二人で過ごす初めてのバレンタインデーは、

偶然にも、お互い休みで、

お互いの家の中間地点で待ち合わせをして、

その後うっくんとお姉ちゃんが一緒に住むマンションに

二人で行くというプランだった。







その数日前






おねえちゃんが言った。




「うっくん。じょーくんと会うんなら、
バレンタインデーのチョコ作ったら?」




「えー。めんどくさい。(ーー;)」



「期待してると思うよぉ~。
私も一緒に作るから!ラッピングとかしてさっ♪
一緒に買いに行こう☆」



「うん♪じゃ、やってみる。」







どちらかというと、

お姉ちゃんとチョコ作りの為の材料や

ラッピング用の材料を二人で選びに行くのが

楽しそうだったので、乗り気になっただけなんだけど。







材料を揃えて、お姉ちゃんと作った。






高校の時に、

お泊り会で作ったチョコ以来の手作りチョコ。




なかなかいい感じに作って、

デコレーションもして、

冷蔵庫にIN









そしてデートの当日。






待ち合わせの場所に着いたのが少々早かったので、

近くにあるコンビニに行って、

ペコちゃんとポコちゃんのチョコを購入。





じょーくんと合流し、

うっくんの車に。




うっくんは運転しながら言った。



「あ。今日バレンタインだからね、

準備してきたよ。」




「やったー!」




「それ、そこにあるやつ。」



「・・・へ?」




「そこの、ファミマの袋」




「う・・・うん。」






袋の中にはペコちゃんとポコちゃんのチョコレートが

ラッピングもされずに無造作に入れられている。




$電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと







「・・・。」




「どーう?美味しそうでしょ。アップ




「う、うん。あ・・・ありがと・・・う。」




明らかにトーンダウンしたジョー君。




「なーに?気に入らなかった?にひひ



「いや、美味しいよ。(もぐもぐ)

でも・・・」




「・・・でも?」




「ちょーーーっとだけ手作り期待してたかなぁ~~笑

てきとーに選んだって感じで・・・




これはないんじゃない?(´・ω・`)」









「えー!かわいいからいいじゃん♪


仕事が忙しくってね。

ごめんね。それどころじゃなかった。」




「うん。わかっとーよ。

うっくんは忙しいけんね。忙しいけんね。」








自分に言い聞かせるように、

そういうジョー君。







・・・この落ち込みようったら(ぷぷぷ。


おもしろい。








数十分後、

うっくんのマンションに到着。





今日はお姉ちゃんも仕事が休みで家にいるのだ。





「おじゃましまーす。」




じょーくんは数回、このマンションに入ったことがある。


もう、だいぶ慣れた様子。





「じょーくん、お久しぶりねぇ~。
今日はけっこう早くに家出たんでしょう?
遠いのにこっちまで出てくるの大変よねぇ~。

たまにはうっくんも行ってる?」





「あ、はい(*゚▽゚*) 運転は嫌いじゃないし。
俺のとこ来てもなんもないし。いいんです。」





お姉ちゃんとじょーくんがしばらく会話していた。




数十分後、




「あ!じょーくん。

ちょっと冷蔵庫からジュース取ってきてくんない?」




うっくんが言う。





「うん。」




とことこと冷蔵庫に向かう。




冷蔵庫を空ける。




( ゚д゚)ハッ! と固まる。




「あ!! これ!!」



「え~?なに? ( ̄∀ ̄)」




「これ!!もしかして!!!」




「え~?なんかあったぁ~?」




「手作りチョコだ♪ 俺の!?(*゚▽゚*)
やったーーーーー」




普段、あんまり表情を変えないじょーくんが

心の底から嬉しそうに喜んでいる。




「あははははははは!!」

「あははははははは!!」




お姉ちゃんとうっくん爆笑w








そんなに手作りチョコが嬉しいのか。


作って正解だったなぁ。






「どーおー?気に入った?(・∀・)ニヤニヤ」



「うん。すっげー嬉しい。ありがとう。

もったいなくて食べられん!」





といいつつ早速ラッピングを開けている君は一体・・・( ̄◇ ̄;)






「どーー?おいしい?」







「うん。味はチョコレート!

石みたいやけど(*゚▽゚*)








((((;゚Д゚))))






喜び方も、感想も、

ま、まあ、正直でよろし(ーー;)






サプライズバレンタインは大成功。




感想がイマイチだったけど(うん、それは不出来だったからね)














どんなに嬉しくても、

どんなに舞い上がっていても、

どんなにロマンチックなシチュエーションでも、

正直な感想しか言わない。




それがじょーくん。
無言で手を繋いだまま、

ただ街をプラプラ。















すると、


人々の歓声や拍手がどこからか聞こえてきた。









二人で近づいてみると、

デパートの広場みたいなところで、

見たことないバンドのライブがあっていた。













その圧倒的なパフォーマンスで観客が一つになっていた。

ライブの盛り上がり方や雰囲気はウルフルズのそれに似ていた。











「僕たちメジャーデビューが決まりました!

今日ここから、また僕らは始まります!」




的なことをMCで言っていた。







ふふっ♪




あたしたちと同じだね。







あたしたちもまだ始まったばかりなの。

それも昨日ね。






あなたたちも、私たちも、

今から始まる。




今日ここでスタート組同士出会えたのも何かの縁ね♪





私、ずっとあなたたちを応援するわ





私たちと一緒に、成長しましょう!









