大阪肥後橋を少し西に行ったところに、日本基督教団 大阪教会があります。大阪教会は明治7年に創立された大阪でもっとも古いキリスト教会のひとつで、現会堂は大正11年竣工のヴォーリズの建築でレンガ積み一部鉄骨造です。


レンガの積み方はフランス積みといってレンガの長編と短編を交互に積んでいく方法。奥行きが必要になるので壁が分厚くなります。写真ではチョット解りにくいでしょうか。

この建物は阪神大震災で大きな被害を受け、取り壊し寸前までいったそうです。しかに見事に再生をして現在は登録重要有形文化財に指定されています。指定されても国や府からは一円のお金も出ないそうでかえって維持費がかかると司祭さんはぼやいてはいましたが、その言葉の後ろには立派な建物を守るという矜持にあふれているようでした。

こちらは教会堂の西側の塔屋部分。この灯も倒壊の危機に瀕していたそうです。重量鉄骨で補強をして外観こそ従来の姿をとどめていますが、二部はかなり壁が厚くなったようです。しかしそれを上手にカモフラージュして、ぱっと見にはわからなくなっているそうですが…。
司祭さんには教会堂の方へ案内そしていただきました。

こちらが玄関ですが、ドア横の柱に厚みが感じられます。実はこの柱は鉄骨でできていて、震災後補強したモノだそうです。本来は玄関ドアとほぼ面一だったそうですが、信者さんでもほとんどの方は気がつかなかったとか…。

その玄関ドアの上の飾り、ヴォーリズデザインのエンボス調の飾りだそうで当時のまま残されています。
教会堂のホールは二階になっています。

赤絨毯が敷かれた階段を登りましょう。こちらの階段の蹴上げ踏面とも非常にゆったりとしていて、京都の駒井家住宅の階段に共通する人への優しさを感じます。

階段を登り切るとホールになっています。そのホールには礼拝堂へ通じるドアが三個所設けられていますが、その真ん中のドア

これは建設当時のモノだそうです。やさしいアーチを描いたガラス窓が印象的です。反対側にはステンドグラスがはめられていますが、

これはかなり後になってつけられたモノだそうです。さて礼拝堂の中に入ってみます。

とっても広々とした空間。両側の側朗の壁アーチに優しさを感じます。さすがヴォーリズ建築ですね。天井は重厚な木造トラス構造になっています。この部分は後で三階に上がったときによく観察できます。


正面は祭壇になっています。しかし私がいつも目にする教会とはどことなく違うような気がしました。実はこの教会は、プロテスタント。カトリック教会と違って、マリア像が飾られていません。プロテスタントでは偶像崇拝というモノは行わないのだとか…。

キリスト教の信者でもないうまりーのさんですから、初めて知りました。そうかそれで非常に素っ気ない(失礼)シンプルな祭壇になっているのですね。とってもお話しが上手な司祭さんに詳しく説明していただきました。この司祭さんは滋賀県出身で、まさに幼稚園小学校などボーリズ建築の中で育ってきた方で、今こうしてヴォーリズの教会で司祭をしている不思議な縁に感動しているそうです。
では明日は三階からこの礼拝堂をもう少しよく眺めてみたいと思います。

日本基督教団 大阪教会 http://www.osaka-church.net/

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