グレーリングと聞くとアラスカやユーコンというイメージを持たれる方も多いと思うが、ブリティッシュコロンビア州の北東部にもアークティックグレーリングは生息している。そこで、2006 年の8月上旬のロングウイークエンドを利用し、ピース地区のピースリバーとマレーリバー水域一帯でグレーリングを狙うことにした

金曜日に休暇を取り、朝出発して現場近くへは深夜に到着した。そこで車中泊し、翌日はまずピースリバーをチェックしたが、ブルトラウトマウンテンホワイトフィッシュ、ニジマス、レッドサイドシャイナーノーザンパイクミノープリックリースカルピンなどが釣れたが、グレーリングはヒットしなかった。そこでマレーリバーに移動した。

使用したタックルは、シマノの6フィートのライトスピニングタックル。4ポンドラインにヘラ改良スレ5号を全長ハリスでブラ ッドノットで直結し、ガン玉中2個を結び目より上に打ち、オリーブカラーのクラッピーグラブ SS サイズの頭からボディにかけてハリを通した。

マレーリバーに到着後、入水地点の橋の下を通って上流に向かった。橋のすぐ上流では岸の近くでブルトラウトがヒットした。その後はヒットもなく、曲がり角まで釣り上がった。その曲がり角はクリークの流れ込みもあり、かなりいい感じのスポットだったが期待に反してヒットしなかった。

曲がり角の少し上流に立ちこみ、一通り流心を攻めて反応なしの後、試しに流心の左脇を流してみたところ、何かが反応しているように感じたが、はっきりしないのでそのまま引いているとプルプルと感触がようやく伝わって来て、魚がかかっていることがわかった。難なく寄せてみると小さなマウンテンホワイトフィッシュだった。

と思ったが、よく見ると体側に黒い斑点が点在しており、グレーリングだということに気づいて思わず、「グレーリングだ!やったー」と叫んでいた。慌ててネットに収めた。

うまっこのブログ
初めて釣ったアークティックグレーリング、約 20 センチ


それにしても美しい魚体だった。まるで川の中を黒い宝石が転がっているような胸びれ周り、そしてその後に続く淡い赤帯。背びれと腹びれには赤い線が入り、ほんとに美しかった。この美しさに出会えるのなら、往復 30 時間の長距離ドライブも苦にはならなかった。




2007 年7月にマレーリバー支流でメイフライで釣ったアークティックグレーリング (同一個体)


サケ目サケ科 Thymallus 属。最大全長 76 センチ。マニトバ州北部からブリティッシュコロンビア州北部にかけてと、ヌナバット準州からユーコン準州にかけて分布している。無脊椎動物および脊椎動物食性。



アークティックグレーリングのハビタット