第30回 小江戸川越花火大会 | 打ち上げ花火

打ち上げ花火

ド素人の花火写真・動画館。普段の身近な出来事も。
かつて筆者が運営していた「東京西北部の中小河川」
「東京西北部の送電鉄塔」の関連情報も掲載。

川越市市政施行100周年記念。
コロナ禍を乗り越え、各地で本格的な花火大会が復活しつつあるが、筆者の回りで1番乗りは川越であった。今回は入間川河川敷の安比奈親水公園での開催。ここは10号玉を上げられる会場なので、市政100年記念ということで尺玉100連発とか上がるんだろうと期待してしまう。

公式サイトには当初コロナ対策のため、市外からの来場は自粛願いますと書かれていた。そりゃないぜ~、と思ったものだが、7月末頃に再度アクセスしてみたら方針が変わっており、全席有料席になっていた。市民8,000人(100円)、市外2,000人(1,000円)。ちゃんと市外枠を設けてくれたが嬉しい。やはり公式サイトはこまめに確認した方がいい。

観覧席は4つのエリアに分かれており、Aエリア(打ち上げ最前線)、Bエリア(左サイド、サッカー場)、Cエリア(中央後方、芝生)、Dエリア(右サイド、芝生)となっている。最前線のAエリアは近すぎて撮影には全く向かないのを知っているので、中央後方のCエリアを狙う。

受付は8月3日正午より。平日だったので会社に断りを入れて仕事用PCで予約させてもらう。12時少し前から待機し、正午の時報と同時にアクセスしたのだが、既に重くてなかなかつながらない。数回繰り返した後、ようやくつながった。既に×になっているエリアもあり、A、Cエリアは市内、市外ともに既に満席。やはり中央で芝生のCエリアは人気あるのだ。しょうがないからBエリアで予約を取る。しかし住所氏名等を入力しているうちにタイムアウトになってしまう。次第に焦ってくる。再度挑戦。何とかBエリア市外枠の予約に成功。12:20頃には既に全席完売であった。予想以上の人気に驚く。

チケットは埼玉県内のファミリーマートで受け取ってくれとのことなので、6日に走った帰りに受け取る。市外枠を川越市内で受け取るのはかっこ悪いので和光市のファミマで(笑)。

その後、公式サイトにプログラムが公開された。4部構成、計10,000発。川越の花火では過去最大の玉数だ。しかしプログラムを見ると「スターマイン」「4号早打」ばかりで、10号玉(尺玉)などの大玉が見当たらない。安比奈は10号を上げられる会場だし、市政100周年記念なのに4号止まりか……と少々落胆する。

さて1週間前の13日、週間予報で当日は曇り時々晴れ降水確率30%と出たので一安心。しかし当日が迫って来るに従い予報が徐々に悪化してくる。木曜日までは曇り時々晴れ予報だったのが、前日には曇りマークのみとなり、夕方の予報では雨の降るところもあるでしょうとなってしまう。ニュースでは前線の通過のため全国的に雨模様なんて言い出した。当日朝の予報では曇り降水確率40%。北部(熊谷)は雨50%になっている。アメッシュを見ると、朝のうちから既に県内で降り出している箇所もある。予想以上に早く降り出しそうな感じだ。

「また雨の中の花火か……」。天気予報なんていつもこんなもんだ。「花火の日あるある」である。一眼も持ってフル装備で出撃する予定だったが、今回はコンデジで動画のみと割り切る。フロントバッグにカメラ他小物を、リアの荷台にコンデジ用小型三脚と雨合羽を縛り付けて出発。家を出て約20分、都立光が丘公園辺りで雨がポツポツ落ちてきた。すぐに本降りになってしまう。おいおい、降り出すのが早いんだよ。雨合羽着用。

今日は比較的涼しいとはいえ、この時期の雨合羽は堪える。筆者の使っている雨合羽はミズノの登山用のもので、コンビニ等で売っているビニール製雨合羽よりは遥かにマシなものだが、それでも少し走るうちに汗だくになって来る。東久留米付近で雨もほとんど上がったので、雨合羽を一旦脱ぐ。アメッシュ見ると降ってないのは東久留米~ふじみ野辺りまでで、川越付近は降っている。またそのうち雨合羽を着なきゃならないだろう。

 

雨の花火の日の装備品。フロントバッグ(レインカバー付き)にデジカメ、マイク、スマホ等、トップチューブバッグ(防水型)には工具類、パンク修理道具、リアの荷台に三脚と雨合羽を縛る。簡易泥除けは前後とも常に付けっ放し(ジャイアント エスケープR3 17年型)。タイヤはパナレーサー・グラベルキングSK+ 32c。未舗装路も安心して走れて、全面耐パンク層張りの頼もしいタイヤだ。ロードバイクみたいにピカピカに磨いたりしないから酷い汚れだ(笑)。(新座市、野火止用水沿い)

新河岸川沿いへ出て川越へ向かう。案の定、川越市へ入った辺りからまた雨が降り始めた。再び雨合羽を着る。新河岸駅近くの旭橋で小降りになったので雨合羽を脱ぐ。雨合羽と三脚を一緒に後部の荷台に縛り付けている関係で、脱着は意外と時間が掛かる。

市街を通ると時間が掛かりそうなので、不老川に沿って川越ICの辺りを目指して走る。南川越変電所辺りで夕方の防災無線の音楽「野ばら」(※こちら)が鳴った。花火は19時からだし、広い会場に1万人だから早く行って場所取りしなくても大丈夫だろうが、徐々に薄暗くなってくると時間が気になり始めるものだ。

 

