
■ウクライナを見捨てるシナリオ
本日は、米国がウクライナを見捨てるシナリオについて述べたいと思います。
◆影の主目的は達成された
今般のロシアによるウクライナ侵略における米国の表には出せない目的の一つは、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの欧露三国(欧州圏ロシア系三国)を疲弊させることがあります。
特に、ロシアとウクライナが戦い疲弊することは、米国だけではなく第二次大戦後の対ソ(≒対欧露)亡失領土を持つドイツやポーランド等にとっては好ましいことです。
ことの善悪は一旦横に置き、露宇両国は国力を著しく消耗しました。
ここに、影の目的は完了したのです。
◆油田をテロ支援国から奪取することこそ最優先
米国にとって、ウクライナと世界各国の油田地帯のどちらが重要かは、言うまでもなく油田となります。
だからこそ、今般のベネズエラやイランへの武力行使を断行したのです。
したがって、これから米国が行うべきは、欧州から中東油田地域への勢力転換です。
速やかにロシアと対露支援国に対し厳しく締め上げるとともに、『西欧有力国のウクラナ駐留を前提』にした露宇両国への停戦強要です。
◆油田の行方
仮に、現イラン政権から石油関連施設等を奪取できたとしても、以後の安全な運営がテロ攻撃で遂行できないことは十分に予想されます。
その場合は、イラン宗教過激政権の石油収入を完全に遮断し、ホルムズ海峡封鎖等の国際法違反の軍事行動の資金源を壊滅させることが重要な目的となります。
また、核施設の壊滅とミサイル等投射兵器施設とその工作関連施設の壊滅も必要です。
なお、イランは山岳地帯が多く、いわば人口の多いアフガニスタンです。
真っ当な米軍首脳であれば、平定の困難さは認識しています。
前述の目的さえ実現できればイラン国内の混乱は想定内であり、民主国家育成など、冒険が過ぎることは避けたいものです。
そして、これはこれまでのイラン国民が選択した結果でもあります。
くれぐれもベトナムやアフガニスタン等の泥沼に嵌ることだけは避けたいものです。
◆見境の無い全方位攻撃
イランは見境なく、周辺国の米軍基地や共産中国が支援した港湾等に攻撃しております。
現在の西欧諸国は、ウクライナ支援に疲れ果てているため、中東地域まで勢力を向け難いとはいえ、湾岸戦争時の多国籍軍を呼び起こすようなものです。
イランにとって懸念されるのは、国内に跋扈するイラン敵対国に操られた偽装愛国組織による国内外への過激な蛮行です。
これは、先の大戦時の我が国が海外共産勢力に操られた偽装愛国報道業者による扇動に通じるものがあります。
イラン国内の過剰愛国勢力と偽装愛国勢力が、今後も勢力を維持できるかは横に置き、彼らが更なる暴挙に走り多国籍軍を呼び込むか注視したいところです。
◆究極の消耗戦
直接の当事者であるイスラエルとイランの共通点は、ともに妥協を許さぬ宗教原理主義者の影響が極めて強く、これを緩和する勢力が無きに等しいことです。
このため、イランはホメイニ政権以降、声なき多数派の内、優秀な人々は海外に脱出しました。
一方、イスラエルも声なき多数派の中の優秀な人々は欧米に去っております。
長い目で見て、これほど国家を棄損することはありません。
しかし、原理主義者が一定数を超えた場合は、歯止めが生じようがないのです。
現在、イランは弾頭クラスター化ミサイルをイスラエルに投射しているとの報道があります。
このクラスター弾のミサイル版は、善悪は別として画期的といえます。
弾頭に焼夷機能や徹甲機能を混成させた場合、有効な電磁シールド防御が無い現在、完全な迎撃は不可能です。
非核弾頭でも焼夷弾混成クラスターの場合、世界の乾燥地域にとっては存続を左右する危険なものとなります。
21世紀に先の大戦のドレスデンや東京の悪夢の再来も有り得ます。
イランとしては、虎の子の核施設や首脳暗殺を計られている以上、躊躇することはないでしょう。
一方、イスラエルとしては、イランによる同国への直接攻撃以外に、各国に広がるテロ組織への資金提供やペルシャ湾の第三国油槽船等の暴挙は、攻撃する絶好の口実となります。
こうなると、行きつくところに行く恐れは十分にあります。
特に国土が狭いイスラエルがクラスターミサイルにどこまで耐えられるか、または、イランのミサイル発射機能を無力化出来るか、注視したいところです。
あくまで仮定として、イランのミサイルを無力化出来なかった場合の、イスラエルの宗教原理主義指導層の決断は過酷なものとなるでしょう。
逆に言えば、当事者双方、もしくは片方でも惨憺たる未来に恐れをなし、第三国仲介による手打ちに望みを抱くことが解決の近道となるでしょう。
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