滝壺に戻った洋美と蔵人は猿のアドバイス通り滝壺から滝を見上げていた。
しばらくすると黒い玉が落ちてきて、滝の裏側に沈んだ。
『あの玉はさっき雲から落ちた玉かしら❓️』
『たぶんそうだろう、裏側をのぞいてみよう。』
滝の裏側は深い淵になっていた。
『潜ってみようよ。お腹のポケットに何か入ってないの、潜水艇とか』
『潜水艇は大き過ぎでしょう、どれどれ』
洋美はポケットに手を入れて探してみたが入っているのは虹色の玉だけだった。
『💡あっ、そうだ』
虹色の玉に"小さい潜水艇"と書くと、玉はみるみる大きくなって洋美の身体を包み込んだ。
洋美が"淵の中"と思うとそのまま淵の中に潜り始めた。
『あらあら全然濡れないし、息もできる、
蔵人さんはどうしよう❓️』
洋美がそう思った瞬間、玉が揺れ始め、もう一つの虹色の玉が現れ、蔵人に向かって飛んで行った。
『うわッ』
水の中から飛び出した玉は蔵人を包み込んで、淵の中の洋美がいるところまで沈んでいった。
『水の中でも呼吸できるんだね。』
『どうやらこの玉の中で行きたいと思えばそこへ連れて行ってくれるようです。泳がなくていいんですよ。』
『会話もできる。他にもいろいろできそうだね。』
『蔵人さん、下を見てください。黒い玉が一ケ所に固まっていますよ。近くまで行ってみましょう。』
淵の底に近づくと黒い玉の塊は光り始め、着底すると輝きを完全に取り戻し真っ白な塊になった。
同時に洋美の虹色の玉から赤橙黄緑青藍紫七つの玉が飛び出し白い塊の前に横一列に等間隔に並んだ。
白い塊から一つ一つ小さな玉が次々と離れて横一列に並んで赤橙黄緑青藍紫の玉の間を通って色づきながらゆっくり上へ向かった。見上げると七色の光の帯が水面を突き抜け空に向かって延びていた。
『ここから虹が生まれるんですね』
『虹は夢の粒で出来ているんじゃ…』
『"あ〜りませんか"って言いたいんでしょ』
洋美は四角い眼鏡とちょび髭を付けた顔になっていた。
"あ〜りませんか"の意味を理解し始めたようだ。
『虹になった玉と川に浮かんで流れていった玉の違いはなんだろうねぇ❓️』
光の帯はしばらく伸び続けていたが、蔵人の呟きと同時に途切れ、見上げていた水面が遠くなり始めた。
淵の底に目を遣るとポッカリ穴が空いていて二人はその穴に吸い込まれていた。
穴の中はやや斜め下に向かって延々と続いていた。
二人を乗せた虹色の玉は徐々にスピードを上げながら奥へ吸い込まれていった。
『何か見えるぞ。』
『だんだん大きくなってる、近づき過ぎよ⚠️うわーっ、ぶつかるー‼️』
と洋美が叫んだ瞬間二つの虹色の玉は大きな黒い玉の前で停止した。
大きな黒い玉は穴の底にめり込んでいるようだ。
虹色の玉に照らされると大きな玉はだんだん光り始め銀色に変わった。
『これも誰かの夢の玉なのか❓️だとすると、とんでもなく大きな夢だな』
『ソウデスダレカノユメラシイ』
玉の中から聞き覚えのある声がした。
銀色の宇宙人の声だ。
大きな玉はだんだん透き通って、銀色の宇宙人が姿を現した。
『なんでそんなところにいるんですか❓️』
『ダレカガゼツボウシタカラデス』
『絶望❓️どういうこと、その前にそのしゃべり方なんとかなりませんか❓️』
『なんとかなりますよ。昔見た夢を思い出せますか❓️』
『そんな大きな夢を見た憶えはありません。』
『そうですか実は私も何のことかよくわからないんです。ものすごく明るくて暖かくて自由な雰囲気の所にいた記憶はあります。
ある時、私の周りをぐるぐる廻っているいくつかの玉の中で三番目に近い青い玉を見ているとその玉から光が飛んできて吸い込まれると思ったら、強い衝撃を受けて、気がついたらここにめり込んでいたというわけです。』
『隕石みたいなものですか❓️なんで誰かの夢らしいとわかるんですか❓️誰かってあなたは蔵人さんの夢に現れた宇宙人さんではないのですか❓️』
『ここにいると時々黒い玉が転がってくるんです。玉に事情を聴いてみると、みんな自分は"忘れられた夢"だって言うからそうなんだと思ったわけです。
話をしているとだんだん光りだして"ありがとう"って言いながら上にあがって行ってたんです、初めのうちはね。
そのうちだんだん転がってくる玉が増えてこの空間を埋め尽くして、話を聴いてあげても上にいけなくなってしまったんです。
それがさっき急に玉が光りだして全部上がって行ってしまって、あなた方が現れたというわけです。
ところで蔵人さんって誰❓️…❓️…❓️
誰❓️…💡そうか誰かっていうのはその蔵人さんって人のことですね。』
『私がその蔵人さんですけど…私がその誰か…ということです…か❓️』
『あなたが蔵人さんですか、そういうことでなんでしょうかねぇ。』
『ということはあなたは蔵人さんの夢ということですね。なのに蔵人さんの夢に出た憶えはないとはどういうことでしょう❓️』
『❓️』
『❓️』
『❓️』
三人とも誰かが誰なのか、わからなくなってしまった。
つづく
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