会場へ続く入間川八瀬大橋への道は花火目当ての人で凄い渋滞。会場の対岸となる卸売市場の辺りを覗いてみた。ここも安比奈での花火がよく見えるスポットとして知られる。既に多くの人が場所取りをしていた。公式サイトにはなるべく現地へは行かないで自宅で配信を見てと書かれていたが、ちゃんと周囲は車両通行止めにしており、細かな点まで配慮されている。

 

卸売市場周辺

 

さて、会場へ向かう。八瀬大橋を渡る。橋の上流側の河川敷内は公式な観覧席ではないが、結構人が集まっている。左岸下流側は指定の駐車場となっており、ここへ入る車が多いため、R16の辺りから激しい渋滞が起こっている。

 

バーベキュー、川遊びしながら花火とかいいね~。雨さえ降らなければね。

公園北側の指定の場所に自転車を置き、会場へ向かう。今回は衛生上、飲食店の出店はないと公式サイトに書かれていたが、会場の外に何軒か店が並んでいた。
 

坂を下りた前方に会場が見える

 

入場手続きを行う。市内、市外に分かれている。再入場も可能なので、場所取りした後に一旦出場して外の売店で食べ物を買ってくる、という人も多かったことだろう。

 

入場門

会場に付いて、場所を確保して準備しているうちにまた本降りになってしまう。雨雲レーダーを見ると、今度は新潟の辺りまでずっと続いている前線本体の本格的な雨雲だ。しばらく止みそうにない。これから花火本番だというのに運がない。同じく本日開催の、都内でコロナ禍後初めての本格的な花火大会となる神宮外苑花火大会も雨の中での開催ではないだろうか。アンブレラクランプUC-6を準備して傘を差す。詳しくは「打ち上げ花火を撮影しよう(1)基本編」(※こちら)に挙げているので参照して欲しいが、雨の日の花火撮影に欠かせない、実に頼りになるアイテムだ。

 

三脚に傘をセットして雨に備える

19時から市長他の挨拶があり、15分から花火が始まる。まずはカウントダウン。あれ、カウント終わっても何も上がらないぞ……よく見たら正面に「川越市市政施行100周年」と書かれた仕掛け花火が点火されている。招待客席向けらしく、筆者のところからは豆粒のように小さくしか見えない。

その直後、いきなりワイドスターマインが上がる。位置調整で動きの激しく見苦しい動画になってしまったがご了承を。雨模様だが雲は高く、花火が雲の中に消えるようなことはない。風向きも夏場にしては珍しく北風で会場はちょうど風上になり煙も邪魔にならない。雨の日の花火にしてはかなり好条件だった。

今回は10,000発とあって単打よりもスターマイン中心。プログラムには4号玉としか記述がないが、スターマインには恐らく8号や10号と思われる大玉も混ざっており、見応え十分。

 

 

花火中盤、入場門を見てみると、まだ入場していない客が並んでいる。しかし一向に入場が進んでいる気配がない。彼らは入場券を持たない人たちだったのだ。花火に限らず、現地へ行けば何とかなるだろうと考える人は必ずいるものだ。この周辺のみ密集状態になってしまっている。入場門はもう少し手前の、上記写真の売店が出ている辺りに設定すべきだったかもね。

 

入場門付近に密集する人々

フィナーレは音楽花火。曲目は映画『トップガン』主題歌「Danger Zone」。今回は珍しくプログラムに使用曲が載っている。ノーカットではないがご了解を。今回音楽花火はこの1つだけであった。

皮肉にも花火が終わると雨が小降りになった。終了後、密集を避けるためにエリアごとに分かれて退場を始める。筆者のBエリアは入場門が近いことからありがたいことに最初の退場となった。自転車置き場へ戻る。三脚を荷台に縛り、自転車と一緒に置いてずぶ濡れになったヘルメットを被る。

徒歩の人はJR川越線・笠幡駅へ向かって歩いてゆく。同駅は短い電車が1時間に2~3本程度しか来ないローカル線。会場では既に同駅は大変な混雑になっているとアナウンスがある。全員帰るのに果たしてどのくらい時間が掛ったことやら。

そんな列を脇目に帰路に付く。現地発は21:05頃。安比奈の場合、新河岸川経由だと遠回りだし、何より街灯すらない真っ暗な道なので、帰りは狭山~所沢経由だ。県道260号を狭山方面へ向かい、柏原団地を左折しているまがわ大橋を渡る。R16までは激しい渋滞であった。

その後ホンダ狭山工場21:25頃、フラワーヒル(狭山所沢市境)21:45頃、所沢駅22:10頃、滝山団地(東久留米市)22:25頃、北原(田無駅近く)22:40頃、石神井公園駅23:00頃、自宅着23:22だった。総走行距離94.70km、平均時速17.8km/hであった。途中、また雨が降り出したが、もう帰りだし、多少の雨なら雨合羽着なくていいやとそのまま帰った。途中で雨脚が強くなることもあったが、今更雨合羽着るのも面倒なので濡れながら走ってしまった。雨の中、30km以上離れた会場へ自転車で向かい、帰りは真っ暗な道をずぶ濡れになりながら2時間以上走り続けるとか、俺も馬鹿な奴だなぁと自分で呆れてしまった(笑)。

何はともあれ、コロナ禍の中、やっと本格的な花火大会が戻ってきたという印象だった今回の小江戸川越花火大会。来年は恐らく伊佐沼での開催と思われる。次回は入場規制のない、以前の花火大会が戻ってくることを願っている。

なお、次の花火大会は「こうのす花火大会」が10月1日に開催予定(今年は3尺、4尺なし)。