜、果樹はすでに日本の食卓に浸透し、それによって国内生産作物の価格がしばしば下落しています。鳥取県産のネギも中国産の影響で数年前に市場価格が大暴落し、現在も低迷を続けています。

これは一般的にはあまり知られていないけど、農薬問題とかで騒がれがちな中国産野菜も、もともとは日本の消費者のニーズを商社等が汲み取り、ニーズに合った品種・量の作物を中国で作れるよう日本人技術者が指導している。 生産の多くは現地人に任せていて監督不行届でいろいろ問題が起こるんですけど、農地を集約して管理を強化する会社も増えている。そのうち「安くて安全な野菜」も増えると思っています。生産国にとっては外貨を稼ぎたいという動機と、日本人のニーズが合致した結果。

このようなことが「輸入野菜と中国農業」 (←クリックでAmazonへ)に書かれていました。
とは言いつつも商社や種苗会社を一概に批判する気はなく、志望する選択肢さえ残っています。



日本の技術をもってして安い土地と労働力が確保できる場所で大量生産するのは、工業よろしく経済の原理。自動車やトランジスタなどの基本技術が海外に広まった結果、トヨタやソニーが生まれた。この「技術」というやつをどこまで企業や国が独占所有するかも考えどころ。
翻って日本の食料も、経済主導で貿易し、技術を広めていいものか。国の主食の過半数を海外に頼ってしまって良いのか。

食の完全輸入依存を危惧して国は輸入禁止措置を講じ、補助金や優遇制度なんかを設けてきたんですけど、どこまで守れるのか。守るべきなのか。守る以外に何ができるのか。

自給率を巡っていろいろ議論されてますが、この辺はまだまだ勉強不足です。今日のスペシャルを見て勉強不足を痛感しました。時間をとって自分の信念と方向性を決めなければと思います。再度整理して寄稿できればと思います。

最後に、NHKスペシャルが絶対ではないと認識してることも添えておきます。切り口はいつも面白いと思ってます。続編は来週日曜にやるかと思って確認してみたら…今(月曜夜)やってるじゃないですか!!!不覚。。