ショパンのピアノ音楽の中でも代表的なジャンルに入ると言われています、ノクターン(夜想曲)♪
牛田智大さんが、5月の新潟を皮切りにスタートする、オールショパンリサイタルシリーズ第2弾(?)の中でも、その第7番 嬰ハ短調を初披露されます。
※ 訂正 5月3日の新潟ではなく、4月11日名古屋のリサイタルからです ※
様々なタイプの曲想の違いはありますが、多くは3部形式で、穏やかなテンポの安らかな抒情性を
ショパン ノクターン第7番 演奏:アブデーエワ
ノクターン 第7番 嬰ハ短調 Op27-1
ノクターンの中では、比較的暗くまた部分的に劇的な曲。
空虚に始まる静かなアルペジオに支えられた哀愁の旋律、中間部では、暗い情熱を迸らせながら曲の表情も変えますが、再び元の静けさのテーマに戻り、やかて長調に転じ、穏やかに終わります。
ノクターン第2番 ショパンのノクターと言えば誰もが浮かべる超名曲
甘美なメロディは様々なジャンルにも広がってます、が、玄人筋には評価されない?
夜想曲とはいえ、「夜」を特別意識してない、とも言われていますが、その瞑想的雰囲気、なだらかなアルペジオ(ペダルをふんだんに使った)の上に優雅なメロディが奏でられる、というスタイルが特徴で、ピアノ音楽に新しいロマン的な方向性を示したといえます。
ジョン・フィールドの遺したノクターンの数は正確には判ってないそうですが、ショパンは、彼のこのスタイルを受け継ぎ、より一層、洗練された芸術的ピアノ作品群に仕上げました。
ジョン・フィールド ノクターン 第5番
牛田さんはデビュー以来これまで、第1番、第2番、第3番、第7番、第8番、第13番 第17番(うち第1番、第2番、第3番、第8番はアルバムに収録)を披露されてきました。
アルバム「献呈」では、デビューアルバムで弾いた第2番を補完する形で、第1番、第3番を収録
第1番 変ロ短調、第2番 変ホ長調、第5番 嬰へ長調、第8番 変二長調、第20番 嬰ハ短調(遺作)等が挙げられるでしょう。
これらの特徴は、なだらかなアルペジオやパターン化された伴奏形の上にも、美しく印象的なメロディが歌っているのが特徴と言えます。ジョン・フィールドのノクターンの影響を強く残している、と言えるかも知れません。
ショパン ノクターン第20番 遺作
いっぽう、年代が進むにつれ、内面性を重視し円熟した渋めな作風の、演奏もけっこう難しいものが多く見えてくるのも特徴です。これらはもはやショパン独自の世界と言えるでしょう。
第13番ハ短調、第15番へ短調、第18番ホ長調 などはその代表曲。
ショパン ノクターン第13番 演奏 チョ・ソンジン
ノクターン(夜想曲)という音楽ジャンルはピアノ曲を中心に、ショパンの芸術的作風のヒット以降、多くの作曲家によってピアノで、更にはオーケストラ小品等でも受け継がれる形で後期ロマン派ー近代でも生み出されてゆきます。
ピアノ曲では、フォーレは13曲のノクターンを残していますし、サティ、スクリャービン、プーランクもノクターンを 各々 5、5、9曲残しています。
牛田さんのデビューアルバム曲、リスト 「愛の夢」も、「3つのノクターン」という別名を持ち、広い意味のノクターンと言えます。
牛田さんも一時期披露し、アルバムにも収めた、チャイコフスキー 6つの小品から第4曲「ノクターン」も、儚げではありますが、このジャンルの代表曲となっています♪
チャイコフスキー 6つの小品より ノクターン 演奏 プレトニョフ
ピアノ曲以外の「ノクターン」の名作、ボロディン 弦楽四重奏曲第2番 第3楽章「ノクターン」
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新型コロナウイルス問題が深刻化していますが、
ここしばらくが更なる感染拡大か終息に向かえるかの正念場、とも言われていますが、日本各地でも多くのイベント、そしてコンサートの中止も相次いでいます。
牛田さんの2月29日 福島での、3月5日 東京小平でのリサイタルなども残念ながら中止となりました。
※3月5日追記
そして、楽しみに行く予定だった3月15日のザ・シンフォニーホールのリサイタルも中止となってしまいました・
こうなると当面、牛田さんのコンサートに行けないかも知れません・・・
残念無念