これまで興味はあったものの文庫では手に入らず、再販された本は大きく高いことから躊躇していた「ゴーストハント」ですが、この度ようやく図書館で借りることができました。
読んでみると、
欲しいヽ((◎д◎ ))ゝ…ああ、でも大きさが…お値段が…。
いや、ほんと
面白かった!!!о(ж>▽<)y ☆
実は読み初めの最初の方はちょっと戸惑っていました。
前回読んだ「屍鬼」のイメージを若干ひきずり(半分は「求めて」)読み始めただけに、高校生の明るく元気な女子高生の1人称に戸惑い、怪奇現象がいつくる?いつくる?と思っても、なんだかやっていることは、カメラの説明だったり、騒々しいキャラクターがわらわら出てきたり…。
なんだか違うなーOo。。( ̄¬ ̄*)
と思いつつも、そのまま読み進めていったのですが…
やっぱり小野不由美さんの作品…。
怖いよ(((( ;°Д°))))
巻を追うごとにパワーアップしていきます。
最初は控えていたのかな?と思うくらいに。
これ少女向けのライトノベルだったと思いますが、そんな概念は確実に吹き飛びます。
以降、各巻についての簡単な感想など。
1:「旧校舎怪談」
あらすじは
友人と怪談話を高じていた高校生:麻衣は、そのときに見知らぬ少年「渋谷一也」と出会う。彼は「霊がいる」と噂があり相次ぐ不穏な事故で工事が進まない旧校舎の心霊調査を校長に依頼された「渋谷サイキックリサーチ」の所長だった。アクシデントから彼の調査の助手をすることになる麻衣だが、そこには各方面からバラバラに依頼を受けた破戒僧、巫女、霊媒師、エクソシストが集結することになる。それぞれが勝手なことを言うなか、淡々とカメラやマイクなどの情報収集に邁進する麻衣たち。本当に霊はいるのか?次々と起こる怪異の原因は?
というお話。
最初の話ということで、私自身がまだこのキャラたちに慣れなかったのもあって、初めはあまり感情移入も出来ずにいました。怪異現象もあるようなないような?で、単調な実験風景と言いがかりの応酬。数値を調べ、検証、また数値を調べ、検証。(基本的にどの巻もこれと同じような検証作業が主)それにより確かな推理を導いていたはずが、状況は2転3転。予想のつかない展開に引き込まれ、中盤から一息に読んでしまいました。この巻に関してはとにもかくにも序章、という感じです。中盤までは読むのにちょっと一苦労しましたが(麻衣の女子高生的な思考についていくのがきつかった…笑)、さすがに後半、読ませてくれます。
2:「人形の檻」
この物語からは、1で知り合った破戒僧:通称「ぼーさん」、巫女の「綾子」、霊媒「真砂子」、エクソシストの「ジョン」が最初から一緒に依頼に同行していきます。それぞれがだんだんと自分の持ち味を発揮しだして、個性豊かな彼らのやりとりが楽しくなってきました。
依頼の内容は今回は明らかな「霊」のしわざ。
人形が怪しいに決まってる!
と、浅はかに思い込む読者(私)をあっさりと裏切ってくれましたね。
面白かった( ̄▽ ̄)=3。
3「乙女ノ祈り」
ナル(渋谷一也:麻衣がつけた「ナルシスト」からとったあだ名)と麻衣がちょっと近づく感じがするところにわくわくしました(〃∇〃)。題材の中に「ユリゲラー」のスプーン曲げなど、超能力の話題が出てきたりして、かつて自作のESPカードなどで「超能力があったりしないかな?」なんてことをわくわくしながら調べる実験をした自分を思い出しました(笑)。そして、一作ごとにじわじわとホラー要素が濃くなっていくのを感じます。麻衣の活躍も頼もしい今作でした。
4「死霊遊戯」
一作ごとに相対する「何か」が大きくなっていくような不気味さを感じさせてくれます。その「不気味さ」と物語中の怪異の「不気味さ」とが相まっているような…。膨大な怪異現象、息詰る学校と言う空間、次第に凄みを増していく「何か」の恐怖、と、作品の展開としては一番面白かったように思います。ラストまでまるで展開が見えなくて、ハラハラしながら読み切った作品でした。
また、作品の舞台となった高校の生徒会長:安原くん。この子の性格は
いい。:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
もう何度も
グッジョブ!(≧▽≦)
「出来る男」「空気を読む男」。さすが「越後屋」と言われるだけあって策士です。
読んでいて爽快な気分になれます。
あ、そうそう「コックリさん」。これを読んだら「しなくてよかった」と思います。
いや、まじで。
5「鮮血の迷宮」
この作品は
怖かった(((( ;°Д°))))
久しぶりです。本当に読んだ後に心臓がバクバクしてました。これは夜中には読んではいけません。怖すぎです。小野先生、
本領発揮か!?
これ、ライトノベルの時からこんなだったのでしょうか?(いや、でも現在の幽ブックスも学生向けでしたっけ?)。中学の頃、赤川次郎の「魔女たちのながい夜」を読んで「怖い~」と思ったものでしたが、なんていうかもっと
ねちゃっとした怖さ((((((ノ゚⊿゚)ノ
生々しさが半端無い。これは、子供はトラウマになりかねないのでは…(-。-;)
でも、怖さだけでなく、前回登場の安原くんを交えた霊能者やナルたちとのやりとりの中には笑いもあり、霊能者仲間がそれぞれを思いやり、どんどん仲良くなっていくのを見ているのも楽しかった。また舞台となった館のもつ「不思議」さや、インチキ霊能者たちのあさはかさなども物語の楽しさのひとつかも。実際にあったら見に行ってみたいと思いました。(話題になったウィンチェスター館も行ってみたくなりましたね。)
いろいろなものが濃密にぎゅっと詰まった作品のように思いました。
6「海からくるもの」
前作の衝撃が強くて、
「もうこれ以上面白い話はないだろう」
とか思いつつ読み始めたものの
やっぱり面白い:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
今回の舞台は入り江の先にある老舗旅館。ここでは「異人殺し」にまつわる祟りの展開そのものに興味がそそられました。そして、これまで「口ばっかり」のように見えた「綾子」の活躍。ナルが嫌みをいいながらも、いつも彼女をちゃんと呼んでいた訳がわかります。祟りの解明や霊との奮闘と平行し、浮上してきた「ナルの正体とは?」という疑問。いろいろなことが見え隠れする今作は翻弄されつつ読破。
7「扉をあけて」
最終章ということで最後にさまざまな疑問がほどけていく今作。中盤に依頼された学校での出来事はいつもに比べたらスケールが小さいながらも、その展開には静かな恐怖が伴っています。
短くても手は抜かない( ̄▽+ ̄*)
そんな、きらりとひかる「不気味さ」でした。
でも最後の清々しい展開には、ここ何巻か続いた死闘に疲れた読者(私)を癒してくれるものでしたね(笑)。
いろいろなことが見えてきて、それぞれの立ち位置もはっきりする中で、皆のあやふやだった絆が確かに存在することを感じさせる素敵な終わり方でした。「ナル」の謎もわかってスッキリしたしね(笑)
ここまで読むと、本当に、彼らのやりとりが楽しかったと、改めて1巻から読みたくなってきます。最初は違和感が…なんて言っていたのに、最後にはすっかりはまってしまっていました。
皆素敵なキャラクターだし、掛け合いもとても楽しくて、もっと聞いていたかった。ナルと麻衣の空気に変化があるのかも見届けたかった。
一応続きとして「悪夢の棲む家」という続編が出ているそうなので、何とか入手して読みたいと思いますが、この作品出版に際して、一部ファンと揉めて
続編を出さない( ̄□ ̄;)!!
