サスペンスでもあり

コメディでもある

ノンフィクションでもあり

ファンタジーでもある

ホラーでもあり

アドベンチャーでもある

だけどラブストーリーにはなれない恋

19時 4時 11時

味気ない名前の時間に

空は味付けをする

朝 昼 夜

その味を手がかりに

僕らは時を思い出す

暮れゆく夕日の苦味が

地を打つ雨のしょっぱさが

瞬く星々の甘ったるさが

その日起きた出来事を

より深く刻み付けた

美しい思い出が

僕には必要だ

例えば少しずつ

嘘を帯びて

美化されていったとしても

小さな喜びを

最後まで舐め回して

乗り越える悲しみ

あなたと映った写真

コンビニで温かくなった弁当を

ベッドに座って食べている

これが僕の望んだ暮らしなのか

自立するってこういうものなのか

テレビではバラエティ番組をやっている

面白いことを言っているって

心では分かっているのに

口元はこわばって笑えないでいる

コンタクトレンズを外して

ぼんやりとした暗闇に包まれる

眠らない街の真ん中で

僕はひたすらに眠るのか

小さな庭に命が生まれた

自分の蒔いた種が

自然と花になった

季節がこぼした詩を

一年中見届けていたいから

ここにささやかな花壇がある

色とりどりの花が

太陽に残らずさらけ出される

この時を待っていた

たくさんの悲しみで

すぐにもこぼれそうなくらい

心に溜まった涙

最後の一押しをしたのは

あなたの優しさがもたらした

暖かな喜びでした

長い間閉ざされた

ドアを開くのは怖い

少しだけ開いたら

なおさら怖い

全部開こうか

思い切り閉じようか

ちらちら気にしながら

テレビを見ている

意味もなく文字を

書き連ねていったら

意味深になった

人から生まれた

人じゃないようなものが

人を変えていった

奇跡は瞬間でなく

ゆっくりと

未来図を塗り替える

そんな偶然を

待ち焦がれて人は

言葉を紡ぐ

世界という箱から

ひとつかみした

言葉を捧ぐ

暗闇があるから光を知った

日なたがあるから日陰を知った

代わる代わる変わる世界が

僕に順番に教えてくれた

目を閉じたときにだけ見える景色

耳を塞いだときにだけ聞こえる歌

失って始めて触れられるものがある

不安で成長していく街は

混沌と空虚さを併せ持つ

24時間タフに働き続ける

複雑でお手軽な情報網

高い高いビルの横に

もっと高いビルが建築中

見晴らしのよい窓を奪い合う

成功を確認するための

不安が支えている街で

人は必死で働いている

その必死さを見せないように

最上階から落っこちてしまわぬように