安全な死に方はある

安全な生き方はない

生きるという行為は

無防備なものだから

 

健全な死に方はある

健全な生き方はない

生きるという行為は

無鉄砲なものだから

 

完全な死に方はある

完全な生き方はない

生きるという行為は

無茶苦茶なものだから

 

攻めても守っても

隙を作らずにはおれない

生きるという行為は

大胆不敵

握手くらい

しとけば良かったろうか

最後を感じてしまえば

全てが後ろめたくなって


積み重ねた毎日が

虚しさに変わり果てても

この感情だけは

分け合うわけにはいかない

言葉を放つとき

誰もがきっと息を吐く

だけど人は吸い込みたい

言葉で呼吸がしてみたい

 

心を決めるとき

誰もがきっと息を飲む

だけど人は吐き出したい

心で呼吸がしてみたい

ひとつだけだろ

ふたつあるかも

かんがえた

かずも かぞえられない そら

 

かけらなのかな

すべてなのかも

みつめては

かたちも みせてくれない そら

見計らうほど

タイミングは掴めず

言いそびれてきた

 

一人歩きしかけた

想いをもう一度

握りしめ直す

 

君だけに知られたくなかったことは

君だけに伝えるために

今残されている

「私は幸せ」

いつだって心から

言う準備はできている

 

伝えるべき相手がいない

 

だから私は不幸顔

溢れかえる人波の中で

離れてしまって

どれくらいになる?

日々が長い

一日が短い


言いたいことが多すぎて

本当の言葉に

たどり着けない


この場所から

僕が何を叫んだとしても

遠くにいる君には

「さよなら」としか聞こえないね

分かりきったことを

分からないようにして

この部屋に三時間

 

恋人が去り

にわか雨が降り

それでまた二時間

 

明かりを消して

眠りに就いた途端

激しい感情が窓を開ける

 

約束など何もない二人だったのに

破り捨てたような痛みだけが

ここに残っている

向かい合うだけじゃ

くたびれ果ててしまう

僕には隣りという場所が必要で


押し寄せる不安に

流されそうな僕を

君の手は離さないでくれてた

確固たる意思はない

でも一歩一歩を

確かめながら歩いていた

 

時折見せる

深みのある微笑みに

誘われて

 

夜の暗闇から

微かにこぼれる光だけを

追うように

 

君の隣りに居続けようとして

僕はここまでやって来たんだ