と作者が決めたそうな…。
今更ながらにショックですorz
本当ならまだまだあるはずの謎とか、そういうのが迷宮入りなのでしょうか?
ナルと麻衣の微妙な関係はどうなるか、わからないままなのでしょうか?
うう…(_ _。)
でも、謎の解明はともかく、小野先生の作品では
恋は求めてはいけない
のかもしれません。見事に薄いですよね。
この作品でほのかに流れるナルと麻衣の空気感は素敵だったし、人の深淵を覗くことが巧い作者なら書けないわけではないはずだと思いますが、ようは
書きたくないのかな?
という気がしています。
以前感想で書いた「黒祀の島」でも、あっても不思議でなかった恋愛感情が「あえて」書かれなかった気がしますし、十二国記でも恋愛皆無ですしね。今回は1人称だったので、主人公自身の気持ちは余すこと無く描かれていますが、いつもの三人称だと、小野先生はどこか「感情」をはしょりがちなイメージがあるんですよね。
そうすると、仮に物語が続いてもナルと麻衣はせいぜい
お互い気になる人
くらいで終始するのかも。それはそれで生殺し(笑)。まあ、これだけ面白い作品をあげてもらって、その上恋愛も、というのはぜいたくなのかもしれません( ̄ー ̄)
その先は、潔く想像で補うとしましょうか。
本当に、これが小野不由美先生の最も古い作品だとは思えないくらいの作品でした。
怖いお話が好きな方、超おすすめいたします。
この作品はコミック化、アニメ化されています。
キャラクターを描いている方自身がコミックとして書いているので、全く違和感なく楽しみました。…ということで、とりあえず文庫版コミックで揃えようと現在6巻まで入手。怖さは多少オブラートがかかりますが、ごちゃごちゃして追っ付かなかったエピソードや文章では一言ですまされた細やかな気持ちの動きなどがわかりやすく描かれているので、小説を読んだ人にも楽しめる作品だと思います。
これはおすすめ。
最後に。
ちょこっとネタバレ。読んでいない方はご注意。
5「鮮血の迷宮」にて、麻衣が見た「自分が殺された夢」の中で殺された当人を真砂子に憑依させようとしたナルに対して麻衣が止めるシーンがあります。「自分が殺される気持ち、わかる?」「そんな体験させられない!」と。小説の文章上では「ナルの眼の色がふいに深くなった」という一文ながら、漫画版では虚ろな瞳に「なんか悪いこと言っちゃった気分」と麻衣が気にするシーンがあります。
こんな違いがあるほど重要なのか?とその時は思ったのですが、これはかなり重要なシーンだとあとから気付きました。結論から言えば、ナルは「知っている」のですよね?「自分が殺される気持ち」を(((゜д゜;)))。それは「サイコメトリ」の能力のせいで、何人もの失踪者を見てきたなかで「追体験することがある」とリンが最終巻で語っています。
そんなことに気付くと、この麻衣の「そんな怖い思いをさせられない!」とかばう姿はナルにとってどう映ったのだろうと考えてしまいます。彼にはおそらくそんな風に「もう見るな」と言ってくれる人がいなかったのではないでしょうか?「見たくない」と思うことはあっても「怖い思いをさせたくない。見なくていい。」と言ってくれる人はいなかったのではないかと想像します。
そこまで深く考えてのこの一文なのかな…すごい。
ああ、でもそうなら、やっぱりナルと麻衣の今後が気になってしまうのでした(笑)
このたび、随分前から読んでみたいと思いつつ、なかなか手がつけられなかった長編小説をイッキ読みしました。
という、お話です。
いやはや、最初の「ムラ社会」の描写で一度挫折しかけました。でも、事件が動き始め「疫病か?」という疑念が湧いてくる(文庫版)1巻後半から、俄然話が面白くなり、1巻を読んだ直後、2巻から5巻を買いに走りました((((((ノ゚0)ノ(笑)。
何度も押し寄せる悲劇に対抗しようと奔走する静信と敏夫。糸口も見えず謎は深まる一方で、次第に露になってくるその悲劇の規模の大きさに、焦る二人。ムラの住民の中でも徐々に不信感が見え隠れしてくる頃にやってきた、姿を見せない怪しい館の住民。
伝染病?アウトブレイク?
