<5月10日のポイント>半値戻しで一服も下値も堅い | 佐藤りゅうじの今宵もうっしっし~

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半値戻しで一服。きのうのドル・円はそんな相場でしたね。欧州時間に155.95まで上昇しましたが、4月29日の高値160.17から5月3日の安値151.86までの下落のほぼ半値戻しとなる156円目前で切り返されました。「半値戻しは全値戻し」という言葉がありますが、節目ということもり、同水準は様々な思惑が交錯したようです。
 

ただ、4月29日の介入をきっかけに5月3日には151.86まで下落した相場が、4営業日後には156円目前まで戻したのをみると、介入効果は2022年10月に比べると、大きく落ちているように感じます。イエレンさんから介入について否定的な発言が出たことも、円売りを誘発しやすくしたのかもしれません。
 

マーケットでは、介入効果について否定的な見方が多くみられます。2022年10月の介入時も、相場がもっとも大きく動いたのは、介入時ではなく、11月に発表された同年10月の米消費者物価指数でインフレ高進の減速が確認された時です。やはり、相場のトレンドが変わるにはファンダメンタルズの変化が必要のようです。
 

その意味でもっとも注目されるのは、日銀の利上げです。介入効果が限られるなら、日銀だよりになります。一部では、今年、日銀が0.25%の利上げを3回実施するとの見解も出てきました。ここ数日のマスコミ報道などをみると、岸田さんは、植田さんに円安対策を迫ったようです。主要国が利下げに舵を切る中、日銀が為替対策として性急かつ大幅な利上げに動けば、日本株だけでなく、多くのアセットクラスが水準調整を余儀なくされ、最終的には日本売りに繋がる可能性もあります。本当に年内に0.75%もの利上げができるのか、ちょっと疑問です。
 

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