アンディ•ウィアー(小説「火星の人」) | 内田也子のブログ

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本の裏表紙より抜粋

有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク•ワトニーを直撃、彼は砂嵐の中へと姿を消した。


ところが、奇跡的にマークは生きていた⁉︎

不毛の赤い惑星に一人残された彼は限られた物資、自らの知識を駆使して生き延びていく。(略)




「火星の人」


著 アンディ•ウィアー

訳 小野田和子〈ハヤカワ文庫〉

2014年 P574


火星に一人、死んだ者として置き去りにされたマーク•ワトニーが、黙々と一人で生き延びるために奮闘する、ほぼ一人語りのストーリーで、科学や物理や算数すら知識の乏しい私が読み進められるのか?心配でした。

しかし、分からない科学的な宇宙生活での可能性を、「そ〜なんだ〜」と思いながら読んで行くと、ワトニーの知識と工夫と行動力に、どんどん引き込まれて行きました。


そして、NASAが火星の映像にワトニーの生存を発見した時や、ワトニーがNASAと交信出来た時から、俄然面白くなりました。


そして、最後ワトニーを置き去りにした火星探査機〈ヘルメス〉がワトニー救出のために戻って来る展開は、ハラハラドキドキでした。


実は、私はこの小説が映画化された作品を見ていたのです。



2016年、リドリー•スコット監督の「オデッセイ」です。マット•デイモン主演でした。


なので、ラストの展開が小説と同じなのか?は分からなかったのですが、植物学者でもあるワトニーが火星にじゃがいもを植えて食糧確保の工夫をしたり、モールス信号を地球へ送ったり、という所々は覚えていました。


この本を読み終えて、もう一度「オデッセイ」の映画を見たくなりましたが、小説の方が臨場感や、一つ一つの小さな成功に感動があるように思いました。


あとがきから

この小説の出版経緯は、2009年作家志望だったウィアーが、自分のウェブサイトに一章ずつ無償で公開していた本書に、まとめて読みたいという声が寄せられ、ウィアーは推敲した作品に、版権のない火星の写真を表紙につけたキンドル版を作成しました。それが発売3ヶ月で3万5千ダウンロードを記録し、SF部門の売り上げトップ5に躍り出たのだそうです。そこで大手出版社と契約、映画化の運びとなったようです。


アンディ•ウィアーは、自己紹介に

「ぼくは正真正銘のオタク」と言っているようです。趣味は軌道力学の研究。いちばんいい暇つぶしは、ひとつの宇宙飛行計画をはじめから終わりまで、できるだけ多くの細部を正しいものにして想像すること。幼い頃からSFファンであり父親の本棚にあったアシモフ、クラーク、ハインラインらの著作を読みあさった。

長年にわたる宇宙オタクでもあり、相対性理論、軌道力学、有人宇宙飛行の話題に目がない。そうです。


そんな著者の作品ですから、面白くないわけないですよね。このように書かれた内容が実際は可能なのか?私の想像は及びませんが、ま〜宇宙でも地球でも、生命維持には『運』も大事かな〜?と、とても否科学的な私の感想でした。