蒔いたのは
奴らか??ヽ((◎д◎ ))ゝ
と、真相が気になって気になって…5巻まではイッキ読みです。
面白かった( ̄▽ ̄)=3
ただ、読みながら、途中ちょっとつらくなりました。
悲劇に継ぐ悲劇。
医師として孤軍奮闘する「敏夫」とそれゆえの無力感。
「理想」と「現実」と自分の中の違和感との中で揺らぎまくる「静信」。
少しずつ異変に気付き始め、自ら行動を起こそうと奮起し始めた住民達に感情移入するたびに
ええーっ!!!(((゜д゜;)))
と…。
小野不由美先生、容赦無しです(@Д@;
理不尽な出来事の果てに見せる景色がまたね…( ̄_ ̄ i)
途中、
どこかでもっとどうにかできたのではないか?ヽ((◎д◎ ))ゝ
なんで、もっとこうしないの?\(*`∧´)/
などと、俯瞰でみている読者だからこその視点で、もどかしく感じる場面がたくさんあります。
それぞれが村を、自分を、大切なものを守りたくて、
だけど、そこにほんの一筋混じった偽善や狡さや躊躇、すれ違いが、
最悪の結果を導いていく…それを「これでもか」というくらい見せつけられてせつない。
ラストの展開も、おそらく賛否は分かれるところでしょう。
でも、考えてみれば、これこそが「小野不由美」の作品なのかもしれませんね。
物事には両面があって、善も悪も立場や見方を変えれば、感じ方も変わる。
しかも、人はわかりやすく「善」がよくて「悪」が悪いと言い切れるほどに単純でもない。
間違えることもあれば、「悪」だとわかっていても魅せられることもある。
人間の気持ちの深いところを探ろうとすればするほど混沌とする。
小野不由美の作品を読んでいると、いつもそんな普段見ることのない人間の混沌とした闇を垣間見せられるような気持ちになります。
↓以下、ネタバレ感想です。これから読む方はご注意ください。
小難しいことを言いましたが、この作品で実はもっとも言いたいことは
人が死に過ぎだっつーの゚○=(`◇´*)o!
いや、もちろんそういう話なのです。
だからそれはよいのです。
何が言いたいかというと、
夏野、昭の扱いが酷すぎる(ノ◇≦。)
夏野も、昭も、かおりも、それぞれ本当のことに気付いて、
何もできない大人の代わりにどうにかしようと頑張っていて、
その姿は素直に応援してしまういじらしさがあって…
少なくとも
最後まで生きていてほしい(。>0<。)
と切に願っていたのです。
大人がね。
不甲斐なかったり、独断的だったり、と情けない様相の中、
頑張って、自分達でできることを一生懸命やって、
おそらく最も早く屍鬼の真相に気がついた。
それなのに…
何一つ報われないという悲惨…(_ _。)
静信が屍鬼についちゃうのもまあよいのです。
悪の根源だと知る前に心の拠り所になっちゃったんだから…
敏夫の行き過ぎもよいのです。
そういうキャラだから(笑)。
大人たちがどうなろうが自業自得なのだけれど、
この子達は本当に見ていてつらかった。
何度「病院に話に行っては?」「お寺に相談に行けば?」と思ったけれど、
でも行ったところで、大人はおそらくちゃんと聞かなかったのではないかとも思う。
でも、
夏野、殺されて退場。
昭、喰われる寸前で退場(←しかも喰ったのはどうでもいい爺…)→死体で発見
夏野はともかく、昭の行動や存在に意味があったのかどうかすら怪しい。
それくらい、何も残せない。
その扱いがどうにもせつない…(。>0<。)ひどいよ…
あと、沙子について。
考えてみれば、何も人を殺さずとも共存していけないこともないのに、わざわざ殺してでも「屍鬼の社会」を作りたがった理由として、語られているものだけでなくもうひとつ、大事な理由が抜け落ちている気がしてなりません。
おそらくそれは沙子が12~13歳にしか見えないこと。
これ、書いている?
見落としているかな?私。
ちなみに仲間の辰巳が沙子の目的を語るには、「沙子」は「(人としての生活を)若くしてもぎ取られてしまった」から「人間(としての生)の続きをしたかった」という。でもこれ自体は、屍鬼の社会になったとしても
無理…だよね?( ̄_ ̄ i)
だって、いつまでたったとしても
彼女は12歳のままだから。
だからこそ、人間社会で一所に留まって、長くそのコミュニティの中で生活をすることができない。
高橋留美子の漫画「人魚の森」でも幼くして不老不死になった少年が、一番「困った」こととしてあげていました。
夜しか出られない、などは希薄な人間関係の中でうまくすればごまかせるけれど(それこそ、本初であげた「膠原病」など)、年齢についてはごまかせない。ましてや12~13歳という年齢はちょうど成長が著しい時。
長い間、同じところにいられず、それでいて一人で生きていくこともできない。
放浪の旅を余儀なくされてきた沙子だから、年齢がネックにならない「屍鬼だけの社会」を切望したのでは?と思います。
なぜ、この点が語られなかったのか?
謎です。
静信の「信じる神がいない」という感覚は、ちょっとわかる気がします。
ただ、多くの日本人のような無宗教者は、おそらく多かれ少なかれ皆こういう感覚を持っているのではないかな、とも思ったり。
無宗教者でも「神」の存在自体を完全否定することは稀です。
それを「神=イエス」「神=仏」「神=八百万」などと定義したくないだけで。
ただ、とりわけ静信の「神の不在感」に悲壮感が漂うのは、あくまでも静信が代々続く寺院の「若御院」だからですよね。
しかも村の皆の期待を一身に「‘仏’に仕える義務」を負っている立場であるから。
これが、「八百万の神」を奉る神社の神主だったら…こんなに苦悩することもなかったようにも思います。
この人は最初から最後まで、矛盾だらけの人でした。
‘明らかな裏切り者’となり‘明らかな異端者’である屍鬼になれたことで、初めて内実が合致した、ということなのでしょうが。
めんどくさい人ですね( ̄ー ̄)
最後に敏夫について。
彼なりに頑張った、と言いたいけれど…
下手を打ち過ぎ…(-。-;)
若御院が「不信死」と不信な村人の移動との関連などを知らせているところを顧みなかった部分までは仕方ないものの、そのあとの村人のけしかけ方やら、周囲の巻き込み方など。
もっとうまくやれよ…
と何度も思っちゃいました( ・д・)/--=≡(((卍。
もう疲れきってて、イっちゃっていた、というところですね。
おやすみなさい(@ ̄ρ ̄@)zzzz
語ればいろいろと思うところはありますが、この辺で。
思い返せば…というだけで、読んでいる最中は本当に「次はどうなる??」とページをめくるのが止まらない作品でした。
さすがです。
もしも機会があれば、ぜひ読んでみてください。
1巻を頑張れば、あとは5巻まですいすいいけますよ(笑)
こちら、漫画版、アニメ版とあるようですね。
興味はすごくあるのですが、小説を読んだあとに見た漫画版のキャラは、私のイメージとかけ離れすぎていていちょっと困るくらいでした。
読みたい…けれど、イメージが総崩れ…
悩みどころです。
(悪い訳では決してありません。ただ私のイメージでは「そうじゃない」感が半端無い。)
小野不由美「屍鬼」。
舞台は地理的にも心理的にも閉鎖された「外場村」。古い因習が残り、人間関係が濃密なその小さな「ムラ社会」で、住民は日々変わリ映えのない生活を営んでいる。話題と言えば、田舎にそぐわない洋館が建ったこと、「虫送り」と呼ばれる行事の真夜中に引き返した不審な運送会社のトラックのこと、なかなか引っ越してこない館の主のことくらい。そんな凡庸な生活の中で、ある日3人の変死体が発見される。その日からじわじわと数が増えていく謎の不信死。未知の疫病か、それともほかの何かがあるのか?村で権威を持つ寺の若御院「静信」、村唯一の医者「敏夫」らは、この異変について調べ始めるが…。
という、お話です。
いやはや、最初の「ムラ社会」の描写で一度挫折しかけました。でも、事件が動き始め「疫病か?」という疑念が湧いてくる(文庫版)1巻後半から、俄然話が面白くなり、1巻を読んだ直後、2巻から5巻を買いに走りました((((((ノ゚0)ノ(笑)。
何度も押し寄せる悲劇に対抗しようと奔走する静信と敏夫。糸口も見えず謎は深まる一方で、次第に露になってくるその悲劇の規模の大きさに、焦る二人。ムラの住民の中でも徐々に不信感が見え隠れしてくる頃にやってきた、姿を見せない怪しい館の住民。
伝染病?アウトブレイク?
