リリーが赤毛のことを好きになったって!? | 魔法石の庭ver.2

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スピリチュアル界と、ちょっとパワーストーンブログになっています。

 ちょこっと、昨夜、スピリット界に降りてきました。

 

 一応、今日は目的があったので、リリーを探して館内を歩き回りましたが、どうやらリリーは自室にいるようです。

 

 そこで、コンコンとドアをノックして、「リリー、いるの?」と声をかけると、すぐにドアが開きます。

「えっと、これからアルテミスに行こうかと思ってたんですが……」と申し訳なさそうに言うので、「え?あそこ、男性もいるよ?客として?」と聞くと、「いえ、裏で姫様と調理のお手伝いです」と言われます。オーナーである私が聞いてねーぞ!?

 

 で、「そう……じゃあ、あんまり時間ないってことか」と改めて出直そうかと思っていると、「いえ、私はあくまでアルバイトみたいなものですから、ちょっと遅れても平気です。かみな様と話をしていた、と言えば大丈夫ですよ。何かご用があるんですよね?」と聡いところをみせます。

 

 そうして、リリーの自室に通され、ふかふかのチェアに座ると、「さて……」と話を始めます。

 

「リリー、今、好きな人いるよね?」と、率直に言うと、紅茶の缶を持っていたリリーは、「え!?え、えっと……」と視線を泳がせます。

「隠さないで良いから。でも、私はそれが誰かは知らないから、噂とかじゃなくてリリーの口から真相を聞きたいの」と、私はハッタリをかまします。本当は、リリーに好きな人がいるかどうかも知りません。

 

 リリーは、「あー……うー……」と、うなったりすると、小さくこくんとうなずきました。

 

「やっぱり好きな人がいるんだね……誰?私の知ってる人?」と聞くと、リリーは何か決心したかのように、一度開けかけた紅茶の缶を戻して、私の対面のチェアに腰掛けました。

「その、ご本人にはどうか内密に……」と言うので、「うん、承知した」とうなずきます。

 

「実は……赤毛さんのことが……気になります」

 

 それを聞いた瞬間、私の方が今度は「え……え?」とうろたえてしまいました。

「え?赤毛って男だよ?リリー、男性苦手じゃん?え、本当に?」と、私はオロオロと手をぱたぱたさせます。

 

「ええ……確かに、赤毛さんは男性ですけど、赤毛さんとは不思議と普通に接することができるんです。今まで、男性が怖くて仕方なかったのですが、赤毛さんだけが平気で。これって恋なのかもしれないと……そう思いました」と、リリーはまっすぐに私の目を見て言います。

 ……いや。いやいやいや。すっげーことになってるぞおい。

 

「え、えっと、まあ、それは女性として幸せで祝福したいところだけど、赤毛が誰を好きかは知らないんだよね?」と聞くと、リリーは寂しそうに笑って、「好きな人が、今誰を好きかは、見ていればわかります」と今度はまぶたを伏せます。

 

うっわ……ということは、赤毛→姫様→リリー→赤毛 という、まさに三角関係勃発ですよ!どうすんのこれ。

 

 でも、赤毛、根っからの女好きだからなあ……リリーに告白されたら、オッケーするかも。リリー、巨乳だし、尽くすし、可愛いし。

 でも、だからって姫様と3P成し遂げたら私が成敗します。

 

「そっか……でも、赤毛の性格上、覚悟はしてるってことだよね?」と聞くと、リリーは「私は、2番でも3番でも構いません」と言います。

 ええ子や……ってか、なんでこんな良い子が赤毛なんかを好きになるんだろう。やっぱ、顔か?赤毛、黙ってれば中性的な美貌の持ち主だしな。黙ってれば。

 

「うーん、でも、そこまでわかってて……なら、仕方ないか。リリー、頑張ってね。応援する」と私が言うと、リリーは微笑んで「ありがとうございます」と頭を下げました。

 

 うーむ……しかし、アルテミス事情がえらいことになってきたぞ。赤毛は姫様に恋してて、それゆえに姫様がリリーのことを好きだってことは気づいてるし。今度はまさかのリリーが男性に恋をするとは。リリーには「応援する」って言っちゃったけど、それは姫様の失恋を意味するんだよねえ。困ったことになりました。