香りから始まった

恋ではないのに

共に過ごした時間の香りを

まだ皮膚は覚えている


思わず溢れ出たもの

長い年月が染みこませたもの

重なる時間が心地よかった

どちらともなく

包まれていた


思いやりの仕方から

すでに違っていた二人も

空気では

交わっていられた

混じり合っていられた

別の何かに

なれるような気がしていた