L.R.Baggs iBeam 修理&ミニエンドピンジャク接続化 | RE/F-TECH の足あと by u-tak

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RE/F-TECHとは、ビンテージ、アンティークをこよなく愛するミュージシャンu-takが、
旧き良きギター、アンプを中心に、修理、カスタムする小さな工房である。。。
子供たち(子役)の成長記も、ぼちぼちとお届けします。

ようやく春らしい気候になりましたね!

 

4月から新しい環境になった方々も、少し慣れてきた頃にGWになりホッとしたのも束の間、GWが明けて本格稼働になり、色々と思うところがあるのではないでしょうか?

 

我が家のメンバーも、ね。

 

 

 

さて、「いつでも時間のある時に直せるかどうか見てみて・・・」と言われていたiBeamのピエゾPU部分をようやく修理しましたのでログに残します。

1年以上、近くお待たせしたかも。。

 

初期状態はブーと言うノイズが大きく、PUの取り付け面をタップしても、アンプの音量を上げると微かに音がしていると言う感じです。

 

ピエゾPUは設置が悪いと、この様にブーと言う低周波の発信の様になることがありますので、PU内部での取り付け状態が良くないと思われます。

 

でもメーカーでは修理してくれない部分ですので、、、

良い子は修理のマネをしないで下いね~(笑)

 

 

さて、内部の構造が分からなければ修理できるかどうかも分かりませんので、先ずはどうやって内部を損傷しない様にPUを開けるか・・・

樹脂のケースを隅々まで良く見ると、PUの長手の、本体上部の両サイドの内側に、接着痕があります。

 

反対側にも。

両サイドまでは行っておらず、中央の4~5cmだけが接着されている様です。

 

恐らく樹脂ケースですので、超音波溶着されています。

ここにカッターを入れて剥がします。

写真はスマホを首から下げて動画や写真が撮れると言う100均グッズを使って撮影してみたのですが、画角が難しく上手く撮れませんでした。。

実際はもっとカッターの刃をケースに沿う方向に立てて、ケースの内癖に沿うように切っています。

 

下の写真は片手でスマホを持ってイメージ撮影。

こちらの方が実際のカッターの角度に近いです。

まあ、そんな事はともかく、ケースの両辺を剥がしてケースをこじ開けます。

 

思った通り、開きました!!!

写真の左側が開いたケースで中は空洞です。

 

一番右はリブの付いた台の様なもので、ブリッジ裏に貼られて弦振動を拾う部分です。

その上(写真では左面)に薄くて細長いピエゾPUが固定されていて、その上にリード線を避ける様にスポンジが両サイドに貼られています。

 

このスポンジに結構厚みがあり、ケースを閉めると押し返されて開いてくるくらい反発してきます。

 

逆に言うと、ケースを閉めるとピエゾPUをしっかり押さえつける感じになっています。

 

この状態で問題無いかアンプにつないで確認。

ピエゾPUは抵抗値が高い(絶縁に近い)ため、テスターではコンディションが確認できません。

そのため、常にアンプで音を確認しながらの作業になります。

 

なお、上の写真はクリップコードでシールドにつないでアンプに接続していますが、この部分がブーと言うノイズを発してしまいますので、その辺りを考慮しながらチェックします。

マネをされる方は、シールドでの接続にしないとダメですよ。(笑)

 

結果的に、この時点ではブーと言う音の状況に、初期からの変化はありませんでした。

 

そして、ケースを開けると台のブリッジ裏への貼付け面をタップしても音が出なくなりました。

 

???と思いながらケースを被せて指で押さえ込むと、ブーと言う音の中にタップ音が聞こえます。

スポンジでピエゾPUを押さえるところに何か構造上のポイントがある様です。

 

ノイズの原因を調べるため、アンプに接続したままで、あちらこちらの状態を確認して行きます。

 

先ずは下の写真の様に、片側のピエゾPUの端が浮いています。

しかし、その向かい面には板がありその板は写真の下側の台の部分に貼り付けられており、この浮いた面は接着されていない様です。

 

しかし、逆側はくっついています。。

写真では分かり難いですが、ピエゾPUの上に貼られたスポンジの端が、ピエゾPUの写真では左端から少しはみ出し、スポンジの端が台に貼られてしまっている様です。

これを剥がすと、アンプの音量を上げた時のブーと言うノイズのレベルがかなり下がりました!!!

