◎ 浮輪浮遊録 ◎

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★「では、どうするか」が、視点のブログです。/ ★ 更新:【 第2 水曜 】、他・随時更新。(2010年9月15日 開設)

◆ 2019年4月から、月1回の更新(第2水曜)になりました。


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露宇戦争が起きた原因の一つは、米国軍産複合体による操り人形もかくやと思わせる現大統領の対宇姿勢にあります。

その評価は横に置き、露宇戦争は世界の大方の国々にとり取るに足らぬことです。

旧ソ連の構成国の内、中枢の欧露三国(ロシア、ウクライナ、ベラルーシ)の中の両国の疲弊を望む国は少なくありません。

特に、露宇両国に亡失領土を有するポーランドは、両国の弱体化は願ってもないことです。
また、ドイツにとっては、亡失東方領土の奪還は不可能としても、相対的影響力拡大の一環として、欧露中枢三国の弱体化は好ましいところです。

米欧各国によるこのような環境も、プーチン氏を勘違いさせました。

なお、今回のロシアの侵略を許せば次は近隣がドミノ化するとの声があります。
NATO等の軍事同盟非加盟国であれば、その可能性はあります。
しかしながら、それは、独自の道を選択した当該国の責任に過ぎません。
ロシアは対立する強大な軍事同盟と全面戦争するような胆力などありません。

したがって、これからのウクライナの目標は次になります。
まず、NATO加盟か、NATO有力国の駐留です。
次にロシアの独裁政権が弱体化するとともに、国連の平和監視軍の駐留を目指したいところです。

ロシアの侵略を思い止まらせるには、ロシアより強くなれば良いという極めて簡単なことです。
それは、有力諸国との軍事同盟であり、有力国のウクライナ駐留です。

そのために、露国籍人や露系宇国人が少なくないウクライナ東部地域の切り捨ても有力な選択肢となります。

露宇両国の戦争継続による疲弊は周辺国の利益になりこそすれ、両国にとっては未来を削ることにしかなりません。

露宇両国が戦争に疲れ果てること、欧米各国が援助に疲れ果てることが、新たな転換の始まりとなることでしょう。

 

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■露宇戦争の落としどころ
2023-12-13
https://ameblo.jp/ukhg2810/entry-12832315189.html
■ウクライナの最善手
2023-04-12
https://ameblo.jp/ukhg2810/entry-12798077007.html
■露宇戦争 諸事短評
2022-05-11
https://ameblo.jp/ukhg2810/entry-12742086302.html
■ウクライナの蹉跌
2022-02-09
https://ameblo.jp/ukhg2810/entry-12725782020.html
■地政学読みの地政学知らず
2022-11-09
https://ameblo.jp/ukhg2810/entry-12773560195.html
■明治とオランダ~国を選ぶとは
2022-08-10
https://ameblo.jp/ukhg2810/entry-12757951528.html

 

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◆過去の柵からの脱却

近年のアルメニアとアゼルバイジャンの戦いでは、ドローンによる戦果が注目されました。

そして、この度の宇露戦争でも、陸海空でドローンが著しい戦果を挙げています。

我が国もこの流れを学びたいものです。

しかしながら、これを阻害するものがあります。

組織再編によるポストの変動です。
また、兵器の調達先の変動と、付随する天下り先の変動です。
これらの変化は極めて大きな障害に他なりません。

しかしながら、防衛省制服私服と政権が本気を出せば、改革は出来るはずです。
百年以上前に日清日露両戦役のために、我が国が成し得たことを思い起こしたいものです。
本邦の、責任ある人士の奮闘を期待したいものです。

◆防衛関連企業の統合

現在の我が国のように企業の防衛部門は組織の一隅にとどまっていて、売り上げに対する比率は少ない企業が多くを占めます。
これは企業の防衛部門が経営に大きく寄与していないことを意味します。