蒔いたのは
奴らか??ヽ((◎д◎ ))ゝ
と、真相が気になって気になって…5巻まではイッキ読みです。
面白かった( ̄▽ ̄)=3
ただ、読みながら、途中ちょっとつらくなりました。
悲劇に継ぐ悲劇。
医師として孤軍奮闘する「敏夫」とそれゆえの無力感。
「理想」と「現実」と自分の中の違和感との中で揺らぎまくる「静信」。
少しずつ異変に気付き始め、自ら行動を起こそうと奮起し始めた住民達に感情移入するたびに
ええーっ!!!(((゜д゜;)))
と…。
小野不由美先生、容赦無しです(@Д@;
理不尽な出来事の果てに見せる景色がまたね…( ̄_ ̄ i)
途中、
どこかでもっとどうにかできたのではないか?ヽ((◎д◎ ))ゝ
なんで、もっとこうしないの?\(*`∧´)/
などと、俯瞰でみている読者だからこその視点で、もどかしく感じる場面がたくさんあります。
それぞれが村を、自分を、大切なものを守りたくて、
だけど、そこにほんの一筋混じった偽善や狡さや躊躇、すれ違いが、
最悪の結果を導いていく…それを「これでもか」というくらい見せつけられてせつない。
ラストの展開も、おそらく賛否は分かれるところでしょう。
でも、考えてみれば、これこそが「小野不由美」の作品なのかもしれませんね。
物事には両面があって、善も悪も立場や見方を変えれば、感じ方も変わる。
しかも、人はわかりやすく「善」がよくて「悪」が悪いと言い切れるほどに単純でもない。
間違えることもあれば、「悪」だとわかっていても魅せられることもある。
人間の気持ちの深いところを探ろうとすればするほど混沌とする。
小野不由美の作品を読んでいると、いつもそんな普段見ることのない人間の混沌とした闇を垣間見せられるような気持ちになります。
↓以下、ネタバレ感想です。これから読む方はご注意ください。
小難しいことを言いましたが、この作品で実はもっとも言いたいことは
人が死に過ぎだっつーの゚○=(`◇´*)o!
いや、もちろんそういう話なのです。
だからそれはよいのです。
何が言いたいかというと、
夏野、昭の扱いが酷すぎる(ノ◇≦。)
夏野も、昭も、かおりも、それぞれ本当のことに気付いて、
何もできない大人の代わりにどうにかしようと頑張っていて、
その姿は素直に応援してしまういじらしさがあって…
少なくとも
最後まで生きていてほしい(。>0<。)
と切に願っていたのです。
大人がね。
不甲斐なかったり、独断的だったり、と情けない様相の中、
頑張って、自分達でできることを一生懸命やって、
おそらく最も早く屍鬼の真相に気がついた。
それなのに…
何一つ報われないという悲惨…(_ _。)
静信が屍鬼についちゃうのもまあよいのです。
悪の根源だと知る前に心の拠り所になっちゃったんだから…
敏夫の行き過ぎもよいのです。
そういうキャラだから(笑)。
大人たちがどうなろうが自業自得なのだけれど、
この子達は本当に見ていてつらかった。
何度「病院に話に行っては?」「お寺に相談に行けば?」と思ったけれど、
でも行ったところで、大人はおそらくちゃんと聞かなかったのではないかとも思う。
でも、
夏野、殺されて退場。
昭、喰われる寸前で退場(←しかも喰ったのはどうでもいい爺…)→死体で発見
夏野はともかく、昭の行動や存在に意味があったのかどうかすら怪しい。
それくらい、何も残せない。
その扱いがどうにもせつない…(。>0<。)ひどいよ…
あと、沙子について。
考えてみれば、何も人を殺さずとも共存していけないこともないのに、わざわざ殺してでも「屍鬼の社会」を作りたがった理由として、語られているものだけでなくもうひとつ、大事な理由が抜け落ちている気がしてなりません。
おそらくそれは沙子が12~13歳にしか見えないこと。
これ、書いている?
見落としているかな?私。
ちなみに仲間の辰巳が沙子の目的を語るには、「沙子」は「(人としての生活を)若くしてもぎ取られてしまった」から「人間(としての生)の続きをしたかった」という。でもこれ自体は、屍鬼の社会になったとしても
無理…だよね?( ̄_ ̄ i)
だって、いつまでたったとしても
彼女は12歳のままだから。
だからこそ、人間社会で一所に留まって、長くそのコミュニティの中で生活をすることができない。
高橋留美子の漫画「人魚の森」でも幼くして不老不死になった少年が、一番「困った」こととしてあげていました。
夜しか出られない、などは希薄な人間関係の中でうまくすればごまかせるけれど(それこそ、本初であげた「膠原病」など)、年齢についてはごまかせない。ましてや12~13歳という年齢はちょうど成長が著しい時。
長い間、同じところにいられず、それでいて一人で生きていくこともできない。
放浪の旅を余儀なくされてきた沙子だから、年齢がネックにならない「屍鬼だけの社会」を切望したのでは?と思います。
なぜ、この点が語られなかったのか?
