<6月12日のポイント>消去法で最後は米資産か | 佐藤りゅうじの今宵もうっしっし~

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いよいよ今夜は米連邦公開市場委員会(FOMC)。市場予想では、金融政策は据え置かれ、ポイントはドットチャートや経済見通しとなるとみられています。今年、利下げは1回なのか2回なのか、それとも・・・。週末には、日銀金融政策決定会合も控えており、今夜から中銀の話で相場は短期的に大きく動きそうです。
 

ただ、仮にドットチャートで年内2回の利下げが示唆、日銀金融政策決定会合では国債買い入れの減額が決定され、ドル・円が円高方向に振れたとしても、それが中長期的なトレンドになるのかは疑問が残ります。もちろん、日米の金利差が極端に縮小する可能性が低いこともありますが、それ以上に政治的・軍事的な緊張がマーケットに及ぼす影響が大きくなってきたためです。
 

ご存知のように、欧州議会選挙では、極右政党を含む中道右派政党が躍進しました。これを受け、マクロン仏大統領が解散総選挙に打って出たことで、仏国民議会選挙の1回目の投票は今月30日、決戦投票が来月7日に実施されます。その間の7月4日は、英総選挙もあります。そして、秋には米大統領選があります。また、軍事的にはパレスチナ問題だけでなく、台中、南北朝鮮なども緊張度が増しています。
 

このような状況の中、リスク回避として最初に触手が伸びるのが、実物資産であるゴールドです。各国中銀が金準備を増やしていることをみても明らかです。では、次に何かとなれば・・・、やはり米債や米ドルではないでしょうか。
 

確かに、米景気は減速している可能性があります。また、米国はかつてように世界の警察ではありません。ただ、それでも米債や米ドル以上の安全資産があるかと言えば、見当たらないのも事実です。消去法ではありますが、世界的な緊張が続く中、経済的な要因から米債や米ドルが短期的には売られることはあっても、中長期的には買い拾われていく可能性が高いように考えます。
 

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