本日1/9は成人の日で祝日。
子供たちは冬休み最終日。
何とか調神社へ。
兎年ですし、やっぱり行っておかないとね。
年明けから9日も経ちますが、まだまだ参拝者でいっぱい。
外の道まで参拝者の列が。
30分ほど並んで参拝。
長女の就職祈願と次男の合格祈願をしてきました。
二人に良い風が吹きます様に~
さて、1977年製グレーボビン修理の続きです。
前回は、断線の原因となったPP(ポールピース)の錆を落として、クリアラッカーを吹いて乾燥させたところまででしたね。
ここから、Fenderのコイル巻きパターンで解いたコイルを巻き戻して行きます。
参考まで、年始の特別サービス情報。
Fenderのこの年代のPU複数個の修理記録では、ボビンのTOPプレートとベースプレートの間のコイルの巻き数は、ややばらつきはありますが、AWG42のコイルを重ならない様に1列1層でPPに巻き付けた時に下から上まで行くターン数の前後で巻かれています。
これは、コイルを解くデータを取り続けているからわかることかもしれませんね。
手動コイル巻き機にSET。
先ほどのFenderパターンでコイルを巻き戻して行きます。
巻き戻し完了!
断線部の接続写真を撮り忘れました。。
今回はコイルを指で挟んでポッティング材を落としながら巻いたため、ややコイルにテンションがかかりながら巻くことになりました。
ですが、コイル解き時のターン数は7755、巻き戻しが7830ターンで+0.97%、経験上、絶縁性能などもまず大丈夫な範囲です。
コイルにテンションをかけ過ぎると、巻き数がもっと増え、更にはボビンTOPプレートとひどい時にはベースプレートまで反って開いてきます。
FenderのビンテージPUでも、オリジナルの状態でプレートが反っているモノは多く、Fenderも苦労して巻いていたのだな、と分かる部分があります。
その辺りのコイル巻きのコツは企業秘密ですけどね。
外観もキレイに巻けました。
この写真でも、コイルの色がこの年代のグレーボビンのコイルと違うことが分かります。
もう一つ。
コイルに付着したポッティングのロウ材も、粉状になった際にサラサラしていて、当時のポッティング材とは違うと思われます。
前回記載した通り、コイルの巻き線のパターンも違うため、リワウンドされている可能性が非常に高くなります。
参考まで、コイルの総巻き数7830ターンは概ね当時のオリジナルと同じです。
導通確認。
コイルが暖まっているため、この時点での数値は高めです。
リード線取付け。
コイルを傷つけない様PUカバーで保護して作業しています。
PPの着磁の状態を確認。
磁力の状態も問題ナシ。
PP上面でも数値がバラつきます。
単位はmTで、上が最大値、下が最小値。
ここまででPUの状態が問題無いことが確認できたため、ポッティング。
コイルの色を黒く見せるため、カーボン入りのロウ材でポッティングを。
内部までしっかりロウ材を含侵させるため、70℃前後の高めお温度で10分以上15分程度置いてから、手押し負圧ポンプにて抜気。
ポッティング完了。
この後、写真はありませんが常温に冷ました後、冷凍庫で12時間以上凍結後、ゆっくりと常温に戻して修理完了。
それによりコイルを収縮させ、寒い倉庫や飛行機輸送時の低温で断線しないかを確認。
更には銅のコイルは収縮した際に塑性変形するため、巻かれた際のテンションを緩める効果もあります。
最終の導通確認。
DC抵抗値:5.90kΩ at 19℃
いつものストラトテスト機のリアに搭載してサウンドチェック。
PU高さが低めだとシャリシャリのグレーボビンサウンド。
PUの高さを上右写真の様にある程度上げると、シャリっと感がありつつもバランス良く、リアでも使える出音となっています。
※ 音の傾向は、搭載するギター、アンプ、その他セッティングにより変化しますので、あくまで参考となります。
最終の外観写真がありませんが、カーボン入りロウ材でのポッティングにより、外観もオリジナルのグレーボビンのイメージに近く、サウンドもグレーボビンのキラッと感のある、良い仕上がりになったと思います。
年またぎでしたが、2023年初修理も無事に完了。
今年も良い1年になりますよう。
前回も書きましたが、次男の調が Last Star さんの SKY と言う曲のMVに出演させていただきました。
苦しい時に前向きになれる、生きる勇気を少しもらえる、そんな曲です。
是非、ご覧ください!
では、また。
u-tak