5月中旬に、ネット情報に基づいて道央にある某池へ初ヤチウグイを狙いに行った。

 

池へ到着し、まずは岸辺を歩いてみるが、岸辺には全く魚影がなかった。

 

移植されたものが繁殖せずに死に絶えたのだろうかと考え、釣るのを諦めて池を去ろうとしたが、その少し前に池の中に見えた魚群のことを思い出した。

 

フナだろうとは思ったが、もう一度確かめようと思い、群を凝視したところ、群から少し離れたところに、細めの魚のヒラ打ちが見えた。

 

そこで、岸からホリデー小継18尺全長を使ってキヂの断片をエサに振り込んでみた。仕掛けはハスウキのフカセで、ハリは秋田狐3号だった。

 

すると少ししてアタリがあり、上がってきたのは大きなキンブナフナ類だった。

 

その直後に障害物のより近くに打ち込んだところ、すぐにアタリがあり、金色に輝く、だが細長い魚が釣れてきた。期待通り、ヤチウグイだった! 諦めないでよかった。

 

初めて釣ったヤチウグイ、オス。婚姻色で体色の金色とヒレの赤みが強まっている。

 

初ヤチウグイの腹側

 

初ヤチウグイ別影

 

北海道に滞在する前は、ヤチウグイは幻と言われるほど激減していて、釣るには原野の奥深くまで行かなければならないと思い込んでいた。だが実際には都市近郊でもそれこそ谷地(やち)と呼ばれる湿地状の環境が残っている、あるいは復元された場所、もしくは山沿いの農業用ため池などでは必ずと言っていいほど見られ、優占種になっていて入れ食いで釣れた。他の魚種を狙っている時には邪魔になるほどだった。

 

後日エゾトミヨエゾホトケドジョウを狙っていて外道として釣れたヤチウグイたち

 

ヤチウグイの俯瞰。わりと幅がある。

 

ヤチウグイの頭部の俯瞰。孔が並んでいる。

 

アブラハヤの仲間だけあってヌメリが強く、手についたヌメリはやがて乾いてかさぶたのようになるほどだった。泥炭質の所に棲んでいることが多いので、浅場から釣り上げた個体にはさらに泥がヌメリに混じってやたらと手が汚れた。

 

ヤチウグイのハビタット