あいつはほんと馬鹿だなあ【闘牛士篇】
ブログネタ:人から何て呼ばれたい? 参加中
僕は白昼の東京の街中で熱いキスを繰り返す二人の姿を見た。
それはお昼過ぎの時間帯でした。
今日の東京の空はどんよりしたにび色の厚い雲に覆われていました。
雨はまだ降っていませんでした。
しかし、雨雲は今にもその懐に抱えた雨を地上へ解き放とうと待ち構えているところでした。
僕は、ひとりコンビニにパンを買いに行くところでした。
そこで、僕は見てしまったのです。
「白昼の東京の街中で熱いキスを繰り返す二人の姿を!」
彼らは、ランチタイムで通りを行き交う人たちの姿を見向きもせず、
ただただ何度も何度もキスを繰り返していました。
僕は思わず足を止めて、二人の姿に見入ってしまいました。
そんな僕や他のギャラリーのことなんかお構いなしで、
二人は映画のクライマックスで戦いを終え生還したヒーローがヒロインにするように、
何度も何度も熱い口付けを繰り返していたのです。
まるで鳩がエサをついばむように、
何度も何度も熱い口付けを繰り返していたのです。
【現場写真】 二人はまるで鳩のように互いの唇をついばみあった。
照らす太陽とフラッシュバックする記憶
朝、ぎりぎりまで眠っている。
太陽が昇り、無条件に朝がやってくる。
僕は、目覚ましのスヌーズの5回目くらいの、アラームでだいたい無理やり体を起こす。
体が、頭が眠っている。
ベランダに出て、今では大分高くまで上るようになった太陽をじっと見上げる。
真っ白な光が僕の眼球から入り込み、
網膜を経由して、全身の毛細血管へと行き渡る。
日中、街中を歩いているときも
気がつくとビルの隙間から差し込む太陽を探し、
立ち止まり、その日の光を浴びている。
この星がたくさんの悲しみや喜びや、苦しみ、幸せをのせて、
毎日毎日まわっていることを、
何の気なしに照らす太陽。
緑の木々の中を流れる、渓流のせせらぎを渡るさわやかな風。
枯葉、木枯らし、長い冬、春、永遠、イメージは脳の奥底から勢いのある湧き水のようによみがえる。
幼い頃に感じたあの空気を求めて、
僕はどこへゆくのだろう。