小澤俊夫/監訳(「語るための グリム童話 1」) | 内田也子のブログ

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昨年末から読んでいた本があったのですが、図書館で延長できず、年末年始読むのにお手頃な本は無いかな〜とこの本を手にしました。


グリム童話って、結構残酷とも聞いた事があるし、ヘッセを好きだと言っているわりには私はドイツ文学を読んでもいないし、、と思いつつ。


夜眠る前に、1〜2ページずつ読み始めてみました。




「語るための グリム童話 1 」


監訳 小澤俊夫

再話 小澤昔ばなし研究所

絵 オットー•ウベローデ〈小峰出版〉

2007年 P188


「かえるの王さま」

「猫とねずみのとも暮らし」

「マリアの子」

「こわがることを習いに出かけた若者の話」

「おおかみと七ひきの子やぎ」

「忠実なヨハネス」

「旅芸人のいたずら」

「十二人の兄弟」

「兄と妹」

「ラプンツェル」

「三人の糸つむぎ女」

「ヘンゼルとグレーテル」

「白いへび」

「わらと炭とそら豆の旅」

「漁師とその妻」

解説


グリム童話集が最初に世に出たのは、1812年。

名もない農民の間でなんとなく語られていた話などを適当に集めて、メルヒェンという姿をなるべく保ちながら、目で読める物語としてまとめて、一冊の本にしたものでした。


日本には明治20年(1887年)東洋新報の記者の翻訳で「西洋古事神仙叢話」が最初に紹介されたようです。


解説によると、グリム童話集については、「グリム兄弟が、国中を歩いて、ドイツの農民たちが口伝えしてきたメルヒェンを集めたものである」と言われて来ましたが、近年の研究では、数人の物語提供者に依頼したお話を集めてまとめたようである、とわかったようです。

従って、シャルル•ペローの本で知った「長靴をはいた猫」「赤ずきん」「おおかみと七ひきの子やぎ」など、フランス系の家庭の子孫からの情報もあり、全てがドイツ農民の口伝えではなかったようでした。


それにしても、私たちが幼い頃、絵本でわくわくしながら読んでもらった本や、自分からページをめくって読んだお話が満載です。

自分は昭和の子どもでしたから、外国の物語は本当に珍しく不思議な世界でした。


この、「語るためのグリム童話」は、まさに声に出して読み聞かせするために研究された本のようで、言葉も分かりやすく書かれていました。


幼い子どもは誰かに本を読んでもらうのが好きですよね。そんな文化を継承したいという思いが込められているようです。


どこかで、読んだことがあるようなオチのある物語15作品でした。


「わらと炭とそら豆の旅」は、1ページくらいの物語なのですが、この組み合わせが、なんとなく伊坂幸太郎の小説みたいな気がしました。

わらと炭と、そら豆が仲間になっていっしょに長い旅に出かけます。途中橋の無い小川があって、そこを渡るのに、わらが横になり橋になるのですが、炭が渡るとわらが燃え、どちらも川に消えてしまいます。川にすべり落ちたそら豆は、岸に打ち寄せられ、そこに休憩していた仕立て屋さんは、はじけたそら豆を針と糸で縫ってなおしてくれました。そのとき以来、そら豆には、黒い縫いめがのこっているのですって。笑