Q. 戦国時代の 火縄銃は、どれほどの威力があったのですか。
A. 最近は、各種の銃を使って、おぞましい戦闘や事件が起こされ、たくさんの人たちが、毎日、世界の各地で 殺害されていっています。人が一人も殺されなかった ━━ などという日は、考えられないほどです。
銃は、自衛のためという以上に、他人を殺害するための武器です。
刀や槍、弓などで戦っていた戦国時代ですが、鉄砲という新兵器が入ってきたことによって、戦闘の様子が 大きく変わっていきました。
しかし、 「火縄銃」 でしたから、実戦に使っていくには、かなり 面倒な代物でした。
① まず、銃口から 火薬と鉛玉を入れ、槊杖(さくじょう) という棒で押し込みます。
② 次に、火皿に 口薬(くちぐすり) と呼ぶ細かい 黒色火薬を盛っておきます。
又、火打石で 火縄に点火し、火挟みに はさんでおきます。
③ ねらいを定め、引き金を引きます。
④ 火挟みが落ちて、火縄の火が口薬に移り、やがて 銃内の火薬に引火して 爆発し、鉛玉が飛び出します。
※ 一発撃つと、また同じことの繰り返しですが、火薬や鉛玉の装填には、慣れていても、30秒くらいは かかります。
● どのくらい 玉が飛ぶのかといいますと、500m ほどですが、それほど離れていると、当たっても、ボコッという程度です。
相手に 何らかの影響を与えることがないと 意味がないわけですが、200m くらいだと、鎧(よろい) がへこむ程度で、命に別状はありません。
100m ほどの近距離で、しかも 正確に命中させることが出来れば、相手を殺傷するほどの力を発揮することが出来ますが、命中率は 60~70%だったようですよ!
●「長篠の合戦」(1575年) で、織田信長は、まず 堀と柵を作り、その背後に 300挺の火縄銃をもつ 足軽隊を、100人ずつの 3隊に分け、次々、交代して 波状攻撃を繰り返し、刀や槍 ・ 騎馬隊を 主戦力とした 武田勝頼軍(1万5千人) に勝利していきました。