勝手に運命を感じて、勢いでCDを買う。









ふんふんふん♪







上機嫌。







さっきのメロディーが頭の中、

ぐるぐるリピートして

ついつい口ずさんでしまう。







そんなこんなで

夕方になり、かおりんたちと合流










「うっくん、その歌なぁ~にぃ~?」




走り出した車の中でも、

無意識についつい口ずさんでいたようで。。。





「あ!これねぇ~!

さっき、たまたまライブがあっててね。

今日からメジャーとしての一歩が始まる

的なこと言ってたんだけど、すっごい良かった!」





「へぇ~!いいなぁ~!
私も聴いてみたかったぁ~☆」





「あ、CD買ってきたよ!今聴く?」




「聴く聴くぅ~♪」















「けっこういいねー。

デート中にたまたま居合わせて聴く音楽って、

二人の思い出の一曲になるよね~!

すごい思い入れがあるバンドになるっていうか。


特別な存在になりそうだよね!



ねー♪じょーくん。

二人の始まりの曲、いい曲じゃぁ~ん☆」













「別に。」










$電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと















「なんていうか、

鳴かず飛ばずで終わりそうな人たちやねー

って思いながらライブ見たけど。

インパクトに欠けるね。(真顔)」






「そ、そーおぉ~?私は割と好きだし、
ああいうライブパフォーマンスも好きだよ。

会場が一体になっててすごく盛り上がってたじゃん。」








「俺、いい曲だなと思った曲を好きになるだけで、

同じアーティストでも一曲一曲感想は違う。

アーティストを好きになるんじゃなくて曲を好きになる。

そんな風にしか音楽聴いたことない。

思い入れとかお気に入りのアーティストはいない。」










$電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと













流れを読め( ̄Д ̄;;












昨日まで、

『うっくんをポケットに入れて、毎日仕事行けたらいいのに。。』

なんてロマンチストなこと吐かしてたくせに、

途端に現実派!?








やっぱりなんだかわからない人・・・(ーー;)






つづく
「おはよぉ~」







$電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと






「お は よドキドキ





「なに~?ニヤニヤしちゃって。」






「昨日、きこえてたよ。」






$電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと






$電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと






「なーんちゃって。ウソウソ 笑

でも、そろそろよかったんじゃない?

いつまでも距離縮まらないし。

とくにうっくんたちはいつも会えるわけじゃないんだし。」







「そ、そうかなぁ~?

んー。まあ、そうだね。

意外な一面も知れたし、

ちゃんと信用できそう♪」









「例えば、じょーくんが初めてだったとか? 笑」






「んもぉ~~~!マモルくんでしょ!」





「あはははは!よかったじゃん☆

羨ましいよ。


二人は堂々とさ・・・

これからいっぱいデートできるんだもん・・・。

後ろめたさとかなく抱き合えるって

純粋に羨ましい・・・。」

















忘れかけていたけど不倫カップル。





寂しそうな顔。









でも、応援できない恋。









友達として、

何をどうしてあげることもできない。






もどかしい。






いや、でもそれ以上に・・・



マモルくんの奥さんに対する罪悪感がうっくんを襲っていた。







かおりんゴメン。





やっぱり、それって・・・



寂しいとか、切ないとか、



後ろめたさなく抱き合えるのが羨ましいとか思うことって・・・




やっぱ間違ってると思うゎ・・・。














寂しさと切なさの余韻を残しながら、

また、夕方に合流するまでそれぞれ解散。











「うっくん」



「んー?なぁ~にぃ~?」



「手、つないでいい?」



「いいよ♪」







手をつなぐ。








いきなりカップルつなぎ!?





\(//∇//)\










昨日のぬくもりを思い出す。

















かわいかったなぁ。



$電波系少女が普通のアラサーになるまでにあったできごと













あれは予想に反して

演技でもなんでもなく、

本当に”初めて”だった。

一生懸命な姿がかわいらしかった。










初めてじゃない自分が、

なんだか濁った大人に思えた。







今までの恋愛の中で、

初めて抱く感情。







さっきの、寂しそうなかおりんの顔を思い出す。



かおりんだって、結婚している彼を好きになったんじゃなくて、

好きになった人が、結婚していたってだけ。





きっと、マモルくんは

100%かおりんには向けてないし、

かおりんも、100%好きになれずにいるんだと思う。






彼が既婚者じゃなかったら、

きっと全身で、全力で好きになっていたんだろうけど、

気持ちのどこかでセーブしている。






私は、付き合った男の子が、

たまたま純粋な、チェリーボーイだった
(おいっ








どちらもたまたまなのに・・・




運命って残酷だなぁ・・・。












うっくんは、この運命に感謝しなきゃいけない。










これまで、年上の彼ばかりで、

どちらかというと、なにかと”リードされる側”だった。

彼氏と彼女なら、

そういうパワーバランスが当然だと思ってた。



でも、そうじゃない恋愛もあるんだとこの子が教えてくれた。








この子は、私が守らなきゃ。

誠実に、ちゃんと向き合おう。








うん。


誠実に。








”初めて”がうっくんだってこと、

後悔して欲しくない。









じょーくんはうっくんに

「ピュア」な気持ちを思い出させてくれた。

そしてこの時から

じょーくんは、うっくんにとって、



”これからもずっとこの子と同じように

自分も「ピュア」でいよう、

ピュアに恋愛をしよう。

ピュアに生きよう”



そういう純粋な気持ちを思い出させる象徴的存在になった。








つづく