牛田智大 オールショパン・リサイタル in 大阪 | いつも心に音楽を

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クラシックの名曲等やピアノ演奏、音楽理論などを中心に展開。
また、尊敬する若きピアニスト牛田智大さんを応援します。

 

2018年3月3日(土)

ザ・シンフォニーホールで行われた

牛田智大 ピアノリサイタル  オールショパンプログラム

に行ってきました。

 

     

 

      

 牛田さんの初のオールショパン・プログラム!

 

事前のチラシ↓に載ってる曲目(予定プログラム)みて、あれ、少なめだなぁ~ と思ってまして、当日はこれに必ずプラス何曲かあると期待してましたが、

 

     

 

 プログラムは、その通り。  

 

え? 明らかに少な過ぎない?

 

だって、昨年秋のリサイタルシリーズの曲目から、

 

ピアノソナタ 第2番 エチュード2曲 シャコンヌ(バッハ) 平均律クラヴィア1巻3番(バッハ)が消え、スケルツオ第2番のみが加わる形・・・

 

  結局、前回よりショパン作品そのもののボリュームも減ったことに・・

 

この気になる明らかに少ないプログラムで臨むには、何か特別な想い、事情が重なり合っているのでしょう。

年初から、次々コンチェルトの演奏会が連続していて、新しい膨大なレパートリーをこなすのに大変だった事も、理由に考えられます。

 

 

   

           

 でも初のオールショパンリサイタル初回公演を、牛田さんの関西での実質、本拠地となっている、ザ・シンフォニーホールで開催されたことに感謝しつつ、開演を待ちます。

 

 ホールはかなりの大入り。

 

開演になり、颯爽と登場した牛田さん。やはり燕尾服姿。今後はこれが定着するのでしょうか・・・ 燕尾服姿もかっこいいのですが、何パターンかの衣装ローテーションは有って欲しいです。たまにはベスト姿なんかも再び見せて欲しいし。

 

    ♪ ショパン  ノクターン第17番 ロ長調 op62-1 

とても優しく美しく丁寧に音を紡いでいかれます。ノクターンというとどうしてもショパン作品中では軽いイメージがありますが、牛田さんはうわべだけを捉えず、ここでも音楽的にとても深く追求した演奏となっていました。

 

     ♪ スケルツオ  第2番 変ロ短調  op31

最初のリズム感、う~ん何だろ・・テンポも・・と思いましたが、流麗に流れていく部分になると、とても美しく惚れ惚れします! 中間部、思索的な和音の連続は、ゾクッとさせられる美しさ。でも技巧的なフレーズになると、またも重々しくなります。熱狂的なコーダは・・深みを出す為にでしょうか、リズム感やキレという点のみから聴けば何だか重たいまま(スミマセン牛田さん)・・。でも音には深みがあります。トータルにはかなり実験的な試みをされてるように感じます。 

 

    ♪ バラード第1番 ト短調 op23

 羽生選手が快挙を成した直後なので、どうしても意識して演奏してしまいそうですが、決して力が入り過ぎてなく、しかし牛田さんのカラーはそこの確固として有り、全体にバランス感覚がとても良いです。これまで何度も彼のバラード1番を聴きましたが、今までのどれともまた違った個性的な素晴らしさです。

 

      ♪ ポロネーズ 第6番 変イ長調 「英雄」

序奏、明らかに遅めです。少しづつテンポをあげられつつ、それでもたっぷりと堂々と奏でてていかれます。副主題は主部との対照もなかなか素晴らしい。中間部も遅め!(左手オスティナ―ト、昨年の高速も聴きたかったですが)ですが、より深く味わい深い音色も聴かれます。熱狂的になるコーダはどこか落ち着き払った感じで幕。

でも、もっと早く軽快に弾かれた前回のほうが個人的には好き☆ かな😊

 

 

           

        牛田さんFBより

 

 

                       休憩

                 

 

  ♪ ショパン 24のプレリュード op 28

 

昨年秋に聴いた時より、全体として、より個性的な表現が強まった演奏でした。しかし個性の強い要素と、オーソドックで端正な表現の度合いが程好く混じって、この作品をより自身のものにしてることは明らかです。あれからまた、この作品について更に研究されたことでしょう。

 

 第1番、いきなり個性的演奏!ですが、何曲かは息をのむ美しさも。4番 特にいいわぁ~♪ その後、概ね安定した流れが続いていく中で 15番 雨だれは、もう素晴らしいの一言!名演にも挙げられるでしょう!! 後半目立つ激しい短調の曲は16番をはじめ、情熱の迸りと、言い知れぬ重々しさも同居した、深い味わいもありました。交互にくる長調の曲の多くは牧歌的なサウンドで、一転してホッとさせます。ラスト24番 激しさの上に、情熱、悲哀どこかしら絶望感などが表現されながら、レの最低音を3回強く深く打ち鳴らし、全曲の幕。

 

 盛大な拍手にブラボーの声も聞かれます!

 

  再登場してすぐに アンコール

 

  ♪ショパン  小犬のワルツ 

こんな個性的な演奏は聴いた事ないです(笑)。かなりスローテンポで、フレージングも何とも独特。最後はpp(推測)で終わる・・ 名付けて「老犬の日向ぼっこ?」

     

        

            この頃とは、もはや違う曲を弾いてる印象です・・

 

 今日はアンコールも全てショパンを期待してましたが(「幻想即興曲」等弾いて欲しかったな)・・

  ♪ シベリウス 樅の木 

 グリーグ・コンチェルトの後で弾いて、その美しさの勢いのまま、情感たっぷりに奏でられます。今回も音色も極上に美しい! 

何となく、今後のアンコールの定番曲になっていく予感も。

 

  ♪ バダジェフスカ 乙女の祈り 

 お久しぶり~って感じ(笑) これまた個性的な面白い演奏!

と言うか、今どきのピアノリサイタルで「乙女の祈り」を聴けるのは牛田さん位でしょうかね。

        

        

            

 

 FBによると、今回のリサイタル、最初はかなり緊張してたそうですね。

 

初のオールショパンプログラム、演奏時間は短めだったものの、どれもかなり研ぎ澄まされ、弾きこなされ、どこか円熟味すら感じる内容でした。

 

 

 次のリサイタルでは、更に曲数等増やされて(ボリューム元に戻されて)また挑戦して頂きたいです!!

 

 

         

  

  

   サイン会 いつも通りにありました。

   場内での告知はなくても、既にかなりの行列(ザ・シンフォニーホールでは    外で)ができています。

 

 

       

          頂いたサイン   牛さんの目がどこか「伏し目」になっている・・・