君の顔を知らない

だけども君を好きになる


君の素性を知らない

だけども君を好きになる


君の心を知らない

だけども君を好きになる


君が誰かを知らない

だけども君を好きになる


僕が誰かを知らない

だけども君を好きだと言える

どんな言葉も

口ずさめばたちまち歌になる

世界が旋律になってくれている


自分で歌った歌に

包まれている

悲しい時に悲しい曲で

元気になる不思議


歌い続けようとする気持ちが

自然と次の呼吸を導く

今度は僕が

新しいリズムになる番だ

人の言葉に

もっと身構えずにいられたならな

搾り出した笑顔に

ついてくるな影

もしも二人だけなら

俺たちはきっと幸せでいられた

罪も愛も

必要なかった

言葉かと思ったら

涙だった

愚痴みたいにこぼれていく


言葉かと思ったら

心だった

つぶやきみたいに漏れていく

隙間で埋め尽くされた部屋に

心はまだ実体を求めている


君がいなくなっても

たぶん僕は平気だろう

それは幸せなことだろうか


何かが途切れるように

ぷつり明かりが

消える


闇の中で

憎らしい明日を

抱きしめながら眠る

本当の

真実の

そんな言葉をつけなくちゃ

全ては本物にならないのか

何気ない

飾り気ない

そんな言葉をつけることで

既にさりげなくなくなっているのに

今伝えたい気持ちにのしかかってくる

形容詞が邪魔だ

「愛」っていうだけじゃ駄目か?

君に出会う前の

僕の始まり


僕が始まる前の

両親のはじまり


両親が始まる前の

祖父母のはじまり


祖父母が始まる前の

家系のはじまり


家系が始まる前の

人間のはじまり


人間が始まる前の

動物のはじまり


動物が始まる前の

微生物のはじまり


微生物が始まる前の

植物のはじまり


植物がはじまる前の

地球のはじまり


地球が始まる前の

宇宙のはじまり


宇宙が始まる前の

この世のはじまり


この世が始まる前の

始まりのはじまり


いくつの生命が終わろうとも

はじまりは

はじまることを止めない

心にしか存在しなかった壁を

作り上げて国境を隔てたのは何故?

冷たいプライドで何かを守った気になって

心にしか存在しなかったナイフを

持ち出して人を突き刺したのは何故?

他人の血で自分を語った気になって

心の壁を

心のナイフを

残酷な例えを

実物にしてしまうのは人

満たされない心を器用な手で埋めて

君がくれた言葉一つで

あと何m泳いでいられるだろう

嬉しい出来事の1シーンで

あと何m高く飛べるだろう


もうすぐだ

もうすぐなんだ

視界に小さな岸辺が飛び込む

そこに君が待っているのかどうか

分からないけど

新しい自分は

とっくに芽生えている

僕の心の奥底に

真っ白すぎて

見せることも

ためらってしまうけど

せっかちな時に

背中押されて

思わずさらけ出した

あられもない姿


どうも

はじめまして