ジュウサンウグイとは亜種同士の関係にあるマルタだが、その分布はジュウサンウグイに比べると狭く、岩手県南部の大船渡湾から東京湾にかけての太平洋岸に限られている。

 

このうち東京の多摩川の個体群が有名だが、人の多い関東には近寄りたくないので、マルタを釣ろうとしたら、おのずと訪れるべき場所は福島、宮城、岩手のどれかということになる。

 

そんな限られた河川のうち、大きな川は、ジュウサンウグイでの経験から言ってマルタに出遭う確率が低いので、小さな河川に絞った。

 

そのうちの一本の川を2019年の秋に訪れ、河口から5キロほど上流のポイントで早朝から釣り始めた。

 

まずはジュウサンウグイで効果を確認済みの、マルキューグラスミノーSSのミッドナイトオレンジカラーのキャロライナリグで攻めてみた。

 

だがここの個体はスレているようで、第一投目でバイトがあった以外は全くダメだった。

 

そこで、ミミズの太虫の一部をエサにしたフカセ釣りに切り替えた。

 

すると一流し目からアタリがあり、小さなマルタが上がってきた。だがこれは胸にスレだったのでカウントせず。

 

その次の流しでもまた似たようなサイズの魚が釣れてきたが、今度はちゃんと口掛りしていた。写真を撮り、背びれの前方の鱗の数を数えると40枚はあり、マルタと確定。この個体が人生初物となった。

 

初めて釣ったマルタ、約17センチ

 

初マルタの俯瞰

 

初マルタの腹側

 

初マルタの別影

 

この後、似たようなサイズのマルタを二尾追加したところで河口へ移動。

 

 

上流では不発だったキャロライナリグでラン&ガンしてみる。

 

すると、あるポイントで触りがあり、その次のキャストでヒット!上がってきたのは尺物のサイズアップしたマルタだった。

 

 

対岸に移り、同じポイントを上流から攻めたところ、立て続けにマルタが二尾ヒット!

 

 

これで納竿とし、春の婚姻色シーズン中の再訪を誓ってこの川を後にした。

 

マルタの近影

 

同じ川で釣れたほぼ同サイズの尺ウグイ(下、背鰭前方鱗数32枚ほど)との比較。マルタ(背鰭前方鱗数40枚ほど)の方が若干鱗が細かいことがわかる。

 

2020年10月に1年前と同じ河口のポイントから釣ったマルタ

 

初マルタを釣ったスポットは春には釣れなかったので、その後婚姻色マルタを求めてあちこちの川を回っていたが、2023年春の遠征でようやく釣ることができた。婚姻色の赤みはひれにわずかに残るのみですっかり消え、黒みも褪せてはいるが、パターンはこれで紹介することができた。62.5センチで本当に丸太のようだった。グラスミノーSSミッドナイトオレンジのキャロライナリグをダダ巻きしていたらヒットした。それにしても、アリゲーターガーと同じような匂いがして、臭かった。