釣りキチ三平のカナダのサーモンダービー編の中で、三平たちがチャーターしたボートが低速で走れないためにトローリングで表層しか探れず、その結果キングサーモンではなくコーホーサーモンが釣れてがっかりというシーンがある。だが、実際には少なくともカナダの西海岸ではキングサーモンよりもコーホーサーモンの方がずっと人気が高い。

理由はいくつかあるが、なんと言ってもそのファイトの違いがまず挙げられる。キングサーモンはかかるとその巨体を生かしてズンズンと底へ底へと引き込むようなファイトをする。流れのある場所でフライリールでも使っていようものなら、流れを下られあっという間にバッキングラインまで全て出てしまい、走って追いかけたあげく全てを失うなんてこともあった。これに対してコーホーサーモンの方は、かかった瞬間からジャンプジャンプの連続で、ラインは左にあるのに魚は右でジャンプなどということもあった。とにかく派手なファイトで、人気が高いのもうなずける。

そして次にその食味の差が人気の違いのもとである。ソッカイサーモン (ベニザケ) には劣るものの、コーホーサーモンの身は赤みが強くてベニザケに次いで美味とされる。一方キングサーモンはいわゆるレッドスプリング (キングサーモンはアラスカでは春に遡上を開始するのでスプリングサーモンとも呼ばれている) は身も赤みがあってそれなりにうまいのだが、ホワイトスプリングと呼ばれる系統もあり、この身は白っぽいピンク色で見た目も味もよくないとされる。

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カナダブリティッシュコロンビア (BC) 州ハリソンリバーで釣ったキングサーモン (シヌックサーモン)


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同州キティマットリバーで釣ったコーホーサーモン


そういう私は実はまだどちらも食べたことがない。BC州では食べるためにサケをキープするには、一般の釣りライセンスの他に別途サーモンスタンプというものを買わなければならないこともあり、もっぱらキャッチ-フォト&リリースに徹している。