行き場のない気持ちも

光を探す

つっかえない出口を

見つけるまで転がる

ひねくれた気持ちを

滲み出すように

誰もいないところで

嘘をつく

知らない人に

思いを伝えようとすると


何も知らない

自分になる


先走る言葉が

唇を尖らそうとするから


知らないことを

知らないままで

歌にするよ

美しい景色の中に

吸い込まれてしまいたいと思う

草花の香りの中に

吸い込まれてしまいたいと思う

虫が鳴く声の中に

吸い込まれてしまいたいと思う

でも吸い込むのは

いつも自分の方

「きれいだった」という

感想文みたいな言葉に変えて

草はこれ以上茂ることはない

花はこれ以上乱れることはない

手入れの行き届いた都市で

ビルだけがすくすくと育っていく


朝もやのビルのてっぺんから

落下したように見えるのは

雫ではないだろう

君はあの日

妙に大人しく振るまっていた

来るべき時に備えるように

ここにない光の方へ

ただひたすらに駆けて行く

獣の四本足で

君はあの日から急に

姿を消してしまった

理由さえ闇に葬って

帰る土などない場所で

死体の臭いも残さずに

冷たい夜の道を君は

永久に駆けて行くつもりかい

しおりでは留めておけない

136ページの5行目から

飛び出していった影


僕が本を読んでいる間に

奴はまた遠くへ行ってしまった

ペラペラ漫画の速さで


どんなに僕が

全力で追いかけても

掴まされるのは

いつも残像だ


駆け出した

眼差しは

光を超え

鳴り響いてくる

鼓動は

闇を超え

全てを見失った後で

漂う空白の中に

心を見つけた

いえのなか

ごきんじょのなか

まちのなか

でんしゃのなか

がっこうのなか

かいしゃのなか

きゅうくつになって

へやのなか


まどをあげたときに

はじめてきづいた

ひろいせかい

「まだ食べたい」

くらいのところで止めるのが

丁度いいと分かっていても

まだ食べたいので

まだ食べる

一枚の紙に書かれた

切実な想いを

逃さず受け止めてください

私達があなたに送った

メッセージの意味を

わざと読み間違えないでください

当落じゃなく

数字じゃなく

あなたが語りかけ

手をつないだ一人一人を

思い浮かべてみてください

諦めきれずに

募らせた想いを

あなたの名前でしか

伝えられない私達の想いを

どうか知ってください