謎です。
静信の「信じる神がいない」という感覚は、ちょっとわかる気がします。
ただ、多くの日本人のような無宗教者は、おそらく多かれ少なかれ皆こういう感覚を持っているのではないかな、とも思ったり。
無宗教者でも「神」の存在自体を完全否定することは稀です。
それを「神=イエス」「神=仏」「神=八百万」などと定義したくないだけで。
ただ、とりわけ静信の「神の不在感」に悲壮感が漂うのは、あくまでも静信が代々続く寺院の「若御院」だからですよね。
しかも村の皆の期待を一身に「‘仏’に仕える義務」を負っている立場であるから。
これが、「八百万の神」を奉る神社の神主だったら…こんなに苦悩することもなかったようにも思います。
この人は最初から最後まで、矛盾だらけの人でした。
‘明らかな裏切り者’となり‘明らかな異端者’である屍鬼になれたことで、初めて内実が合致した、ということなのでしょうが。
めんどくさい人ですね( ̄ー ̄)
最後に敏夫について。
彼なりに頑張った、と言いたいけれど…
下手を打ち過ぎ…(-。-;)
若御院が「不信死」と不信な村人の移動との関連などを知らせているところを顧みなかった部分までは仕方ないものの、そのあとの村人のけしかけ方やら、周囲の巻き込み方など。
もっとうまくやれよ…
と何度も思っちゃいました( ・д・)/--=≡(((卍。
もう疲れきってて、イっちゃっていた、というところですね。
おやすみなさい(@ ̄ρ ̄@)zzzz
語ればいろいろと思うところはありますが、この辺で。
思い返せば…というだけで、読んでいる最中は本当に「次はどうなる??」とページをめくるのが止まらない作品でした。
さすがです。
もしも機会があれば、ぜひ読んでみてください。
1巻を頑張れば、あとは5巻まですいすいいけますよ(笑)
こちら、漫画版、アニメ版とあるようですね。
興味はすごくあるのですが、小説を読んだあとに見た漫画版のキャラは、私のイメージとかけ離れすぎていていちょっと困るくらいでした。
読みたい…けれど、イメージが総崩れ…
悩みどころです。
(悪い訳では決してありません。ただ私のイメージでは「そうじゃない」感が半端無い。)
あけましておめでとうございます。
昨年は仕事でもプライベートでもなかなか一筋縄ではいかないことに追われて1年があっという間にすぎていきました。
たまに集中して本を読んだものの、感想を書く時間まではとれず…
それに感想って、やっぱり読んだ直後の方がいろいろ語りたいことがあふれて言葉が出てくるものですよね。
時間がたつとそれも薄れてしまって、なかなか書けないでいました。
さて、そんな中でも、印象に残った作品がいくつかありますので、ちょっとだけ紹介いたします。
ひとつめが「ヴィンランド・サガ」
トルフィンの復讐、父王に暗殺を企てられた若き王の目覚め、理想の王を求めたアシェラッドの夢、これらが戦いの中で絡み合う第一部、そして彼らそれぞれが導きだす「理想の国」を求めて、一度ほどけた糸がまた絡み合っていく第二部と、今後も眼が離せません。
それにしても…ヴィンランドってフィンランドのことではないかと勝手に思っているのだけれど、違うのかな?フィンランドは一度旅行をしたことがあり、ちょっと思い入れがあるので、この物語の終わりにどんな風に関わってくるのか、そんなこともとても楽しみにしています。
ふたつめは高尾 滋「ゴールデン・デイズ」
こちらは、ひとことで言えば「タイムスリップもの」です。
誘拐された過去によりエキセントリックな過保護に走る母との関係に悩む主人公:光也。その光也が慕っている曾祖父には、長年思い続けた「後悔」があることを知る。古い写真に写る若かりし曾祖父の姿は光也とうりふたつ。その夜、曾祖父の危篤により病院に駆けつけた光也は、曾祖父の「奇蹟」を望む声とともに大正の世界へととばされる。その世界で若かりし曾祖父「慶光」として暮らすことになる光也。曾祖父の「後悔」とは何か、戻ることはできるのか?慶光の幼なじみ「仁」やその家族、そこで出会う彼らとの日々で光也もまた自分らしさを取り戻していく…
大正という時代設定がラストに活きてきます。
人物がどれも魅力的で、彼らの紡ぐ輝かしい日々はまさに「ゴールデン・デイズ」というタイトルにふさわしい。光也のことを「記憶を失った慶光」として接する彼らの優しさと戸惑い、現代と違う生活に不慣れながらも奮闘する光也の姿もなかなか微笑ましい。現代っ子の光也の考え方、感じ方が大正の世に生きている彼らのもつ闇をほんの少し明るい方へと導くエピソードなど、優しい気持ちになって読めました。最初の設定、「過保護な母親」との関係については、若干さらっと流されてしまったような気もしますが、ラストでは彼らとの日々を想い、胸に迫るものが込み上げてきます。
こういうの、弱いんですよね~。
願わくば、もう少し、余韻が欲しかった。
実は電子書籍で購入したのは最初の花とゆめコミックスの方で、最近発売された文庫版の方にはおまけページがあるとの情報を知り、
なんだと~。゚(T^T)゚。
と悲しく思っているところです。
8巻分ちゃんと買ったのに~。
何かの機会にその部分をチェックしたいと思います。
もひとつ。
逢坂みえこさんの育児系漫画「プロチチ」。
アスペルガー障害が疑われ、社会からも挫折し自信喪失していた主人公が、専業主夫となり「プロの父」として子育てに奮闘していくことで、自信を取り戻していく物語。
アスペルガー障害者としての行動パターンであったり苦悩であったりが、ときにコミカルに、ときにせつなく描かれ、彼らの気持ちの一端をわかりやすく知ることができます。
何よりも主人公の妻が素敵です。
アスペルガー症候群であることを自覚した夫に対して、それをひとつの「個性」として認め、あるがまま受け止めつつ、とても自然体で彼の隣にいます。周りの無理解や誤解に怒ったり、時にフォローに走ったりしながらも、それを特別なことと思わず、彼を信頼しともに暮らす姿には主人公でなくてもちょっと癒されるものがあります。