我が国の防衛関連企業も、諸外国の軍事企業と伍してゆくためにも、陸海空の兵器廠に相応しい規模の企業を、国内企業合併や海外企業買収により実現させたいところです。

◆今を知るための派遣

戦争の実際を知るために観戦武官チームを一定数揃えたいものです。

また、平時の他国軍との相互研究にも潤沢な人員と予算を配分したいものです。

また、平時の軍事展示会は、官民合わせて積極的に参加したいものです。

万が一にも、「現在と未来」に乗り遅れてはならないのです。

◆防衛大学校以外の幹部養成

多くの分野で専門養成機関以外の出身者による出世は厳しいのが現実です。

教員や兵士等は戦前から師範学校閥や陸士海兵閥が、他校出身者の大きな壁となっておりました。

今すぐは無理としても将来的には、国公私各大学の一部にでも軍事系学部が増えていった場合は、防大との交流を深めたいものです。

古今東西より軍人が「過去にとらわれる専門バカ」となっていた例は多く、このようなことは繰り返したくないものです。

◆正面装備優先からの転換

同盟国が圧倒的に強力であれば、正面装備の配備は敵国への脅しとして意味はあります。

しかしながら、彼我の戦力に差が無くなれば現実的な備えが求められます。

◆諸分野継戦力向上

戦時の兵器弾薬の消耗は激しいものです。
このことは、備蓄だけではなく兵器弾薬の増産環境の整備が平時より重要となります。

また、兵器弾薬等は、これを適宜輸送できなければ意味がありません。
それゆえ、輸送機器や設備の抗堪性向上が望まれます。

また、兵器や施設等の損耗回避のために修復保全能力を大幅に増強したいものです。

そして、人員の傷病に対しても同様のことが言えます。
自衛隊の医師、看護師等を米国等の先進軍に派遣するとともに、国内医療機関へ派遣し経験をつませたいものです。

そのためには、医療関係人員の大幅な増員が必要となります。
なお、同盟国の先進水準に追いつくためにも資金投入が求められます。

◆プロパガンダ耐性

総合的国力の一環として、予国の拡充のために平時からの国際的活動は欠かせません。

一部諸国や本邦一部政党等の悪質なプロパガンダを無効化するための啓蒙が欠かせません。

なお、情報や索敵等々の大切さについては、論ずるまでもありませんので、今回はあえて割愛いたします。

◆当たり前のことが出来ないことが歴史の教訓

事が収束してから、なぜ当たり前のことが出来なかったのか、不思議に思うことが歴史には多々あります。

この原因に、過去の頸木から逃れられなかったともいえます。

この頸木は、プライドだったり、ポストや利権や閨閥だったりします。

しかしながら、今、現在に何が必要かという優先順位を間違えなければ、おのずと答えは見つかり、これを実行してほしいものです。

 

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昨今、二酸化炭素増加による地球温暖化防止のため、原子力発電増強を訴える人士を目にします。

その是非は横に置き、原発増強の理由に絞れば少々間の抜けた考えといえます。

原発はなぜ必要かについての、唯一無二ともいえる理由は平和のためです。

今、原発を保有する先進諸国が原発をやめれば、地球上で過酷な資源争奪が生じることでしょう。

現在の後進国が先進国並みに発展するには、現在の化石燃料だけでは足りません。
無理を承知で石炭や褐炭を利用しようにも、現在の技術力では二酸化炭素排出が激増し、地球全体の環境悪化を促進します。

また、風力や太陽光等の自然エネルギーは安定的な商業蓄電が実現していない現在は、あまりにも不安定かつ危険です。
そもそもが、災害等で風力や太陽光の発電施設が被災した場合の復旧は、施設の割に発電容量が低い性格上、相当の期日を要することも自然エネルギーの欠点といえます。

さて、先進国の原発政策の中では、ドイツが今後の動向は別として原発廃止へと舵を切りました。
ただし、ドイツの原発廃止については、フランス原発からの供給や将来的な東欧原発からの買電があるため、純然たる原発廃止とは言えません。

電力は供給されてこそ意味があります。
社会のあらゆるシステムが安定した電力供給を前提としています。
電力が供給されないことこそが、生存を脅かす事態といえます。

だからこそ現状では原発を止めるわけにはいかないのです。

なお、安全のためには、原発施設の過度な集中と分散は危険です。

その対処の一つとして、小型原発を団地化し各電力会社管内に配置する方法があります。

この利点は、原発団地内の各小型原発の点検時期をずらすことにあります。
大型原発の停止が重なり電力に余裕が無くなることを避けるためにも有効です。

 

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