【 「 右近俳句 」 作句法 】 | 高山右近研究室のブログ

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監修 右近研究家・久保田典彦
http://takayama-ukon.sakura.ne.jp/

 

     

 

Q. 「 髙山右近列福 」 に向けて、今、カトリック大阪大司教区で、

髙山右近に関する 「 俳句 」 などが 募集されています。

 俳句を作った経験がないのですが、方法を教えてください。

 

 http://www.osaka.catholic.jp/pdf/2016/160930youkou.pdf

 

A. 俳句は、17音で表現する 世界一短い定型詩ですよネ。

 

 「 俳句は、入りやすいが、奥が深い。」 ━━ と 言われます。

 心が しっかり入らないと、「 それがどうしたん~ ? 」 という

“ タダ物の 短文 ” になってしまいます。

 

 17音の短詩ですから、表現するのに、字数に限りがありますので、

 作者と読者が 共通して共感出来るものとして、

 日本の 四季折々の言葉である 「 季語 」 が 大切にされます。

 

 「 俳句は、季語 が入らないといけないのでしょう? 」

━━ と よく言われますが、

 “ 無季の句 ” を作ってみてください。無季であって、読む者と一体となって、深く共感出来るものを作句することは、むしろ、むずかしいことがわかると思います。

 

 「 季語 」 によって、詠む者 ・ 読む者が 一体となれる素地が備え

られるのです。

 そして、残りの10音余りで、どのように表現していくか ━ です。

 

 「 写生 」 とか 「 吟行 」 といって、そのものと、じっくりと 向かい合い ・ その場所に出かけて行って、しっかりと 時間と空間を共有し ・ 共感

していくことが 大切です。

 何を 心に感じていくのか。それを 書き留めていくのです。

 

 他人の作品である 絵や写真を見ながら、“ 俳句らしきもの ” を作ってみても、練習のためには そのような方法はあってもいいのですが、「 俳句 」 とは言えません。

 

 「 富士山 」 の絵や写真を見ても、それなりに感動はあるでしょうが、

 直接に 「 富士山 」 を目の前にしての感動とは、比べようがありません。

 俳句は、直接 見聞きして感じた感動を 表現していくものです。

 

 何しろ、17音の短詩です。

 他人の感動の借り物では、読む者には、すぐ “ メッキだ! ” ということが わかります。

 いつまでも 人々の心に残っていくものにはなりません。

 

● では、「 右近俳句 」 を どのようにして作ればいいのでしょうか。

 

 私は、幸い、髙山右近ゆかりの 高槻に生まれ、育ってきましたから、

 髙山右近が城主だった 「 高槻城跡 」 や 「 髙山右近像 」 があります。

 「 四季の 髙山右近像 」 を写真に撮りたいと思って、一年間、何かにつけて出かけて行きました。

 

 四季折々の、いろんな 花鳥風月と共にある 「 髙山右近像 」 を写し撮ることが出来ましたし、出かけて行った時は、

 「 一句 出来るまでは、帰らないぞ! 」

━━ と、自分に言い聞かせて、一句出来ると、推敲しながら、時間を取るようにしました。

 

 “ ちりも積もれば 山となる ”

 このようにして、100句以上の 「 右近俳句 」 が 出来ていきましたよ。

 

● 質問いただいた あなたも、

 ① 右近関係の場所があれば、出かけて行ってください。

 ② 絵や写真でなく、右近関係の 本や資料を、じっくり、

    時間をかけて 読んでみてください。

 

 ━━ そして、感じていってください。

 感じたことを、言葉を選んで 17音に まとめていってください。

 一回まとめてみても、まだ十分 心を表わし切っていないと思われたら、更に推敲していって ・・・・・・・

 自分なりに 満足出来る ・ これなら許せる、という作品にしていって

ください。

 

 すてきな 「 右近俳句 」 が 出来上がっていきますように!

 

        秋嵐  吹けど不動の 右近像

 

 

     

 

 

● 以上、作句する者が、これほどの思いで 作品にしていっている

わけですから、

 審査をされる お二人には、

 髙山右近に関して、同じようなこと ・ それ以上のことが 求められますよネ。

 

 今回の選者は、

  前田万葉 大司教

  稲畑汀子 ( 日本伝統俳句協会 会長 )

 の お二人ですが、

 

 髙山右近ゆかりの 高山にも ・ 沢にも ・ 高槻にも ・・・・・

 行ったことはないよ ・ そこで 何かを感じたこともないよ。

 髙山右近に関する本も、しっかり読んではいないよ。

 ━━ ということでは、困りますよネ!

 

 さあ、どうなのでしょうか?