福島駅前から10分ほどしか離れていないこの土地でも、夜になると空気は澄み渡る。
一軒家がの立ち並ぶ住宅街はひとかげもまばらで、ひっそりと静まり返っている。
路肩には先日降った雪が積み上げられ、歩行者は誰もいない。
凍った雪の塊を避けながら、ごはんおおもりは空を見上げた。
わたくしの住む町、神奈川の空とは比べられないくらい、細かい光の粒がそこにはあった。
流れ星でもあればいい。
そう思っても、空は静かなままだ。
首もとを風が吹き抜けていく。
まだまだ寒さ真っ盛りの2月。
きゅっと首をすぼめたくなる。
行きつけのスーパーの弁当を片手に、家に向かって足を速めた。
「あれからもう1か月か」
単身赴任を始め、あっというまに1か月が経った。
最初はあんなに悩んだのがうそのようだ。
実はこの単身赴任、三度目の正直だ。
この話はまた別に書くとしよう。
中学受験のバトン
あれから、二年が経った。
あの頃は、ほんとになにも知らなかった。
日能研に通えば、なんとかなるだろうと思っていた。
だが、その思いは甘かった。
なんとかなるとかそういうのは夢であり、希望だ。
現実はそんなに甘くない。
普段の勉強は遅々と進まないし、テストの結果は悲惨。
もっとできるんじゃないの?
なんでこんなのできないの?
期待値が高すぎたせいか、とにかくもがき苦しんだ。
今は、
「テスト頑張って来いよ!」
と送り出せるようになった。
スピーカーから流れるピアノの演奏を聴くだけで、自然とほおが緩む。
これまで娘たちがコンクールで弾いたピアノの演奏だ。
おおもりチャンネル、なかなか(・∀・)イイ!!
と自画自賛したくなる。
ピアノが、こんな形で役立つとは思ってもいなかった。
コンクールに向けて練習をしていたとき、毎日毎日とにかく練習をしていた。
一日一時間、連続してピアノの前に座ることなんか、当たり前だ。
休みの日は、狂気に近いくらい練習をしていた。
ピアノは、指の一つ一つで鍵盤を叩くが、単に叩けばいいのではない。
正しい音を叩きながらも、叩く強さ、叩き方がある。
ひとつ間違えると、それは致命的に全体の和を乱す。
弾いている間は、極限の集中力が求められる。
最高の演奏をするためには、日々の練習を欠かすことができない。
今じゃそれが、勉強に変わった。
一時間机に座って勉強をするなんて、造作もない。
毎日毎日ピアノと向かい合っていたのが、勉強に変わっただけだ。
何かを黙々とやるのは慣れている。
集中力を極限まで高め、一気に進めることなんか造作もない。
国語のテキストに線を引きながら、長女は問題を解く。
わたしは後ろ姿を見ながらふと思う。
――なにも変わらない。
ピアノで鍛えた集中力があるからこそ、
ゲームをしても、
勉強をしても、
一度世界に入ってしまえば、
キリがいいところまでやり続ける。
これがはな子最大の強みだ。
――どうして、信用できなかったんだろう。
子供はうそつきだ。
今さえよければそれでいい。
これは真実だと思う。
だが、ワルイ成績をとって困るのも、また本人だ。
――でも...
教えられるからこそ、手を出したくなる。
あれこれ言いたくなる。
それをぐっとこらえるのは大変だ。
いろんな葛藤を経て、やっとこの境地にたどり着いた。
2週間の塾休み。
いろんなドラマがあった。
第一志望校に入れた子もあれば、残念ながら縁がなかったところもある。
だがそれら含めて、すべてが縁だ。
来年の今頃、どんなドラマがあるのだろう。
帰りの高速バスに乗る時間だ。
冬の冷たい風が、
強く吹いている。
まるで来年の嵐を予感させるような冷たさだ。
駅に向かって歩く足が、
自然と早くなる。
以前、長女に聞いたことある。
「勉強、好きか?」
答えは聞くまでもない。
でも、今の長女ならばもう大丈夫。
死力を尽くした2024年組から、
2025年組へのバトン、
しかと受け取った。
これから最後の一年が始まる。
大変なこと、
つらいこと、
たくさんあるだろう。
わたしはそれらを全部、
――笑いに変えよう。
そして「はなまる勉強日記」を書こう。
それがわたしにできる、
たった一つのことだ。
さいごに
いよいよ中学受験の新学年が始まりますね。
今日は次女まる子(新小4)が初授業。
明日は長女はな子(新小6)が初授業。
皆さま、頑張りましょう!
さいごまで駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
ごはんおおもり
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