考えてみれば、以前は彼らも「ちょっと変わった人」として、社会でそれなりに認められてきたのではないかな?と読んでいて思いました。それが、専門的な名前をつけられ、「皆が同じように同じことができないといけない」と異端者を排除する世相が、彼らの個性を潰し、今、ことさら社会からおいやられているように感じてしまいます。バイト先の店長のように、彼の妻のように、個人としてちゃんと認め、その個性に沿った方法を模索してくれるような人が減ったということなのかもしれませんね。そんなことを考えてちょっと悲しくなったりしました。
子育てそのものも含め、いろいろと考えさせられるお話です。
これら3作はどれも電子書籍で購入しました。
ヴィンランド・サガは最初はレンタルで様子見をしながら、一括購入。
今後はそんな風になっていくのかも。
今年はもう少し、いろいろレビューできればよいなと思います。
昨年は仕事でもプライベートでもなかなか一筋縄ではいかないことに追われて1年があっという間にすぎていきました。
たまに集中して本を読んだものの、感想を書く時間まではとれず…
それに感想って、やっぱり読んだ直後の方がいろいろ語りたいことがあふれて言葉が出てくるものですよね。
時間がたつとそれも薄れてしまって、なかなか書けないでいました。
さて、そんな中でも、印象に残った作品がいくつかありますので、ちょっとだけ紹介いたします。
ひとつめが「ヴィンランド・サガ」
以前、アニメカテゴリで感想を書いた「プラネテス」の作者が紡ぐ、中世ヨーロッパの世界です。主人公はアイスランドの戦士トールズの子:トルフィン。幼かった自分を人質にされたことで殺された「本当の戦士」である父の復讐を果たすため、その仇アシェラッドの率いるヴァイキングの戦士として戦いの世界に身を投じている。当時のヴァイキングの容赦ない戦いっぷり、世界史ではさらっと流されて終わる時代のイングランドやデンマークなどの王家での陰謀劇、その戦いに翻弄される民衆の姿など、知っているようで知らなかった歴史の世界に、どんどん惹きこまれていきました。
トルフィンの復讐、父王に暗殺を企てられた若き王の目覚め、理想の王を求めたアシェラッドの夢、これらが戦いの中で絡み合う第一部、そして彼らそれぞれが導きだす「理想の国」を求めて、一度ほどけた糸がまた絡み合っていく第二部と、今後も眼が離せません。
それにしても…ヴィンランドってフィンランドのことではないかと勝手に思っているのだけれど、違うのかな?フィンランドは一度旅行をしたことがあり、ちょっと思い入れがあるので、この物語の終わりにどんな風に関わってくるのか、そんなこともとても楽しみにしています。
ふたつめは高尾 滋「ゴールデン・デイズ」
こちらは、ひとことで言えば「タイムスリップもの」です。
誘拐された過去によりエキセントリックな過保護に走る母との関係に悩む主人公:光也。その光也が慕っている曾祖父には、長年思い続けた「後悔」があることを知る。古い写真に写る若かりし曾祖父の姿は光也とうりふたつ。その夜、曾祖父の危篤により病院に駆けつけた光也は、曾祖父の「奇蹟」を望む声とともに大正の世界へととばされる。その世界で若かりし曾祖父「慶光」として暮らすことになる光也。曾祖父の「後悔」とは何か、戻ることはできるのか?慶光の幼なじみ「仁」やその家族、そこで出会う彼らとの日々で光也もまた自分らしさを取り戻していく…
大正という時代設定がラストに活きてきます。
人物がどれも魅力的で、彼らの紡ぐ輝かしい日々はまさに「ゴールデン・デイズ」というタイトルにふさわしい。光也のことを「記憶を失った慶光」として接する彼らの優しさと戸惑い、現代と違う生活に不慣れながらも奮闘する光也の姿もなかなか微笑ましい。現代っ子の光也の考え方、感じ方が大正の世に生きている彼らのもつ闇をほんの少し明るい方へと導くエピソードなど、優しい気持ちになって読めました。最初の設定、「過保護な母親」との関係については、若干さらっと流されてしまったような気もしますが、ラストでは彼らとの日々を想い、胸に迫るものが込み上げてきます。
こういうの、弱いんですよね~。
願わくば、もう少し、余韻が欲しかった。
実は電子書籍で購入したのは最初の花とゆめコミックスの方で、最近発売された文庫版の方にはおまけページがあるとの情報を知り、
なんだと~。゚(T^T)゚。
と悲しく思っているところです。
8巻分ちゃんと買ったのに~。
何かの機会にその部分をチェックしたいと思います。
もひとつ。
逢坂みえこさんの育児系漫画「プロチチ」。
アスペルガー障害が疑われ、社会からも挫折し自信喪失していた主人公が、専業主夫となり「プロの父」として子育てに奮闘していくことで、自信を取り戻していく物語。
アスペルガー障害者としての行動パターンであったり苦悩であったりが、ときにコミカルに、ときにせつなく描かれ、彼らの気持ちの一端をわかりやすく知ることができます。
何よりも主人公の妻が素敵です。
アスペルガー症候群であることを自覚した夫に対して、それをひとつの「個性」として認め、あるがまま受け止めつつ、とても自然体で彼の隣にいます。周りの無理解や誤解に怒ったり、時にフォローに走ったりしながらも、それを特別なことと思わず、彼を信頼しともに暮らす姿には主人公でなくてもちょっと癒されるものがあります。
考えてみれば、以前は彼らも「ちょっと変わった人」として、社会でそれなりに認められてきたのではないかな?と読んでいて思いました。それが、専門的な名前をつけられ、「皆が同じように同じことができないといけない」と異端者を排除する世相が、彼らの個性を潰し、今、ことさら社会からおいやられているように感じてしまいます。バイト先の店長のように、彼の妻のように、個人としてちゃんと認め、その個性に沿った方法を模索してくれるような人が減ったということなのかもしれませんね。そんなことを考えてちょっと悲しくなったりしました。
子育てそのものも含め、いろいろと考えさせられるお話です。
これら3作はどれも電子書籍で購入しました。
ヴィンランド・サガは最初はレンタルで様子見をしながら、一括購入。
今後はそんな風になっていくのかも。
今年はもう少し、いろいろレビューできればよいなと思います。
大変ひさしぶりの更新となってしまいました。
かまたきみこ「KATANA」の感想です。
物語は…
鎌倉時代から続く刀鍛冶の跡継ぎとして生まれた高校生:成川滉は、刀の持つ魂魄を見て交流することのできる特技を持つ。刀鍛冶職人として人間国宝である祖父の跡継ぎにはなりたくないものの、刀たちとふれあい、その卓越した「研ぎ」の技術によって刀たちやその持ち主の抱える様々な問題に関わっていくことになる…
