流れきれずに

淀んでいると

これじゃまずいと

焦りが募る


あまりにあっさり

流れていると

このままでいいのかと

疑問が浮かぶ


心を置いても

体を置いても

僕は流れてはいけない

あなたの海に

その震えは

激しくも

優しくもなり


寄り添われているようで

導かれているような

僕の感情


少し硬くなった指先が

奏でてる

途切れがちの旋律


君の心に

伝わっているかな

僕の震えが


恥ずかしげに

歌いだした

ギターの震えが

同じ時間を過ごした

それだけの人を

愛しく思える


たまたま出逢ったことが

どうしてかけがえなく思えるのだろう

離れたくない


あなたに再び逢えることを

願い過ごす遥かな年月

それはもう日常の一部

他人に

こう思われてるかもしれない

自分になりきる


自分の中で

出来上がった

自分を壊せない


心は

心が思うほど

自由じゃない


僕がしたこと

されたことに

僕は作られて


否定にも

肯定されて

僕は生きてきた

天を突き

地に

迫り


無遠慮に

膨らむ

覆い雲


空に

命は

昇っていったのだと


雲の深みで

まだ

暮らしているのだと


子に話す時は

信じて

言える

サソリの毒も

傷を癒す薬草も

自然が生んだもの


僕から自然に生まれた

得体の知れない悩みへの薬も

きっとこの世界にある


原っぱの上に寝そべる

何も答えはないのに

悩みはふかふかの緑に和らぐ

批判すれば

偉くなったみたいに


悪口を言えば

正しい側になったみたいに


時代という名の

正義を振りかざす

勝者のための敗者を作り出す


僕らは未来をも

消費して使い古す

飽きる速さを

競っている

香りから始まった

恋ではないのに

共に過ごした時間の香りを

まだ皮膚は覚えている


思わず溢れ出たもの

長い年月が染みこませたもの

重なる時間が心地よかった

どちらともなく

包まれていた


思いやりの仕方から

すでに違っていた二人も

空気では

交わっていられた

混じり合っていられた

別の何かに

なれるような気がしていた

言葉だけの

意味なら分かる


君がその言葉を喋ることで

意味は分からなくなる


君の表情が

辞書に載らない意味をつけ


僕の心が

言葉にならないものを

受け入れる


言葉の意味を超えて

その後に残る

君とただ喋りたい気持ち

隣にいるだけで

感じる温もり

君から滲み出る

優しさが空気になって


隣にいなくても

思い出せる温もり

僕に滲んだ

君の声