
"Rewrite"
「……軍を中心とする…連軍は………方面への撤退を余儀なくされ、
戦線は南へと大きく後退い……」
アナウンサーのような男性の声が途切れ途切れに聴こえる。
(ラジオ❓️戦争のニュース❓️)
小野ユキはしばらく目を閉じたまま、その声に耳を傾けていた。
机の上に突っ伏してうたた寝をしていたようだ。
「本日の放送はこれをもちまして終了いたします。
ご聴取くださいました皆さま、誠にありがとうございました。
次の放送は、明朝六時より開始の予定でございます。
それでは皆さま、どうぞおやすみなさい。
……ジ……ジジ……ザー…………」
ラジオの放送が終わり雑音が流れ出した。
(うるさいわね……)
目を開けると机の上に原稿用紙があった。
(原稿の上でうたた寝しちゃったのね)
原稿にはよだれの跡が残っていた。
(アラララ、よだれでインクが……)
よだれの跡をよく見ると"平"と"泉"の文字の中間あたりのインクが滲んでいた。
小野ユキは原稿を読み返した。
(あの争いの悲劇を描いた作品だ、。
"平泉"はその舞台、3作目だ。
もうすぐ脱稿ってところね。)
「ザー……ザザ……」
(あーっうるさい‼️)
「ブチッ…」
ラジオのスイッチを切ると日めくりが目に入った。
"12月17日"
小野ユキの誕生日だった。
(75年前に戻ったのね…)
机の上の鏡に映った自分の顔を見た。
『ずいぶん昔に戻っちゃったわね』
もう一人の小野ユキが現れた。
『なんであんたいま❓️
あ、そうか鏡を見たからね……
そうなのよ、バルコニーでバーベQの続きを楽しみにしてたのに………』
『せっかくなんで、なんかしてみたら…』
『そうね、インクが滲んだところが
"平泉"だなんて白々しい演出だけど
"平泉"の間に"和"を入れて
"平和泉"に書き換えちゃおうか。』
『全部書き換えるの❓️』
『そうね、いっそのこと"平和泉"をタイトルにしちゃおうかな。
どうせ3作目は全然売れなかったんだから……タイトル変えたら売れるかも。』
『それがいいわ、このあとどうする気❓️』
『そうねこの時代に生まれてるのは
久蔵さんだけよね。
まだ10歳くらいかしら
久蔵さんを探してストーキングしてみようかな。』
『捕まらないようにね。
それじゃぁまた👋』
_三日後。
小野ユキは3作目の小説'平和泉"を書き上げた。
つづく
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