音において、基音よりも高い周波数方向に一定間隔で存在するものをハーモニック(倍音)と呼びますが、逆に下方向のものをサブハーモニックと呼びます。複数形だとハーモニクスですね。どっちが一般的な呼び方なのかは知りません。
倍音を扱うプラグインは昔から割と存在していて、特にオーバードライブなんかがそうですね。
逆にサブハーモニックは扱うのが難しいせいか、数は少ないです。今回はそんなサブハーモニックを扱うプラグインをいくつか備忘録的にメモ。
そもそもサブハーモニックは基音より下方向を扱うのですが、基音というのは最も低い音程という意味でもあるので基音より下というのは普通存在しません。ですのでサイン波などを合成して追加することもあり、「サブハーモニックジェネレーター」または「サブハーモニックシンセサイザー」などと呼ばれることもあります。今回は特に区別せずにサブハーモニックとうたっている製品をとりあげます。
あと、持ってない製品がほとんどなのでレビューとかではなく、本当にただの羅列です。
METRIC HALO Thump 2
古くからあるフリープラグイン。指定した周波数のサイン波を合成するだけのシンプルな機能。50Hzに設定したらひたすら50Hzの音が鳴る。操作がちょっと面倒だけど、それに目をつむればそこそこ便利。ただApple Siliconには非対応(Rosettaで動作)。
(追記)リンク先にはなんの説明も書いてないけどApple Silicon対応してました。少なくともPro Toolsでは動作確認。
https://mhsecure.com/metric_halo/products/software/thump.html
bx_subsynth
Plugin Allianceから発売されているプラグインで、検索するとほぼ上位に出てくる。定番。
bx_subfilter
上記製品からフィルター部分だけを抜き出したフリー版。ハイパスフィルターのレゾナンスを利用しているためPunchで設定した周波数より下は急激にカットされるので注意。
Unfiltered Audio Bass-Mint
Nomad Factory COSMOS
非常にシンプルで使いやすい。指定周波数をブーストするタイプ。ただし残念ながらApple Silicon非対応(Rosettaで動作)。
V3でApple Siliconに対応しました。
Leapwing RootOne
こちらもおそらく定番。生成されたサブハーモニックを合成するときに位相のずれを最小限にしてくれるらしい。欲しいけど高いので持ってない…
Waves Submarine
bx_subsynthをより扱いやすくしたみたいなUI。便利そう。
Waves LoAir
説明によると入力信号を1オクターブ下げてLPFをかけることで低音を作っているとのこと。上のSubmarineとは機能的にちょっと違うらしい。
SSL SubGen
存在を初めて知った。「入力信号を1オクターブ下げてフィルタリング」らしいので、やってることは上記のLoAirと同じ。でもLoAirよりもかなり詳細を詰められる感じがする。
(追記)英文を読み違えていました。1オクターブ下げるまでは合ってましたが、フィルタリングではなく「位相反転を利用してバイポーラ波形を生成」と書いてあります。具体的にどんな動作をしてるのかはわかりませんが、単純にLPFをかけて低音を作っているというわけではなさそうです。
Boz Digital Bark of Dog
レゾナンスフィルターを利用したフリープラグイン。残念ながらApple Silicon非対応(Rosettaで動作)。
他にも探せばいくつか出てくるけど、とりあえずこんな感じ。