チャイコフスキー 交響曲第5番 + 祝♪ | いつも心に音楽を

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クラシックの名曲等やピアノ演奏、音楽理論などを中心に展開。
また、尊敬する若きピアニスト牛田智大さんを応援します。


数多のクラシックの作品の中でも、僕が大のお気に入りとしている曲を取り上げます。今回は牛田智大さんの演奏とは特に関係無し。
 

今回取り上げるのは 

   

    チャイコフスキー 交響曲 第5番 ホ短調 op.64

 

 

1888年に作曲、初演されました。

 

チャイコフスキーが大好きな作曲家です! と言えば、クラシック通の間では あなたは素人かい? みたいな目で見られがちだそうです(笑)

 

        

      

 

 

因みに、交響曲なら、ベートーヴェンやブラームスのが好き!と言えば

この人は クラシックの深遠さを判ってる・・・らしいのですが(笑)

 

 大作曲家の中でもチャイコフスキーのような美しく親しみやすいメロディで曲を埋め尽くす人は中々無く(親しみやすいメロディメーカーという点ではドヴォルザークと双璧でしょうか)

また、和声がとても美しく、流麗華麗で迫力あるオーケストレーションが魅力的なのも特徴と言えます。

 

                      

 

 

   チャイコフスキーには6作の交響曲があり、特に第4番 、第5番、第6番「悲愴」は、作風も大変充実した、文字通りの名作となっています。

 

 

自分は、第4番も第6番「悲愴」も好きです。特に「悲愴」は。

ただ、終楽章があまりにも悲しく暗い音楽なだけに、聴いていて気持ちがあまり高揚しない、という欠点があります。 

 

そこへ来ると、この第5番は、チャイコフスキーの「運命交響曲」と言われる、苦難と闘争→その後の勝利と歓喜を謳っているかのような内容です。 

こういう図式の曲、交響曲やコンチェルトはロマン派に沢山ありますが、

 

この作品ほど、聴いていて 襲い掛かるかのような暗い運命から這い上がっていって、堂々とした歓喜に導くき、全体が理屈抜きでロマンティックに分りやすく訴えかけてくる感じがのも珍しいかな、と思います。 

 

 

また、構成上の特徴として、この作品を一貫してい貫いているメロディー(動機=モティーフ)があります。 運命の動機 とも呼ばれていますが、第1楽章冒頭から現れ、第2、第3、第4楽章の中で、様々に形を変えて演奏されます。

      

               

第1楽章冒頭、 第2楽章中の烈しいファンファーレ、第3楽章ワルツの終わりに、そして第4楽章ラスト

 

 

 

       

   チャイコフスキー 交響曲第5番  ヘルベルト・ブロムシュテット  NHK交響楽団 2010年
 

 

 

   第1楽章 アンダンテーアレグロ・コン・アニマ ホ短調

 

 序奏つきのソナタ形式 冒頭から、「運命」の動機がクラリネットでスローに悲しみに満ちて始められます。主部に入っても憂鬱な印象の第1テーマが、クラリネットで、やがて金管を交えて荒々しく鳴り響きます。第2テーマ(上の動画で 5:45-)は長調で慰めるような優美さから、やがて頂点を付きます。展開部を経て、二つの主題が少し形を変えながら再現、やがて暗い静けさに消えてゆきます。

 

  第2楽章 アンダンテ・カンタービレ・リチェンツァ 二長調

 

たいへんに抒情的で、美しくメロディアスな楽章。前楽章の終止の余韻の上に、ホルンがソロで、優しくも感動的な主題を奏でます。(15:40-)この後オーボエに現れる第2テーマもまた素晴らしく、のちに弦楽器で朗々と歌われます。やがて頂点でファンファーレ群が「運命」の動機を荒々しく奏でます(21:34-)が、全体は美しくロマンティックで歌心に満ちた音楽です。

 

 

  第3楽章 ワルツ、アレグロ・モデラート イ長調

 

交響曲にワルツが用いられた、大変珍しい楽章と言えます。舞踏会風の優美なワルツ主題は、やがて早いリズムのパッセージと同化しますが、そこがまたとても効果的でしょう。楽章の終わりに、秘めやかに「運命」の動機が登場。

 

 

  第4楽章 アンダンテ・マエストーソ - アレグロ・ビバーチェ ホ長調 - ホ短調 - ホ長調 

序奏つきで、いきなり「運命」の動機が、弦楽器群で凛とした印象で始まり(33:38-)、短調の主部は激しく闘争的なテーマが全オケで絡み合いながら、やがて「運命」の動機が荒々しく現れます。複雑に絡み合いつつ激しさと情熱的なサウンドは頂点に全終止したかにみえ、ホ長調で勝利の凱歌のように「運命」の主題はがらりと変化し歌われ(43:03-)、堂々とした迫力とエネルギーの中で全曲の幕となります。

  

    

 

           

         チャイコフスキー 交響曲第5番 解説入り  藤岡幸夫  解りやすく興味深いです!

 

 

初演は大成功だったようですが、チャイコフスキー自身は、おおいに作為的な所がある、と自己分析もしていたそうです。 

 

堂々とした構成と、華麗なオーケストレーションの上にある極上のロマン、交響曲としての分りやすさもたいへんな魅力です♪ が、上の動画での”意外な解釈”には驚かされました!(追記)

 

 

 

        

 

 因みに牛田さん、かつてプレトニョフさんと合ったばかりの頃、ピアノを前に

”チャイコフスキーの交響曲を何か弾いてみなさい”と言われ、直ぐには弾けなかったそうですが、この作品はきっとお気に入りでしょうね♪

 

 

 

  

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 3月14日、牛田さんはデビュー8周年を迎えられました♪

 

 

      ㊗  おめでとうございます  ㊗  ☆彡  

     

 

   

        (追記: まあこさんのTwitterより お借りしました)

   

 2012年春、日本クラシック界はちょっとした話題に。

その演奏はまだ12歳とは思えない、完成された部分もありましたが、愛らしい容姿、面白いキャラクターも相まって、演奏以外の仕事も多かったですね。

 

あれから着実に演奏に磨きをかけ、レパートリーも増やされ

、一昨年は浜松国際ピアノコンクール2位となるなど、人気だけではなく、

紛れもなく実力派の仲間入りも果たされましたね。

 

思えばまだ20歳ながら8年もの長い間、思春期のむずかしい年頃も、脇目もふらずピアノと向かいながら、コンスタントに演奏活動されているのですが、

 

 

 今度の「おおいなる挑戦」

、彼が求めているピアノ芸術に対する妥協のない挑戦、自分の為のあくなき挑戦であるのでしょう。

 

どこまでも高みに上がり続けようとする姿、これからも応援していきます!