というものです。第一話だけは、もともと読み切りで描かれていたもので大学留学中であったりと設定が多少違いますが、2話からは高校生として物語が始まっています。
「刀」が魂魄として見える、という設定。
面白いですヽ(゚◇゚ )ノ
花嫁に持たせる守り刀として作られた刀は花嫁姿の美しい娘だったり、拵えに龍をあしらい名前に「龍」の字をあてられた刀は竜の姿をしていたり。その刀の歴史、生まれ、用途の違いが端的にキャラクターとして表されているのが、わかりやすく新鮮です。また、その物語も、その刀達のキャラクターを活かし、刀ひとつひとつには本当に様々な物語が秘められているのでは、と思わせてくれて楽しめます。
日本刀は今では「美術品」か「歴史の遺物」という認識でしかない現代ですが、この作品を読んでいると、刀が普通の人々にとっても身近で歴史のあるものであったことを改めて認識させられます。一口に「刀」と言っても、その目的や作られ方、その長くこの世に存在していく中での変遷など、その境遇は様々です。神事にも使われ、神聖なものとして崇められた存在もあれば、戦で何度も人を斬った刀もある。こんなにも人の生活に深く関わってきたこの器具が、今ではほとんど目にすることがない、ということが、この作品を読むとむしろ不思議に思えてきました。
ある話では、映画の小道具用に用いられた刀の魂魄が女性だったことから、「この刀は‘なぎなた’なおしの刀」と推測する場面もあり、そんな風に刀自身形を変えて生き続けているのかと知るのも興味深いものだったり。刀そのものについての基礎知識や、「妖刀村正」などの名刀妖刀と呼ばれてきた刀のことなどもわかりやすく登場したり、ちょっとマニアックではあるものの、「刀」の面白さを再認識できる作品となっています。
刀との交流がメインですが、この主人公をとりまく人間関係も、コミカルに描かれていて、読んでいて楽しめます。主人公はちょっとヘタレ気味な、刀も人も放っておけないところのあるお人好し。破天荒な友人とのやりとり、うまくコミュニケートできない親子の葛藤、その親子をハラハラ見守る優しい祖父と母。物語の着地点は今のところ分かりませんが、刀との交流を通して、成長していく彼らをもうしばらく見守っていきたい、と思わせてくれる作品です。
興味が湧いたらぜひ読んでみてください。
作者の「かまたきみこ」さんの作品はこれが初めてでしたが、こちらも面白かったです。
「レジェンド・アカデミー 」 (アイズコミックス)/ホーム社
※「伝説の男」へと「帝王学」などを教えてくれる学校と信じて入学したこの学校は「伝説を学ぶ」学校だった。あくまでも「金」「ビジネス」思考である主人公の少年は、学校で浮きまくりながらも、ファンタジックな出来事に巻き込まれ、馴染んでいく…
かまたきみこ「KATANA」の感想です。
物語は…
鎌倉時代から続く刀鍛冶の跡継ぎとして生まれた高校生:成川滉は、刀の持つ魂魄を見て交流することのできる特技を持つ。刀鍛冶職人として人間国宝である祖父の跡継ぎにはなりたくないものの、刀たちとふれあい、その卓越した「研ぎ」の技術によって刀たちやその持ち主の抱える様々な問題に関わっていくことになる…
というものです。第一話だけは、もともと読み切りで描かれていたもので大学留学中であったりと設定が多少違いますが、2話からは高校生として物語が始まっています。
「刀」が魂魄として見える、という設定。
面白いですヽ(゚◇゚ )ノ
花嫁に持たせる守り刀として作られた刀は花嫁姿の美しい娘だったり、拵えに龍をあしらい名前に「龍」の字をあてられた刀は竜の姿をしていたり。その刀の歴史、生まれ、用途の違いが端的にキャラクターとして表されているのが、わかりやすく新鮮です。また、その物語も、その刀達のキャラクターを活かし、刀ひとつひとつには本当に様々な物語が秘められているのでは、と思わせてくれて楽しめます。
日本刀は今では「美術品」か「歴史の遺物」という認識でしかない現代ですが、この作品を読んでいると、刀が普通の人々にとっても身近で歴史のあるものであったことを改めて認識させられます。一口に「刀」と言っても、その目的や作られ方、その長くこの世に存在していく中での変遷など、その境遇は様々です。神事にも使われ、神聖なものとして崇められた存在もあれば、戦で何度も人を斬った刀もある。こんなにも人の生活に深く関わってきたこの器具が、今ではほとんど目にすることがない、ということが、この作品を読むとむしろ不思議に思えてきました。
ある話では、映画の小道具用に用いられた刀の魂魄が女性だったことから、「この刀は‘なぎなた’なおしの刀」と推測する場面もあり、そんな風に刀自身形を変えて生き続けているのかと知るのも興味深いものだったり。刀そのものについての基礎知識や、「妖刀村正」などの名刀妖刀と呼ばれてきた刀のことなどもわかりやすく登場したり、ちょっとマニアックではあるものの、「刀」の面白さを再認識できる作品となっています。
刀との交流がメインですが、この主人公をとりまく人間関係も、コミカルに描かれていて、読んでいて楽しめます。主人公はちょっとヘタレ気味な、刀も人も放っておけないところのあるお人好し。破天荒な友人とのやりとり、うまくコミュニケートできない親子の葛藤、その親子をハラハラ見守る優しい祖父と母。物語の着地点は今のところ分かりませんが、刀との交流を通して、成長していく彼らをもうしばらく見守っていきたい、と思わせてくれる作品です。
興味が湧いたらぜひ読んでみてください。
作者の「かまたきみこ」さんの作品はこれが初めてでしたが、こちらも面白かったです。
「レジェンド・アカデミー 」 (アイズコミックス)/ホーム社
※「伝説の男」へと「帝王学」などを教えてくれる学校と信じて入学したこの学校は「伝説を学ぶ」学校だった。あくまでも「金」「ビジネス」思考である主人公の少年は、学校で浮きまくりながらも、ファンタジックな出来事に巻き込まれ、馴染んでいく…
以前、フルコンプしたゲームのファンディスクをこの度Getしました。

本編の『神学校』の概要は、というと
