10万年の交差点
(眩しい)
洋美は途轍もなく明るい光の中で目醒めた。
ディーゼルエンジンのような音がだんだん大きくなって近づいてきた。
光に目が慣れると1台のバスが自分に向かって迫ってくるのが見えた。
バスは洋美の前で停まった。
『洋美さんじゃない❓️』
『蔵人さん❓️』
運転手は蔵人だったが洋美が見慣れていた還暦の蔵人ではなく20代の青年の姿の蔵人だった。
『そうだよ、びっくりした❓️』
『はい、とっても…
ところでここはどこなんですか❓️』
『どこかと言われると……
そうだね地底都市の交差点
って感じかな…』
『地底ですか、こんなに明るいのに❓️』
『それを今、調査しているところなんだよ
手伝ってくれない❓️』
『私、目が醒めたらここにいて
何がなんだか…』
『立ち話もなんだから…
とにかくこのバスにお乗りなさい』
バスの左側のスイングドアが開き、洋美は乗り込んだ。
バスの中は森だった。
『なんですか、このバス
なんで森なの❓️』
『それはフォログラムみたいな…
もっとスゴイやつ』
『もっとスゴイ❓️フォログラム❓️』
洋美は木の枝を掴んでみた。
『あっ、掴める、感触がある…
ホントにスゴイ❗️
スッポ抜けない‼️
アイツとは違う』
『他にもホラ…
雪山…砂漠…砂浜…大都会…』
蔵人の言葉に合わせて景色が変わっていった。
『どういう仕掛けなの❓️』
『空間の情報を切り替えてるんだよ』
『蔵人さんが創ったの❓️』
『創ったっていうか…
出来ちゃった
元々はこんな感じ』
蔵人は指を鳴らす仕草をした。
指は鳴らなかったが、景色はゴージャスなキャンピングカーの車内に変わった。
『このクルマも蔵人さんが創ったの❓️』
『こんなクルマで旅をしたいな
って思ったら現れたんだよ』
『ところでアイツって
"タイ〇〇シンの精"
みたいなヤツのこと❓️』
『そう』
『どんなヤツだったか思い出してみて』
洋美は目を閉じて青い水玉模様のスーツを着た、四角い眼鏡をかけたちょび髭の男性の記憶を引っ張り出した。
『ありがとう、もういいよ目を開けて』
目を開けると洋美の前に青い水玉模様のスーツを着た、四角い眼鏡をかけたちょび髭の男性、"時間旅行の添乗員"が立っていた。
蔵人の姿は消えていたので添乗員は蔵人が変身した姿だとわかった。
"あ〜りませんか"』
洋美は添乗員の土手っ腹に渾身の一撃をお見舞いした。
『うっ……何するんだよ❓️』
『ごめんなさい…
その"あ〜りませんか"
を聞くと反射的に…
っていうかアイツは
蔵人さんだったの❓️』
『洋美さんの記憶を元に
創造してみたんで
違うと思うけど…』
『どうしてアイツになる必要が❓️』
『この地底都市は
いつ出来たのかなと思っていたら
洋美さんが交差点に立ってたんだ
それで"時間旅行の添乗員"のことを
思い出して添乗員になってみた
というわけ
前に鹿鹿になったことがあって
なりきってみるのが一番
手っ取り早いってわかったんだ』
『でも添乗員ってそんなに
何でも知ってるの❓️』
『知ってることにすればいいんだよ』
『えー、そんないい加減でいいの⁉️』
『いいんだよ
何にも決まってないんだから
自分で決めればいいんだよ
どうせなら面白いように
決めたらいいんじゃ…
おっと危ない』
洋美の拳のエネルギー反応を察知した添乗員姿の蔵人は"あ〜りませんか"の衝動をなんとか抑え込んだ。
『それで何かわかった❓️』
『10万年前にお湯を沸かすために
燃やした燃料の燃えカスの
処理に困って
地中に埋めたところから
この地底都市の物語は始まる』
『都市伝説かいな』
つづく
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