鴻巣市市政施行70周年記念事業。
前回の記事で、当日は雨になるんじゃないかと心配していた「こうのす花火大会」。
1週間前の予報は曇り時々晴れであったが、火曜日には曇りマークのみとなり、水曜日には雨マークになってしまった。予想通りである。何しろ台風18号が例によってのんびりとしており、台湾の向こう側で足踏みして動こうとしない。1週間前の予報では5日には九州沖辺りまで来ていたはずだったが、台湾の南部でそのまま消滅してしまった。富士山より高い山のある台湾を超えるのは台風にとってもなかなかの難題のようだ(詳しくは「台湾 玉山」で検索)。
その結果、秋雨前線が日本上空に停滞してしまい、愚図ついた天候が続くことになる。5日の関東は前日までは雨後曇りとなっていたが、当日の予報では終日雨に変更され、どんどん悪化してゆく。
公式サイトによると開催可否を10時に決定するとのこと。10時過ぎに確認しようとしたらアクセス集中で重くてなかなか繋がらない。その結果、夕方には雨が上がる予報なので開催決定だそうだ。終日雨予報なのに強行して大丈夫か? 都内は本降りの雨で上がりそうにない。
荷物をまとめ、雨合羽を着て午後1時に出発。気温は低めだが、湿度が高いのでそんなに肌寒さはない。しかし北風なので行きは向かい風。吹っ掛け雨が顔に打ち付ける。
いろは親水公園(志木市)14時10分。郊外へ出て風が一層強くになり、早くも心が折れそうになる。
入間大橋(川越市)15時25分。近くの上尾市西貝塚環境センターの煙突は高さ80mほどだが、天辺が見えない。花火開催できたとしても何も見えないんじゃないだろうか。
上尾市西貝塚環境センターの煙突。入間大橋より
荒川サイクリングロードに入る。草刈りが終わってない箇所が多く走りずらい。いつもなら既に終わっているはずだが、今年は荒川も新河岸川もそのまま。資金不足、人材不足なのを感じさせられた。特にホンダエアポート~太郎右衛門橋は草ボーボーで全く走れず、土手下の側道へ降りざるを得なかった。
吉見町へ入り、さくら堤公園を行く。彼岸花が今頃になって見頃を迎えている。例年より半月くらい遅れているようだ。
さくら堤公園の彼岸花
吉見運動公園管理事務所のところから県道76号に入り、糠田橋を渡る。毎回のことだが駐車場へ入る車で渋滞している。橋から右岸を見ると何やら細かな物体が大量に置いてある。ドローンショーがあるようだ。ふと空を見ると、ずっと降り続けてきた雨がほとんど上がっている。公式の言う夕方には上がるというのは本当だったのだ。
ドローンショー会場。向こうに鳳凰乱舞のセットと4尺打ち上げ筒が見える
吉見会場
糠田第2会場
さて自転車置き場に着いて、会場へと向かう。自転車を置いたのが16時45分。向かい風雨天だったので予想以上に時間が掛った。早めに出発して正解であった。
糠田第1会場は、あちこちに水溜まりがあり泥んこ状態。正面の入口も大きな水溜まりで閉鎖されており、露店の左側をぐるっと回って入場しなければならなかった。
糠田第1会場
会場内は物凄い泥濘。1歩歩くごとに靴が脱げそうなくらいに足を奪われる。しかも滑るので、転ばないように気を付けながらゆっくり進む。
協賛席 凄まじい泥んこ状態
今回も協賛させていただいた。最小額なので席も最も後方。フェンス沿いに同じように「撮影したいために協賛」という人がずらっと並んでいる。
フェンス沿いの同業者
準備しているうちに、たまに霧雨が降って来る。傘を準備しておく。また北風なので肌寒い。雨合羽は着たままにしておく。
17時30分から花火が始まる。今回は都合上、3番目だったドローンショーを最初に開催することになった。このドローンショー、鴻巣とは何の関係もない東京ディズニーリゾート®のCMであり、各地の花火大会で行われているものだったので、当記事では割愛させていただく(Youtubeで「ディズニー ドローンショー」で検索すればいくつも出てくる)。歓声も凄く、このドローンショー目当てという人も相当数いたように感じた。
さて花火が始まる。雨はほぼ上がり、雲の高度もある程度上がり花火が十分鑑賞できる状態になった。きちんと予測した商工会青年部恐るべし。
カウントダウン「秋桜乱舞」
しかし湿度が高く、大気の密度が大きいため、風はあっても煙がなかなか動こうとしない。煙が薄くなるまで中断が何度かあった。
煙が濃くなってくる
これは最後から2番目の「黄金錦大乱舞」
終盤になってくると煙が逃げず、時間も押し迫っているので間隔も開けられず、煙の中に消えてゆく花火となる。ラストの「鳳凰乱舞」の前だけは念入りに時間を開けるが、果たしてどうなることやら。
鳳凰乱舞。何も見えない
千輪。「あーあ」と会場あちこちから溜め息が聞こえる
4尺玉。爆音が聞こえるだけ
鳳凰乱舞はやや離れたところに筒があるので、他の尺玉と比べて低く見えるため完全に煙の中。4尺玉も、音が聞こえるだけでほぼ何も見えない。
鳳凰乱舞のみはノーカットで載せてある。凄まじい煙をご覧あれ
終了後、まずおしっこタイムがあり(笑)、続いて退場する。上記にあるように入口が1箇所水溜まりで閉鎖されていたため、出るのに異常に時間が掛かった。20時終了だが、自転車置き場に戻ったのは21時近く。
三脚を縛って会場を後にしたのが21時11分。帰りは雨も上がり、追い風なので行きの辛さに比べたらずっと楽だった。しかし川越市へ入る辺りから再び雨が降り出した。以後、自宅に帰るまでずっと雨が降っていた。雨が上がっていたのは埼玉北部だけだったのだ。雨合羽着たままで良かった。入間大橋22時12分、いろは親水公園23時13分、自宅着23時59分、日付の変わる直前の帰宅だった。走行距離99.30km、平均16.6km/h。最短距離で走ると往復100km未満なのは意外であった。
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何はともあれ、無事開催されたこうのす花火大会。市政70周年記念大会という名目ではあったが、残念な結果になってしまった。だが主催の商工会青年部も、雨上がりの湿度の高い状態で強行するとこうなるのだと学んだことだろう。しかし順延すると人件費も増大してしまうので、可能ならその日のうちに済ませてしまいたいという考えもあると思う。判断の難しいところではないだろうか。
体育の日の週の12日に開催されもよかったと思うが、どうやら商工会青年部は「10月12日」という日にトラウマがあるようだ。そう、あの台風19号が襲って糠田運動場が水没した日だ(翌日の荒れ狂った川の様子はこちら)。
雨の日の花火は何度もあるが、間違いなく最も辛く厳しかった回の1つだろう。悪天候での強行については「第59回 立川まつり国営昭和記念公園花火大会」(※こちら)、「第30回 小江戸川越花火大会」(※こちら)も参照されたい。