主人公は全寮制の神学校に通う双子のひとり、マイケル。クリスマス休暇に帰省した際、両親と妹が無残に殺され家が焼かれるという事件に遭遇。その際残されていた気になるマークが、自身の通う神学校に関係があると知り、その真相を知るために奔走する・・・
敬虔な神学校内で横行する悪魔信仰の闇。
その闇に身を投じつつ、一つずつ真相をつかんでいくマイケル。全編を通して、この事件を乗り越えて成長するマイケルの姿が描かれていて、その完成度の高さはキャラクターごとの話がそれぞれ1編の映画としてもなりたつのではと思わせるものでした。
さて、そんなこんなでファンディスクです。
本編がかなりシリアスな内容であったため、基本的なルートはどれも重く攻略対象(男)との恋愛も、せつなかったり、つらかったり。本当にラブラブで「幸せ♪」という内容が少なかったのですが、ファンディスクはそこをちゃんと補ってくれていました。
ラブラブです(≧▽≦)
こちらのディスク、まずはスゴロク形式で、「犬も喰わない恋人同士のケンカ」を仲直りするイベントを見たり、ミニゲームなどで「ヨハネ」というゲーム内通貨を貯めていきます。その「ヨハネ」で、彼らのその後や番外編などが見られるストーリーを「購入」することができる、という様式になっています。
最初は
すごろく…めんどいε=(。・д・。)
と思っていましたが、中々うまくつくられていて、ちょこちょこ挟まれる級友との日常に笑かせてもらったり、単純だけれど意外と面白いミニゲームにはまったり、と苦もなく「ヨハネ」を貯めることができました。
そして、各ストーリー。
二人のその後を描いたものと、番外編的な二人のやりとりを描いたもの。どちらも、基本明るく、それでいてきちんと本編の「過去」を経て今がある、といった真摯なシナリオに大満足。
素敵でした(≧▽≦)ノノ
改めてもう一度本編を見たくなりました。とくに、本編でGoodEndの無かったキャラクター(True Endはあるけれど、悲しい最後でした)のその後については、涙腺がゆるみそうになりました。「幸せ」と言っていいのかな?でも、このエピソードが見られただけでも、このファンディスクを買ったかいがあったというものです。
本編では脇役でいながら、最もBL的な二人のエピソードも垣間みれるのがまた魅力。二人とも良い子だし、素敵です。また、最後の最後に登場した「彼」とのささやかなエピソードがまた嬉しい配慮でした。
それから、意外な面白さを提供してくれたのがミニゲーム「神がめ」。
ずっと以前からMACなどに搭載されていたゲーム「まきがめ」「さめがめ」の「神学校キャラクター版」です。いわゆる何種類かのマークを繋げて消して、高得点を狙うというだけの単純なゲームなのですが、
これ、私の好物でした(笑)思い出した…(^▽^;)
単純なゲームほど熱中する
の典型のようなゲームです。普段、こういった本編と関係ないミニゲームはむしろめんどうに思ってしまうのですが、このゲームだけは何度もこなしてしまっています。チョイスがにくいですね。
と、いうことで再び堪能。
心もほっこり、満足のいくファンディスクでした~♪

本編の『神学校』の概要は、というと
主人公は全寮制の神学校に通う双子のひとり、マイケル。クリスマス休暇に帰省した際、両親と妹が無残に殺され家が焼かれるという事件に遭遇。その際残されていた気になるマークが、自身の通う神学校に関係があると知り、その真相を知るために奔走する・・・
敬虔な神学校内で横行する悪魔信仰の闇。
その闇に身を投じつつ、一つずつ真相をつかんでいくマイケル。全編を通して、この事件を乗り越えて成長するマイケルの姿が描かれていて、その完成度の高さはキャラクターごとの話がそれぞれ1編の映画としてもなりたつのではと思わせるものでした。
さて、そんなこんなでファンディスクです。
本編がかなりシリアスな内容であったため、基本的なルートはどれも重く攻略対象(男)との恋愛も、せつなかったり、つらかったり。本当にラブラブで「幸せ♪」という内容が少なかったのですが、ファンディスクはそこをちゃんと補ってくれていました。
ラブラブです(≧▽≦)
こちらのディスク、まずはスゴロク形式で、「犬も喰わない恋人同士のケンカ」を仲直りするイベントを見たり、ミニゲームなどで「ヨハネ」というゲーム内通貨を貯めていきます。その「ヨハネ」で、彼らのその後や番外編などが見られるストーリーを「購入」することができる、という様式になっています。
最初は
すごろく…めんどいε=(。・д・。)
と思っていましたが、中々うまくつくられていて、ちょこちょこ挟まれる級友との日常に笑かせてもらったり、単純だけれど意外と面白いミニゲームにはまったり、と苦もなく「ヨハネ」を貯めることができました。
そして、各ストーリー。
二人のその後を描いたものと、番外編的な二人のやりとりを描いたもの。どちらも、基本明るく、それでいてきちんと本編の「過去」を経て今がある、といった真摯なシナリオに大満足。
素敵でした(≧▽≦)ノノ
改めてもう一度本編を見たくなりました。とくに、本編でGoodEndの無かったキャラクター(True Endはあるけれど、悲しい最後でした)のその後については、涙腺がゆるみそうになりました。「幸せ」と言っていいのかな?でも、このエピソードが見られただけでも、このファンディスクを買ったかいがあったというものです。
本編では脇役でいながら、最もBL的な二人のエピソードも垣間みれるのがまた魅力。二人とも良い子だし、素敵です。また、最後の最後に登場した「彼」とのささやかなエピソードがまた嬉しい配慮でした。
それから、意外な面白さを提供してくれたのがミニゲーム「神がめ」。
ずっと以前からMACなどに搭載されていたゲーム「まきがめ」「さめがめ」の「神学校キャラクター版」です。いわゆる何種類かのマークを繋げて消して、高得点を狙うというだけの単純なゲームなのですが、
これ、私の好物でした(笑)思い出した…(^▽^;)
単純なゲームほど熱中する
の典型のようなゲームです。普段、こういった本編と関係ないミニゲームはむしろめんどうに思ってしまうのですが、このゲームだけは何度もこなしてしまっています。チョイスがにくいですね。
と、いうことで再び堪能。
心もほっこり、満足のいくファンディスクでした~♪