ケインズ経済学 (図解雑学)/ナツメ社
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世論に対して試験的な性質のものであるとか、容易に変更される可能性をもつとかという感じを与える貨幣政策は、長期利子率を大幅に引き下げる目的に失敗するであろう。(中略)他方、同じ政策でも、もしそれが合理的であり、実行可能であり、公共の利益にかない、強い確信に根ざし、つぶれそうにない当局によって推進されるという理由で世論に訴えるなら、おそらく容易に成功するであろう。(『一般理論』第15章2節)(図解雑学「ケインズ経済学」 滝川好夫 p179)
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前者は白川までの、コミットメントのない金融政策。後者はリフレ派が推奨するコミットメントのある金融政策に相当することはお分かりですね。ケインズも、強力なコミットメントを伴った金融政策であれば有効であると考えていたわけです。リフレ政策についても、ケインズはとっくにわかってました。さすがケインズ先生ですね。
もう一つ、ケインズの考えを紹介します。「マネー・イリュージョン」という言葉です。
金を通して世界を読む/日本経済新聞出版社
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「マネー・イリュージョン(Money ilusion)」とはケインズの使った経済用語であるが、人間は実質的貨幣価値より名目的貨幣価値により強く反応する。名目賃金が単純に2%下がった場合と、物価が4%上昇する中で名目賃金が2%上昇する場合とを比較すれば、実質の賃金カットは同じなのだが、一般的な人間の拒否反応は前者の方が強い。
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実質賃金が上がってないから、ダメだというような人もいますが、上記のように、賃金上昇(あるいは下落)が目に見える名目賃金をケインズは重視していたのです。実質賃金ばっかり見てちゃダメですよとケインズは言っているわけです。気をつけましょう。
p.s.
マネー・イリュージョンについて補足します。
要は、人々は実質賃金ではなく名目賃金を見て行動する傾向がある。ということです。投資などをやるプロは実質賃金を見るでしょうが、一般庶民のマインドは名目賃金の影響というものが無視できないほど大きいということです。
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