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昔から言われているように、
「犬が人を噛んでもニュースにはならないが、人が犬を噛めばニュースになる」
のです。
岡山大学でも東京大学でも入試は大きく変わったと言わなければ、誰も報道してくれません
昔のことです。岡山県の県立高校学力検査(以下「県入試」)の問題の傾向について聞きたいという連絡が、あるテレビ局よりありました。
「いつもどおりでした」
では「報道」にはなりませんよね。
英語の講師は、「特別な問題は出ていません。いつも通りの問題です」
と答えたので、テレビ放映では一切カットされました。これでは報道しようがないので、
後で放映を見ると「(発音問題が増えたということで、)話す力、聞く力を問う問題が出題」と、マスコミは「捏造」していました。英語の担当講師はそんなことは一言も言っていません!居合わせました。
一方で、私は、県入試については役不足・守備範囲外ですので、それまで一度も見たことがありませんでした。
そこで、過去10年間の問題をざっと見て、10分間で分析が終わりました。
もちろん、その年の県入試に特徴的な問題を探したのです。
すると、
「実際にグラフを書け」という問題が、その当時から過去10年間にわたって出題されていなかったことに気づきました。
念のため、受験生の携行品の中に、「定規」という品目があることも、確認しましたうえで
「過去10年間において、「実際にグラフを書け」という問題が出たのは初めてです。いやー。びっくりしました、受験生の多くはとまどったのではないでしょうか?来年以降の受験生は携行品を確認することが大切です。」
と申し上げました。このように主観と客観を上手に、混ぜ合わせるというのがマスコミの常套手段ですので、それにのれば、マスコミも嘘をつきやすいからです。
例:福島県で・・・町において・・・研究所の調査によれば・・・・シーベルトの放射能が…日午後・・・時に観察されたと政府が公式に認めた。(ここまでは100%客観的事実) これに対して・・・大学の教授からなる委員会は、直ちに健康に被害をもたらすものではないとの見解をだした。(見解は100%の主観)
もちろんマスコミは、私の話に飛びつきました。当時のテレビ・ニュースより。
東京でも、中学受験塾に勤めていると、マスコミが正月特訓の取材をしたいといった連絡があります。その時にマスコミが必ず聞いてくるのは、
「生徒たちは、鉢巻をしめているか?」ということ
正月特訓とか言ってハチマキを締めてエイエイオーとかやらないととマスコミが取り上げてくれないんです
中学受験塾講習でマスコミが来るのは必ず夜です。
絶対に昼間の授業は取り上げません。
実際に灘中学に合格した生徒にこんなことをして合格すると思ってるのかと聞いたら、あれはネタですからと言っていました。こういう動画は学習塾が広告会社に委託して作っています。カメラアングルとか編集の仕方を見ればプロじゃなければできないということは明らかですよね。
岡山大学の入試問題については、全国的には、地元の新聞しか取り上げません。
本当に岡山大学入試を分析しているのは、ごくごく限られた人間なのです。
そこで予備校関係者が、
「例年通りの出題でした。特に対策の必要もありません。学校の授業をきちんと聞いていれば問題ありません」
などと答えるようなことは、まずもってありえませんよね。
ですから、
「今年の岡山大学の入試問題の傾向は、ちょっと変わるのではないか」
と言えば、事実とは無関係に、新聞を読んだ人には、「**予備校の予想が当った」と、勝手に解釈してくれるわけです
「英語では「発信力」を問われる問題が重視される傾向にある」とか、
「数学では、ただ単に公式だけが通用しない問題が増えている」とか。
このように言っておけば、岡山大学の入試傾向は、事前に100%当てられます。
マスコミが取材に来たら、中学受験は加熱している。今の小学生は受験に追われていると言わないと報道されません。英語についてはますます生きた英語(生きた韓国語とか使える中国語って言わないわけです)が必要だと言わないと報道されません。
数学については、単なる暗記ではなくて、考える力が問われる問題が増えていると言わなければ報道されません。
もう数十年前から言われていることです。
中学受験専門塾(専門塾と言うのは誰でも名乗れます)に行って取材をすれば、ますます中学受験は大変になっていると言うに決まっています。