 

と言うことで、スポンジも外してみます。

スポンジの粘着面が、かなりしっかりピエゾPUにくっついていましたが、何とか再利用可能な状態で剥がすことが出来ました。

 

下の写真の基板の様に見えているのがピエゾPUの部分です。

リード線を挟んで中央寄りに2か所、ネジ留めされています。

これは星形の特殊なネジですので開けることが出来ません。

 

リード線の左側のはんだ付け部分はプラスの信号ライン。

ネジ留め部分はマイナスの信号ライン。

 

ネジの更に外側の左右にパターンが延びてハンダ付けの丸いランドの様になった部分は絶縁されておらず、ここがスポンジで押さえつけられて台に貼り付けられた板に接すると音を拾うようになります。

と言うことで、台に貼り付けられた板がピエゾ素子なのかもしれません。

星形の小さな特殊ネジは開けるためのビットが入手できませんので開けらず、これ以上の構造は分かりません。

 

実はこのネジはラジオペンチで頭をつかめば回せそうだったのですが、ネジの頭をつぶしてしまうと修理できなくなるため、安全を見て止めておきました。。

 

基板の左側も台側に付いた粘着剤を取り除き、自由に浮く様にします。

この状態から、組み戻して行きます。

 

スポンジを基板からはみ出さない様に注意しながら貼り戻します。

カバーを被せるとスポンジで押し戻されます。

元々接着されていた左右の両面に瞬間接着剤を塗り・・・

カバーを閉めて開かない様にクリップで固定!

接着剤が固まりました~

いかにも瞬間接着剤で固定しました!と言う感じですので、軽くサンディングしてキレイにします。

 

サンドペーパーは400番くらい。

サウンドチェックのために、チェック用のアコギに取付けます。

背面にPU取付け確認用の開口を設けています。

今回はPU取付け面の両面テープを温存できる様、その上にマスキングテープを貼り、そこに更に薄手の両面テープを貼ってブリッジ裏に貼り付け。

 

チェック用のミニエンドピンジャックにて、信号を取り出せるようにしました。

サウンドチェックはPARA ACOUSTIC D.I.をつないで、いつものRoland JC-50にて。

結果、ノイズは解決!!!

 

サウンドは取付け状態や位置、ギターによっても異なるため何とも言えませんが、テストしたギターとアンプシステムでは問題無いクオリティーでした。

 

強いて言えば、手をプラグに触れるとノイズはかなり低くなり気にならなくなりますので、弦アースを取ることが出来れば完璧です。

 

最終的に、PUはミニエンドピンジャックにコネクタ接続できる様に仕上げました。

もちろん、コネクタは最大幅寸法を6mm以下に抑えていますので、マーチンサイズのエンドピン穴を通ります。

 

ですので、はんだ付け不要、エンドピン穴の拡大不要でPUを取付けることが出来ます!!!

以上でiBeamのPU修理&ミニエンドピンジャック接続化は完了です。

 

ミニエンドピンジャックのコネクタ接続仕様は、リピート注文を下さる方もおられ、好評をいただいております。

 

しかし現状まだまだ手作りの部分が多く、ご要望があれば製作させていただいている状況です。

 

生産も検査も改良しながら、治具等も少しずつ整備中ですので、機会があれば紹介したいと思います。

 

 

 

 

さて、調さんプチ情報!

来週末はバトントワーリング世界大会の日本代表強化合宿です。

 

そして、所属する自由が丘バトンクラブの方で、世界大会応援グッズを作って下さっている様です♪

今回は駒田先生、小梁川さんと一緒に世界大会へ行けますので、3人の応援グッズになる様です。

楽しみです!

 

 

 

 

 

では、また。

u-tak