2001 年早春のオンタリオ州はグランドリバーでのパンプキンシードに始まり、2008 年夏のブリティッシュコロンビア州フレイザーリバーのホワイトスタージョンまで、足掛け8年かけてカナダ内水面の魚種百目に到達したわけだが、実質、百目達成を意識するようになったのは、2004 年の後半あたりからだっただろうか。

各年毎の釣った魚種の数を振り返ると、2001 年 14 種、2002 年7種、2003 年1種、2004 年 14 種、2005 年 41 種、2006 年 18 種、2007 年4種、2008 年1種と、2005 年はそれまでの4年間の総計 36 種を超える魚種を釣っており、百目を目指して猛ダッシュをかけた跡が伺える。だが結局オンタリオ州では計77種で終わり、百目達成は引っ越し先のカナダ西部に持ち越されることとなった。

ブリティッシュコロンビア州に移った後は、その魚影のうすさに落胆せざるを得なかった。ロッキー山脈を隔てて、こうも生物相が変わるのかと思った。もしサーモン類が遡上中に餌を摂るものだったら、ほとんどの魚はいなくなってしまうだろう、摂餌しないからこそ細々と生態系が保たれている、それほどのうすさだった。

州別の釣った魚種の数を見ると、オンタリオ州が 77 種、ブリティッシュコロンビア州が 20 種でアルバータ州が3種となっている。アルバータでの3種は、ブリティッシュコロンビア州では手頃な目 (もく) が尽きてしまったので、ロッキー越えの遠征をして釣ったものである。このことからも、ブリティッシュコロンビア州が fishless だということが見て取れると思う。

いやむしろ、オンタリオ州の魚種の豊富さが突出していたと言った方が正しいかもしれない。特に私の住んでいた南西部は、カナダでもここだけにしか分布していない魚種も多かったので、この土地に何年も住むことができたことはラッキーだった。これが他の土地だったならば、決して百目達成はできなかっただろう。また、タナゴバリを使ってかなり小さな魚も釣ることができたことも、百種揃えることに大いに貢献した。小は大を兼ねると言ったところか。

こうして長年かけて蓄積した、いつ、どこで、何が釣れるのかというデータは、私にとっては大変貴重な財産である。これから機会があれば再び大陸横断を、今度は西から東に向かって敢行し、アルバータ州、マニトバ州とオンタリオ州北西部などで目を増やし、かつ、季節季節の対象魚を今度は十分に堪能したいと考えている。