【 ラウレス ・ 著 「 髙山右近の生涯 」 】 | 高山右近研究室のブログ

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監修 右近研究家・久保田典彦
http://takayama-ukon.sakura.ne.jp/

●  「 髙山右近の生涯 」 を扱った著作と言えば、

 

 ① 片岡弥吉 ・ 著 「 髙山右近大夫長房伝 」

              ( 1936年 ・ 昭和11年 刊 )

 ② ヨハネス ・ ラウレス 著 「 髙山右近の生涯 」

              ( 1946年 ・ 昭和21年 刊 )

 ③ 海老沢有道 ・ 著 「 髙山右近 」

              ( 1958年 ・ 昭和33年 刊 )

 

━━ が 必読書と言えるでしょうか。

 

 しかし、特に ① ② に関しては、古書店でも 手には入りませんし、

 たとえ、図書館に蔵書があっても、貸出不可 ・ 館内閲覧扱いに

なっていることでしょう。

 

 ということは、読みたくても 簡単には読めない、 ということになります。

 

 それに加えて、 “ 昭和も 遠くなりにけり ”

 昭和の著作なのですが、現代の人たちが すらすらと読み進めていくには、文体や 使用漢字など 文語体に近い文章で、たやすいことではないようです。

   

 

     

 

● 来年 2017年2月7日の 「 髙山右近 列福式 」 を前にして、

 もっと多くの人たちに、髙山右近のことが知られるように、との願いを込めて、

 

 ラウレス神父の 名著 

  「 髙山右近の生涯 」 ━ 日本初期キリスト教史 ━  が、

 やなぎやけいこ さんの 現代語訳で 出版されました。

             ( 聖母の騎士社 ・ 1080円 ) 

 

 原書が書かれた事情は、今回のものとは別ですが、

 

 1938年 ( 昭和13 ) に 「 髙山右近の列福請願 」 が、

カトリック 全国教区長会議で決議され、日本のイエズス会が その基礎調査にあたることになり、

 ラウレス神父 ( ドイツ人 ・ イエズス会司祭 ・ 上智大学教授 ) が、

 1940年 ( 昭和15 ) に、

 “ 髙山右近の生涯を 学問的に研究すること ” を 委嘱されました。

 

 ラウレス神父は、1941年 ( 昭和16 ) ~ 1945年 ( 昭和20 ) の

戦争中も ずっと、

 「 髙山右近の生涯 」 について 調べ、ドイツ語で執筆を続けられ、

 1945年 ( 昭和20 ) に、脱稿 !

 

 それを、京都外国語大学教授で、キリシタン研究家の 松田毅一さんが、日本語に翻訳され、

 翌 1946年 ( 昭和21 ) に 出版されたのでした。

 

 今回の分は、童話作家 ・ 聖人伝作家の やなぎやけいこ さんが、

依頼を受けて、

 一年以上かけて、根気強く 取り組んでくださり、ラウレス神父の文章を、わかりやすい表現に 現代語訳 してくださいましたよ!

 

● 毎週木曜日 10 ~ 12時、カトリック高槻教会で持たれている

「 髙山右近研究会 」 では、

 今週から、この本をテキストにして、学びと 話し合いの時を スタートしています。